ブラック・レインのレビュー・感想・評価
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You watch your tail, cowboy.
日本の芸人さんも出ていて、大阪など懐かしの景色が盛りだくさんで、もう何度でも見てしまいました。1980年後半の当時にしては、日本人や日本の描き方が、激しく歪曲しておらず、そんな演出も魅力と思います。最近DVDを見て気づいたのは、英語字幕と本当のセリフが一致してないことでした。もちろんセリフの方が長いんです。詳しく知りたくて、スクリーンプレイも買ってしまいました(1994年版)。最後の空港のシーンで、ニックが松本警部補に、「You watch your tail, cowboy」と別れの挨拶するんですが、実は映画の前段階で、チャーリーがニックに言ってたと知って驚きました。何て粋なんだ。
久しぶりに見た
内田裕也さんがお亡くなりになったことで、この映画を見返す機会がありました。ずいぶん久しぶりに見た印象はだいぶ変わっていました。当時は、比較的クールな町として大阪や日本が描いてあり、松田優作の遺作であるという、それだけの映画で、ほかになんの感情の起伏も感じなかったのですが、まったく印象になかった、高倉健が出演していたという、意外なつながり。
それも、劇中にレイ・チャールズを熱唱するシーンがあったり、意外な発見がありました。
当たり前ですが、出演者がみんな若い。そして、敗戦後の日本人のアイデンティティをうまく捉えた表現は、当時の日本が世界に存在感を放っていた証左に他ならないと思う。でも、正直、今も昔も、何にも引き付けられるものが無い映画なんだよな。たぶんマイケル・ダグラスに魅力を感じないのが大きいと思う。
2018.6.12
渋い高倉健と狂気の松田優作
アメリカの独善的な一面を鋭く描いた一本?
本作のリドリー・スコット監督は、ひょっとするとご自身は、アメリカという国が(いかに敵国・日本に対してとはいえ)原爆を投下したことには批判的な見解をお持ちの方なのかも知れないと思いました。評論子は。本作を見終わって。あくまでも、評論子個人の勝手な憶測なのですけれども。
評論子の理解によれば、アメリカという国は、これまでに独善的な行為を重ね、何度も他者(他国)に甚大な影響を与えてきていると思います。
評論子が思いつく限りでも、
○本作にも関わる日本への原爆投下
○沖縄戦での人(日本兵)に対する火焔放射器の使用
○ベトナム戦での枯葉剤の大量散布(いわゆる「ベトちゃん・ドクちゃん」の問題)
○ビキニ環礁での水爆実験(いわゆ第五福竜丸の被爆問題)
○モーリタニアン基地でのアメリカ軍による(被疑者の人権を無視した)不当拘束の問題
(注)この件は、別に映画化もされていることは、映画ファンの皆様には、すでにご案内のところです。
『モーリタニアン 黒塗りの記録』
実は、本作については、邦題に、最初は違和感がありました。本作の邦題になっている、まさにその「黒い雨」によって人生を狂わされ、重い後遺障害に苦しむ方がいらっしゃるその国(日本)で、そのものズバリを題名とすることが、それらの方々に対する配慮を欠かないか…ということてす。
しかし前記に掲げたようなアメリカの独善的な行為が、仮にアメリカという国の価値観の発露に基づく行為そのものの謂であれは、邦題をこのように設定したことは、むしろ本作の正鵠を得ているのではないかと、思い直したりもしていました。
つまり、本作の佐藤(故・松田優作)か、自分の価値観に基づく独善的な行為を躊躇なく選ぶ行動をとる者の、いわば「代表格」として描かれていると考えると、彼の身の振り方にも合点が行きますし、彼が本作の中で無軌道に暴れまわることも、評論子にも理解ができるように思います。(まさに、そこが松田優作の「狂気」とも言えるような渾身の演技。)
戦前からの「仁義」や「任侠」「義理・人情」を重んじる、いわば戦前タイプのやくざとは一線を画するということで、作中の菅井親分(若山富三郎)のあのセリフになったということなのだと思います。
そう考えれば、アメリカという国が時として垣間見せる「(その価値観に基づく)独善さ」を鋭く描いた一本として、簡単に奥行きの深浅を評することのできない一本ではなかったと思います。。
見終わって、深い深い思念が残る一本になりました。評論子には。
<映画のことば>
「盗みは盗み。グレーゾーンはない。」
「ニューヨーク自体が巨大なグレーゾーンみたいなものさ。」
上記の評論子の理解からすれば、いわば「脇筋」なのですけれども。
カタブツだった松本警部補(高倉健)と、刑事としてはいささか「アウト・ロー」だったニック(マイケル・ダグラス)とが、お互いがお互いに感化されて行くプロセスが、なんとも言いようがなく、温かい一本になりました。最後のニセ札の原版の扱いなどは、胸アツものでした。評論子には。
格好よくいえば「男同士の友情」みたいなものだったでしょうか。
ハリウッド映画ながら、松田優作も高倉健も良い味を出していたのが嬉しい
リドリースコット監督(エイリアン等)による1989年製作のアメリカ映画。原題:Black Rain、配給:UIP。
松田優作の遺作として有名だが、初めての視聴。優作が、暴力団員で親分に逆らってのし上がろうとする凶暴な犯人役を演じている。笑みを浮かべる様な表情と殺しの残酷性のギャップが際立ち、バイクに乗る姿もさまになっており、この映画が最後となってしまったのは非常に残念。
主な舞台は大阪だが、猥雑さが強調されているせいか色調なのか、何処か外国のチャイナタウン様に思えてしまう映像で、不思議な印象を抱いた。
アンディ・ガルシアがクラブで抜群のリズム感で “What'd I Say”(レイ・チャールズ)歌うのには感心しきり。流石に高倉健の声合わせには似合わない感も感じたが、それを含めて生真面目感とそこからの脱皮する姿は、かなり好演に思えた。これが、4年後の「ミスター・ベースボール」出演に繋がったということか。
主人公マイケル・ダグラスとクラブの女性ケイト・キャップショーの絡みは良く分からなかった。彼女は何故ダグラスをあれだけ助けたのか?一目惚れ的恋愛感情でもなさそうで、数年住んでいてもあくまでガイジンと扱われるとぼやいていたので、日本社会の外に置かれる存在に、同士的なものを覚えたのだろうか?どこか知的な雰囲気を見せていたが、彼女がその後スピルバーグ監督の奥さんになるんだと少し感慨を覚えた。
松田優作の親分演ずる若山富三郎は流石の貫禄。高倉健の官僚的な上司役神山繁もなかなかの好演であった。
監督リドリー・スコット、製作スタンリー・R・ジャッフェ 、シェリー・ランシング、製作総指揮クレイグ・ボロティン ジュリー・カーカム、日本側ラインプロデューサー水野洋介、日本側キャスティング室岡信明。
脚本クレイグ・ボロティン、ウォーレン・ルイス、撮影ヤン・デ・ボン(ダイ・ハード、氷の微笑等)、美術ノリス・スペンサー、衣装エレン・マイロニック、編集トム・ロルフ、音楽ハンス・ジマー。
出演
マイケル・ダグラス(ニック・コンクリン)、アンディ・ガルシア(チャーリー・ビンセント、ゴッドファーザーPart III 等)、高倉健(松本正博)、ケイト・キャプショー(ジョイス)、松田優作(佐藤浩史)、若山富三郎(菅井)、神山繁(大橋)、ジョン・スペンサー(オリバー)、ガッツ石松(片山)、内田裕也(梨田)、小野みゆき(みゆき)、ルイス・ガスマン(フランク)、國村隼(吉本)、安岡力也、島木譲二。
観るなら断然「字幕版」がおすすめ
ストーリーとしては非常にベタかと思います。ワイルドなベテラン刑事と、スマートな若手刑事がコンビを組んで、凶悪犯を追う。特に目立った展開はありませんが、やはり注目すべきは日本が舞台になっているということではないでしょうか。また片言の中国人ではなく本物の日本人が多くキャスティングされている点も好感が持てます。
実際に撮影の多くは日本でされたようなので「へんてこ日本」な感じは少なく、日本人としては非常に見やすかったですが、おそらくアメリカ人からすると、イメージしている日本と違って面白みに欠けたことでしょう(チビ眼鏡も忍者も芸者も富士山も出てこない!)。
本作と言えば、松田優作の代表作のように語られることも多いですが、正直そんなにいい役じゃなかったように思います。悪役のボスではありますが、セリフは少ないし、登場シーンもほとんど逃走シーンなのでいまいちかっこよくない。もっとカリスマ性のある悪役に期待していたのでちょっとがっかり。高倉健は準主役でいい役どころだったと思います。それとガッツ石松の演技が案外上手。
あと、タイトルの通りですが、観るなら必ず字幕版で観るべきです。本作は英語と日本語が入り混じることで、異国感やセリフの面白さが演出されているのに、吹き替えだと全て日本語になってしまい本来の演出やセリフがまったく伝わらなくなってしまいます。
33年ぶり
バブル頃の大阪の街
日本がイケイケ絶頂期の遺産として、優作さんの遺作として、観ておいて損はない作品。
お話自体はなんということはないんですよね。多分にご都合主義だし。
正直中身はないの。
チンピラヤクザを捕まえたとか、取り逃がしたとか、また捕まえたとか、そういうお話。
でも、さすが「ふたつでじゅーぶんですよ」のリドリー・スコットさんだけあって、世界観の構築はすげーの。大阪が完全に異世界だもの。
まさに「ふたつでj」の台詞飛び出してきそうだもの(笑)
でもさ、健さんやりすぎじゃね?
やってることって警察の捜査から完全にはみ出した、ただの殺人だよ。コスチューム込みで野生の証明だよ!
でさ、優作さんを逮捕?したら、掌返しする警察のお偉いさんって何?(笑)
タイトルに至る“黒い雨”のエピソードはちょっと意味が薄くて無理くりすぎかなぁ。
まぁね、日本がイケイケだったころの良き思い出として観ておいて損はない作品かなぁ。
松田優作さんの怪演も凄まじいものがあるし。あと、若山富三郎さんとか、地ぃ~味にホタテマンとかさ。
古き良き演劇
これこんなに面白かったっけ!!!!!!!!!!
アメリカは、同情はしても反省はしない
物語の始まりとなる事件はあっさりと起こり、物語の展開と共に発生する様々な問題は、主人公の主体性を補強し、その人間性を明確にする。 主人公を取り巻く人物たちの行動には矛盾がなく、登場シーンが少なくても存在感があり印象に残る。 全体的に弛みがなく、主人公の行動に観客の好奇心がぐいぐいと引っ張られていく仕掛けになっている。
また、日本とアメリカの考え方の違いや二国間の関係を物語の中にうまく織り込んでおり、それも面白さに繋がっている。
今回、初めて感じたこともある。 この作品を通して、アメリカが見る日本の成るべき姿、目指すべき方向性が伺えるような気がしたのだ。 公開当時、経済的に破竹の勢いだったバブル期の日本を、アメリカは脅威ではなく、憐みと同情の気持ちで見ていたのではないか―。 そして、それはきっと、令和の現在でも変わっていないのではないのか―と感じたのである。
アメリカは、黒い雨を浴びて変わってしまった日本人に同情することはあっても、自らの行為を日本が望むような形で反省することはないのだ。 日本は、いつまでもアメリカの同情を誘い反省を待つのではなく、自らの足で立ち上がるべきではないか。 アメリカも、自らが叩き潰した日本が本当の意味で再び立ち上がり、対等になってくれることを望んでいるのではないか。
脚本を書いたクレイグ・ボロティンとウォーレン・ルイスがそんなことを考えていたのかどうかはわからないが、今回私は、この作品を観てそう感じたのである。
つい、日本の警察の側からみてしまう
2度目の鑑賞
前回見たのは30.年くらい前だと思う
ニューヨーク市警のニックとチャーリーは殺人犯の日本人、ヤクザの佐藤を逮捕する
日本で指名手配されている佐藤を日本へ護送するが
日本へ着いた途端、警察に偽装した佐藤の部下に騙され、逃走をゆるしてしまう
ニックとチャーリーは逃走した佐藤を追う
という物語
前回見た時の記憶はあまり残っていなくて
初めての鑑賞に近い感覚だった
高倉健につられて、つい日本側から見てしまうため
「ん?」となってしまう部分があった
他の方のレビューにもあるが
松田優作と若山富三郎の対立の構図が一回で理解できなくて、もう一度見て確認した
終盤で、チャーリーの仇をとりたいニックが、
本来の目的を忘れて佐藤を殺そうと(見る側を思わせる)するシーンがあるが
結果は身柄を警察に引き渡すのは
松本警部補と行動を共にしているうちに、
組織の大切さに気付いたという設定かな?
正直、日本を舞台に、アメリカ流のアクション映画は
「ちょっと、無理があるなぁ~」と思った
日米間の価値観の違い
もう何年も前の初見のときは、マイケルダグラスかっけえー、その脇を固める高倉健もアンディガルシアも松田優作もなかなかやるなー、と出演者目当てでしか鑑賞していませんでしたが、今回久しぶりに観ましたところ、やはりそれなりにメッセージ性のある映画でした。
個を主張するアメリカ人と組織に重きを置く日本人という対立構造を作りながら、それぞれが歩み寄るという展開。やはり最後はアメリカ映画ということもあり、「やっぱり個で動いても結果だせちゃうだろ?」ってな価値観を押し付けられたような展開でしたが、そこはそれぞれの出演者の名演で、すがすがしいエンディングとなりました。
ストーリー的にはやくざ同士の対立関係の背景がイマイチ分かりずらく、佐藤の登場シーンから偽警察に引き渡すまでの過程が少々強引過ぎるような印象でした。
公開当時リアルタイムで観ていませんでしたが、この当時はおそらく日本の文化は米国の一般人にはさほど伝わっていなくて、日本といえば、FujiyamaだのGeishaだの、言葉だけでしか知らなくて、日本の街並みなどにかなり不思議な感覚を覚えたのではないでしょうか。とは言え、この映画では、あまり日本を異質な国として描かれていなくて、大袈裟に揶揄したり、皮肉っているわけでもなく、客観的に捉えられている印象でした。
松田優作の作品は映画もドラマもあまり観たことが無いのですが、この映画では、表情に鬼気迫る迫真のものがあったものの、役柄なのかセリフが少なく、演技力については “?” でした。若くして亡くなられたので、過大評価されているような気がしないでもありません。
高倉健、松田優作ばかりが目立ちますが、若山富三郎、神山繁、國村隼などなど、名だたる俳優さん揃いで、それぞれの好演が、この映画を更に盛り上げていてくれたと思います。
今では日米間の文化の違いも浸透し、お互いの違いにさほど驚くこともないかもしれませんが、この当時の情報量でこれだけ骨太なストーリーを作り上げたことは、素晴らしいと思います。
魔都大阪と最後の閃光
Blu-rayで4回目の鑑賞(字幕)。
リドリー・スコット御大の作品で好きなものを3つ挙げろと言われたら、「エイリアン」、「オデッセイ」、そして本作と云うことになるくらい、大好きな作品であります。
ストーリーはアメリカと日本の刑事が文化の違いを超えて友情を育んでいくと云うものでしたが、特段珍しくないので、本作の魅力は物語を彩った舞台や出演陣に尽きるでしょう。
関西圏で大々的なロケーション撮影が敢行され、ハリウッド映画にありがちであるヘンテコな日本描写が皆無に近いことがとても印象的でした(いろいろ苦労も多かったとか)。
見慣れた大阪の景色が「ブレードランナー」的世界観に大変貌。御大の手に掛かれば街の印象がここまで変わってしまうのかと、初めて観た時に度肝を抜かれました。
御大の作家性もあるのかもしれませんが、外国人の視点で見た大阪はまるで魔窟で、怪しさや煩雑さが日本人の視点の5割増くらいになっているんじゃないかなと思いました。
マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作、若山富三郎…当時でこれ以上は考えられないであろう日米豪華キャストが集結。日米のスターたちがひとつの画面の中に収まっていると云うことのすごさに体が震え、それぞれから放たれるオーラの凄まじさに痺れまくりでした。
特に松田優作の怪演が印象的。この時すでに病を患っていたにも関わらず、治療より本作への出演を優先したそうな。病的な感じが佐藤のキャラを一層狂気的にし、彼以外には演じられなかったであろう唯一無二のものになっていたのは、決して過言では無い。本作が遺作となりましたが、最後の瞬間に眩いばかりの閃光を残しました。まさに伝説。合掌。
[余談]
関西人として、大阪などでハリウッド映画のロケが行われたと云うのがとても誇らしいですし、吉本新喜劇でお馴染みの島木譲二が出ていたのも嬉しい限りでした。
[以降の鑑賞記録]
2021/10/23:シネマスタジアム(サンテレビ)
よく完成させたリドリースコット!!!
当日平成になったばかりの日本で、“ウォール街”でオスカーを受賞して全盛期だったマイケル・ダグラスと、”エイリアン”や”ブレードランナー”といった大作を成功させノリに乗ってた頃のリドリースコットが、ほとんど日本人キャストで日本を舞台に映画を撮った。という異色であり、とても意義のある作品である。それだけでよく完成させたと脱帽したい本作だったが、日本人キャスト、(特に高倉健と松田優作)の演技が光り、日本俳優もまだまだ捨てたもんじゃねぇなと、世界で通用するなと、色々と衝撃を与えてくれた作品であった。
高倉健と松田優作が正当に海外でも評価されてくれて本当に嬉しいし、2人とも演技が上手いなって。健さんなんかは、日本の生真面目な刑事を英語であんなに上手くよく演じられたなと…。松田優作は、本作が遺作であるが、世界に爪痕を残せてよかったなと考える。刑事とか主人公とかの役が多い彼が、悪役を演じるのはかなり我々日本人にとっては驚きだったのではないかと思う。余談だが、本作のブレイクを機に、彼が絶対勝てないと語っていたデニーロとの共演映画のオファーが来てた所の訃報に、彼の死が痛まれる。まだまだこれから活躍できたって時の死が悲しい。指切りのシーンとかその前後の鬼気迫る感じと、立場的には下なのにも関わらずどこか畏怖する威圧感をもつ、何を考えているか分からない故の恐怖感というやつを上手く表現できていたと思う。度肝抜かれるよ。
日本においてもかなり忠実だったし、出てくる日本語が殆ど流暢なのも素晴らしい。ただ1つ言えることがあるとすれば、日本のヤクザに対して外国人は大きく描きすぎているかなと思った。展開がちょっと有り得ないなと思うシーンが多々あったんだが、マイケル・ダグラスと高倉健の掛け合いと演技の上手さ、松田優作の恐演によってそれが緩和されていたのかなと思った。かなり俳優に助けられた作品という感想。だからこそ違和感が惜しかった。特にガルシアが死ぬシーンなんかは、ちょっと無法地帯すぎない!?って感じです。これは日本側がもっと協力的に映画製作に関わってあげたらいい方向に改善したのかなと切実に思う。リドリースコットに”日本ではもう二度と映画は撮らない”と言わせたほど、撮影環境は最悪だったらしい。そう考えると彼はよく完成させたなと。彼の監督としての手腕の素晴らしさの理解がより深まった。
追記だが、本作の撮影監督には、後の”スピード”や”トゥームレイダー”のヤン・デ・ボンが、音楽は”パイレーツ”で有名なハンス・ジマーがそれぞれ担当していて、夢のようなキャスト陣だなっていう感想。ヤン・デ・ボンの撮るアクションは没入感が半端なくて好きなんですよね。
色々書いたが、ハリウッドが日本で撮影し、日本人を用いて、日本が舞台の作品を作るという実験的な姿勢や、映画としての完成度の高さ(特に日本のシーンなんかが)などから、日本の洋画ファンには是非とも見て欲しい1作であることは間違いない。
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