劇場公開日 2022年1月21日

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「ブルジョアたちのお人柄について…」ブルジョワジーの秘かな愉しみ 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ブルジョアたちのお人柄について…

2024年2月26日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

<食べること>がいつも彼らのアタマにある。富裕層に支えられてきたフランスの食文化を感じる。
また彼らは、なかなか上品でおっとりした人柄に思われる(大使はしたたかだけれど)。意外に憎めない。

一方で、思慮が浅く、というか、何も考えていない。得体が知れぬ不安はあるのだがそれについて考えることもしない。
彼らは、浅はかにも大使に巻き込まれている。また例えば、窮地に立っているレストランになど関心を持たない。悲惨なこども時代を送った兵士の話も軽く聞き流すのみ。まわりに不幸な人生があること、社会が揺れ動いていることなど、お構いなしだ。
神父もあの調子で宗教など役に立たないらしい。それに比べ軍人たちや警官らは、現実に直面している人たちとして描かれているようだ。

脳天気な会食の雰囲気と、現実的な厳しい世界が交錯して、ちぐはぐ感半端ないおかしさがあった。

あま・おと