フレンチ・コネクション

ALLTIME BEST

劇場公開日:1972年2月26日

解説・あらすじ

 ニューヨーク、麻薬密売ルートを探るポパイことドイルと相棒のラソー両刑事は、マルセイユからやってきたシャルニエの尾行を開始。強引な捜査を行なうドイルは逆に命を狙われることになり……。ニューヨーク市警の刑事ふたりが繰り広げる決死の捜査を描いたサスペンス・アクション。高架線下のカーチェイスは映画史に残る名場面となった。

1971年製作/104分/G/アメリカ
原題または英題:The French Connection
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1972年2月26日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジーン・ハックマン
最優秀監督賞 ウィリアム・フリードキン

ノミネート

最優秀脚本賞 アーネスト・タイディマン
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映画レビュー

3.5 尾行シーンの多彩な表現が印象的。

2024年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

4.5 【92.2】フレンチ・コネクション 映画レビュー

2025年11月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ウィリアム・フリードキン監督による『フレンチ・コネクション』は、1970年代アメリカン・ニューシネマのリアリズムと、古典的なフィルム・ノワールの緊迫感を融合させた、犯罪映画の金字塔である。特にその作品完成度は、単なるサスペンスの枠を超え、映画史における一つの事件として評価されるべきである。
本作の最大の功績は、ドキュメンタリーを思わせる徹底した現実描写にある。ニューヨーク市警の麻薬捜査官ジミー・“ポパイ”・ドイルの不潔で粗野で、どこか病的な正義感は、それまでのハリウッド作品におけるヒーロー像を完全に破壊し、観客を陰鬱な都市の深淵へと引きずり込んだ。脚本は実話を基にしつつも、結末を曖昧にすることで、現実の捜査の徒労感と、絶対的な悪が根絶されない世界の苦い真実を提示している。
美術、衣装、そしてカメラワークに至るまで、全てがザラザラとした、手触りのあるリアリズムを追求しており、観客は傍観者ではなく、捜査の一部にいるかのような錯覚を覚える。この没入感は、当時の主流であったスタジオ・システム的な作り込みとは対極にあるアプローチであり、後続の多くのポリス・アクション映画に決定的な影響を与えた。緊迫感、スピード感、そして道徳的な曖昧さが高次元で調和しており、その挑戦的かつ完成度の高いスタイルは、アカデミー賞作品賞の受賞という結果が示す通り、時代を超えた普遍的な力を有している。映画が娯楽であると同時に、社会の鏡であり得ることを証明した、稀有な傑作である。
監督・演出・編集
ウィリアム・フリードキン監督の演出は、荒々しく、衝動的で、しかし計算し尽くされている。ドキュメンタリー的な撮影手法、特に手持ちカメラの多用と、意図的に焦点の甘いショットを織り交ぜることで、ニューヨークの街の喧騒と、捜査の混迷を視覚的に表現した。
特筆すべきは、カーチェイスシーンの演出と編集である。法定速度を遥かに超えたスピードで、高架鉄道の下を突っ走る車の視点は、観客に窒息しそうなほどの臨場感を与える。編集は、ジェラルド・B・グリーンバーグが担当し、このチェイスを含む全てのシーンで異常なほどのテンポの速さを維持しており、一瞬たりとも観客に思考の余地を与えない。この速いカットの連続が、ポパイの苛立ちと執着をそのまま映像のパルスとして伝えている。フリードキンの、リアリズムへの偏執的なまでのこだわりが、この作品の心臓部を形作っている。
キャスティング・役者の演技
本作のキャスティングは、役者の個性がキャラクターの本質と完璧にシンクロした、奇跡的な調和を見せている。
• ジーン・ハックマン (Gene Hackman) as ジミー・"ポパイ"・ドイル (Detective Jimmy "Popeye" Doyle)
• ハックマンが演じたポパイ・ドイルは、非定型的な主役の極みである。彼は人種差別的で、執念深く、アルコールに依存し、常に苛立っている。しかし、その欠点だらけの人間性が、麻薬捜査という泥臭い現実を生きる刑事としての説得力に繋がっている。ハックマンは、このキャラクターの内面にある絶え間ない緊張感と、獲物への動物的な執着を、一挙手一投足、目つき、そして猫背気味の姿勢に至るまで、徹底したリアリズムをもって体現した。特に、不法な手段も厭わない捜査への病的なまでの没入は、当時のアカデミー賞主演男優賞に値する、まさに魂を削るような名演であった。
• フェルナンド・レイ (Fernando Rey) as アラン・シャルニエ (Alain Charnier)
• レイが演じたフランス人麻薬組織のボス、シャルニエは、「ポパイ」の完璧な対照軸として機能している。ポパイが汚い日常を象徴するなら、シャルニエは洗練された優雅さの裏に潜む、冷酷で知的な悪を体現する。レイは、その物静かで威厳のある佇まいと、時折見せる計算された微笑みによって、セリフ以上に底知れない悪意を表現した。当初、監督が意図した俳優とは異なったが、結果としてこのエレガントな冷徹さが、物語の対決構造に哲学的な深みを与えている。
• ロイ・シャイダー (Roy Scheider) as バディ・"クラウド"・ルッソ (Detective Buddy "Cloudy" Russo)
• ポパイの相棒であるバディを演じたシャイダーは、ポパイの暴走を抑制する良心としての役割を見事に果たしている。彼は、ポパイの荒々しい衝動に対して、静かなプロフェッショナリズムと常識的な判断で応じる。シャイダーの演技は、主演のハックマンの激しいエネルギーを際立たせるための安定剤として機能しつつも、単なる引き立て役に終わらず、自身の焦燥と疲弊を滲ませることで、ニューヨーク市警の日常的なストレスを観客に伝えている。この絶妙なバランス感覚が、助演男優賞ノミネートに繋がった。
• トニー・ロ・ビアンコ (Tony Lo Bianco) as サルヴァトーレ・"サル"・ボカ (Salvatore "Sal" Boca)
• ロ・ビアンコが演じたサルは、組織と現地を繋ぐ中継点としての役割を持つ。彼は大物にはなれない小物の焦燥と、一攫千金への夢との間で揺れ動く生々しい俗物性を表現した。彼の演技は、ニューヨークの裏社会に生きる人々のリアリティを補強し、物語の土台をより堅固なものにしている。
脚本・ストーリー
アーネスト・タイディマンによる脚本は、ロビン・ムーアのノンフィクションをベースにしながら、物語の構造を研ぎ澄ませた。ストーリーは、フランスからニューヨークへの大規模なヘロイン密輸ルート(フレンチ・コネクション)を追う二人の刑事の執拗な捜査過程に焦点を絞っている。
物語の推進力は、事件そのものの謎解きよりも、ポパイの異常なまでの執念にあり、観客はポパイの視点を通して、非効率で、地道で、そして危険に満ちた捜査の現実を体験する。最終的な結末は、ハリウッド的な**「悪の完全な敗北」を許容せず、シャルニエを取り逃がすという、極めて異例で苦いものとなっている。このアンチ・クライマックスとも言える終わり方が、本作の道徳的な重みと現実への忠実さ**を決定づけている。単なる娯楽作に留まらない、現代社会の病巣を描き出した秀逸な脚本である。
映像・美術衣装
本作の映像は、意図的に美しさを排除した、ドキュメンタリータッチの硬質なリアリズムで統一されている。カメラは、荒涼とした冬のニューヨークの街並み、汚れた地下鉄、そして薄暗い酒場などを無愛想に捉える。
美術と衣装は、きわめて写実的であり、ポパイの着る古びたトレンチコートや、舞台となるアパートや倉庫の荒廃した質感は、作品全体の陰鬱なトーンを決定づけている。対照的に、シャルニエの一味は仕立ての良いスーツに身を包み、この階級と立場の視覚的な対比が、物語の緊張感を一層高めている。映像全体が、1970年代初頭のニューヨークという都市の疲弊と混沌を、色彩と質感を通じて表現した、強烈なドキュメントとなっている。
音楽
本作の音楽は、既存のハリウッド映画の慣習を打ち破るものであり、音楽がほとんど使用されていないことが最大の特徴である。
ドンの作曲によるスコアは、ミニマルであり、環境音や自然なノイズこそが、この映画の真のサウンドトラックとして機能している。音楽は、特定のシーン(特に追跡劇)での緊張感を強調する目的に限って控えめに用いられ、それ以外の場面では、ニューヨークの雑踏、車のエンジン音、そして人々の会話が、観客を都市の現実に引き止めている。主題歌などは存在せず、この抑制された音響設計が、フリードキン監督の目指したリアリズムの追求に完璧に貢献している。
受賞・ノミネートの事実
『フレンチ・コネクション』は、その革新性と完成度の高さにより、第44回アカデミー賞において主要部門を席巻した。
• 作品賞
• 監督賞(ウィリアム・フリードキン)
• 主演男優賞(ジーン・ハックマン)
• 脚色賞(アーネスト・タイディマン)
• 編集賞(ジェラルド・B・グリーンバーグ)
の主要5部門を受賞した。さらに、助演男優賞(ロイ・シャイダー)、撮影賞、音響賞にもノミネートされており、1971年を象徴する、最も重要なアメリカ映画としての地位を不動のものとした。この受賞結果は、当時のハリウッドが、伝統的なスタジオ作品から、パーソナルで、暗く、社会的な視点を持つニューシネマへと評価の軸を移行させていたことを明確に示している。

8. 監督(最終乗数) (ウィリアム・フリードキン)
• 調整値: \bm{0.715}
• 総合スコア: \bm{129 \times 0.715 = 92.235}
作品[The French Connection]
主演
評価対象: ジーン・ハックマン
適用評価点: \bm{S10}
助演
評価対象: フェルナンド・レイ、ロイ・シャイダー、トニー・ロ・ビアンコ
適用評価点: \bm{S10}
脚本・ストーリー
評価対象: アーネスト・タイディマン
適用評価点: \bm{A9}
撮影・映像
評価対象: オーウェン・ロイズマン
適用評価点: \bm{A9}
美術・衣装
評価対象: ベン・カザール、ジーン・キャラハンなど
適用評価点: \bm{A9}
音楽
評価対象: ドン・エリス
適用評価点: \bm{B8}
編集(減点)
評価対象: ジェラルド・B・グリーンバーグ
適用評価点: \bm{-0}
監督(最終評価)
評価対象: ウィリアム・フリードキン
総合スコア:[ \bm{92.235} ]

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honey

4.0 憧れたな~

2025年10月2日
PCから投稿

デカくて、強くて、ハチャメチャで。こんな破天荒なキャラ、今のご時世では全く受け入れられないでしょうけどね。「俺たちに明日はない」や「スケアクロウ」の役柄も最高です。まさに唯一無二の俳優、Gハックマンは私にとって永遠のヒーローです。

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おまつ

3.0 今ではダメ🙅な映像も…

2025年8月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

ドキドキ

白人警官が正義感丸出しで麻薬取引を押さえる話
内容は面白いが…
今ではちょっと…

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ろくさん

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