ニュー・シネマ・パラダイス 3時間完全オリジナル版のレビュー・感想・評価
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より濃密に…深みを増した愛と郷愁
Blu-ray(デジタル・レストア・バージョン)で鑑賞(字幕)。
大好きな本作の完全オリジナル版を今回初めて鑑賞した。追加シーンによってドラマが深まっていて、トトの青年期のエレナとの恋模様は切なさの極みだし、トトとエレナの時を超えた再会に胸が締めつけられ、全体的な感動が弥増した。
物語にそっと寄り添うエンニオ・モリコーネの劇伴は、やはり心にじわりじわりと沁みて来る。ラストシーンは必ず号泣してしまうのだが、アルフレードとトトの約束が最良の形で果たされる最高のクライマックスに、今回も滂沱の涙が流れた。
いやはや全く、映画って素晴らしい。
~2024年の映画の日に観て~
2時間版を観てから観ましょう
映画と音楽の最も幸福な名作のひとつ
人生をじっくり味わいたいならこっち。
編集って映画を変えるのね。
しっとりとした情感を楽しみたいなら3時間完全オリジナル版がお勧め。
映画好きとして、サイレントから最近までの映画を愛でたいなら、
アルフレードとトトの関係を堪能したいのなら、受賞もして人気の高い2時間強の劇場公開版がお勧めです。
3時間完全オリジナル版は、一つ一つのカットが、一つ一つのエピソードが丁寧に紡いでいかれます。
人々の日常生活の記録としても興味深い。
幼いトトの、若いトトの、大成したトトの表情の豊かさ。
見応えあります。
そして、人生の成功・幸せって何なのか、考えさせられます。
好きで好きでたまらない夢中になれるものを見つけたトト。それだけで至福。
ブルーカラー階級としてだけれども誇りをもって働いていた仕事さえ徴兵で奪われたトトと、ホワイトカラー階級に属するエレナ。まだ結婚には親の意向が反映されていた時代。やるせない青春。
それで、都会に出て、本当に好きなものに対して頑張って大成功しました。めでたし、めでたし、ではない物語。
アルフレードの言葉。
母の言葉。
都会での華やかな成功。贅沢な暮らし。皆からの尊敬。
故郷に錦を飾り、ここでも尊敬を込めた温かい目で迎えられはしたものの、幻を見るような。
ぽっかりと空いた心を埋める夢と現実。
そして、有名なラスト…。
一つ一つのエピソードがフーガのように絡み合い、人生を考えさせてくれます。
あの時こうしたら、こうなっていれば…。まるで兵士の物語。
と、じっくり、シチューでも煮詰めるような展開。
へたすると焦がしそうだけれども、コクは増し…。
でも、映画としては、2時間強の劇場公開版にあった勢いがそがれてしまって…。
ラストの意味づけも変わってくる気がする。
3時間完全オリジナル版も見事な映画ですが、
映画の楽しさ、何度も観返したい度となると2時間強劇場版に軍配が上がる。
本当は☆5つでもいいのですが、劇場版の方が上なので、☆4つです。
(劇場公開版のレビューと合わせて、読んでいただけると嬉しいです)
新しくできた扇町キネマで 泣くことは泣いたが大味なイタリア映画 青...
音楽で引き立つ作品の良さ
映画館で上映される機会かあったのではじめて鑑賞。3時間の作品は家で観るのも準備がいるので、特別な機会でないとなかなか観ようとならない。
映画、映画館を中心として幼少期から青年期へと詳細に描かれている。それぞれがピュアでまっすぐなストーリーで引き込まれる。長いのは否めないが、それを昇華させるようにラストシーンで非常にもりあがり、涙が溢れてくる。
映画らしく、メッセージや言葉だけでなく映像と音楽で感動を伝えてくるのもとても心地よい。
最後、トトと同じ体勢で泣きながら映像を観ていて、鏡のようで微笑ましかった。
音楽にフィーチャーされる上映会であり、モリコーネの有名な音楽が、映像と並んで印象的でもあり、映画館で観る素晴らしさを改めて感じた。
2023年劇場鑑賞54本目
言葉が見つからない
この映画を初めて観たのは、実家を離れ兄と2人で8畳くらいの一間でアパートで暮らしていた時でした。
自分が寝ている時に、兄がレンタルで借りてきて
「夜中に電気も点けないで、寝てるのに映画観ないで欲しい!」
と少し怒り気味に、うつらうつらしながら何気に見始めました。
見進めていくうちに、知らず知らずのうちに布団から起き上がり、夢中になっている自分が居て、後ろに居る兄も固唾を飲んで観ている様子が伝わってきました。
ラストシーンの時は2人とも号泣。
こんな素晴らしい映画があったのかと本当に本当に思いました。
あのラストシーンは反則級です。
ラストシーン前までも、既にとびっきりの映画なのに、ラストシーンで「感情のスイッチ」がおかしくなったのかと思うくらい涙が止まりませんでした。
この映画の良さを言葉に出来ない自分を恥じています
母の言葉
そう、あの言葉です
「あなたを心から愛する声を聞いた事がない」
この言葉は心に刺さりました
母親の何も疑わずに息子を信じ見返りも何も望まない無限の無性の愛の強さに涙が流れました
町の人々からトトがどれだけ愛されていたかは微笑ましいエピソードの数々でわかりますね
なんといっても通常版との大きな違いはエレナの存在です
トトが本気で愛し愛された本物との再会が映し出されるだけでこの作品の様子がガラリと変わっていくのが素晴らしく面白い
ノスタルジックな懐かしさのある作品からガラリと愛が溢れる切なくて苦しい作品になるのですから
幾つになっても何年おきかに見てもとても楽しい映画ではないでしょうか
名作と言われる作品には当然ですがそれだけの素晴らしさがあるものです、素直にこれからも「名作」を丁寧に見ていきたい
名作は劇場公開版
劇場公開版で公開されなかったシーンを、このディレクターズカット版では見ることができ、なるほど、劇場公開版でしっくりこなかったあらるゆ場面が繋がってゆき、全てが紐解かれてゆく。
劇場公開版は映画そのもの、古い映画館、アルフレード、生い立ち、故郷、懐かしさ、これらを感じ涙した。
ディレクターズカット版はエレナとの恋、すれ違い、葛藤を感じ、アルフレードから贈られたフィルムを見るラストシーンの受け取り方もまた違ってくる。ただ、恋の話は私にとっては涙するほどのものではなく、なるほどね、と理解するものだった。
名作と言われているようだが、そうだとすると劇場公開版の方が相応しいように思う。
ノスタルジーは毒か?
何回見ても泣けるノスタルジックムービーで、完全版は蛇足付きだ。
子供の頃にあった映画館が思い起こされて、懐かしいこと半端なく、最後に壊されるところまで同じだ。
二館で同じ映画をやる下りは、同じ経験をしていて、途中で待っていたものだ。
フィルムが燃えるシーンも経験があり、とても怖かった。
モリコーネの音楽も飽きることはない。
いま目の前にある幸せを大切できるか「足るを知る」
モノやサービス、情報に溢れる現代、見直されているミニマルで丁寧な暮らし。この時代にもそれを訴える映画があったんだよね。それは人間にとって普遍的なテーマだから。
ちょうどテレビが誕生する時代。それまでは貧しさや戦争下の厳しい情勢であろうと、人々は娯楽を求め生活の中心に映画館があった。今のようにシステム化されたものではなく街のコミュニティとして機能していて、そこでは笑ったり泣いたり怒ったり恋をしたりマスをかいたり…人間らしさが渦巻いていた。
そして人々に夢や生きる希望を与え、誰かの人生を変えるものであった。それこそがエンターテインメントの本質だし、人々の想いをつなぎ合わせ幸せを膨らまし拡げられる存在だったはずだ。
どこか忘れられてきたエンタメの力やコミュニティの大切さを痛感させられる、いつの時代に観ても心を動かされる不朽の名作。
今回ひさしぶりに機会があって完全オリジナル版で観たが、3時間は正直長すぎたかな…(苦笑)やはり凝縮した通常盤を観ることをオススメする。
I love cinema!
I love cinema!
We should watch this movie in this time and age
we have state of art theaters in everywhere. You will see a heart warming movie through cinema and feel real movie comes from humans hearts, not digital sound and decent pictures that you can realize it is the only part of Cinema. Unfortunately it is not perfect version released in Japan as the priest did in the movie.
Perfect international one so called original version should be much better.
映画通は絶対に泣けるはずの映画
物語の舞台となった時代や場所を経験していなくても懐かしさを感じさせる極上のノスタルジア…
美しいシチリア島の景色、イノセントな登場人物たち、私は何度も何度も寝落ちし、メニュー画面で流れるエンニオ・モリコーネのメインテーマに揺り起こされるのだった…
友人にレビューを書いて欲しいと頼まれたので、いい機会だと思って鑑賞しましたが、泣ける映画の代名詞のような本作から溢れ出る笑いも涙も感動も心が汚れちまった私には全てが嘘臭く作り物に感じられ、ナチュラルにぶち込まれる泣けるシーンでは、私の天邪鬼な心が私の涙腺に蓋をしてしまうのでした…
とりあえず、【グレートハンティング 地上最後の残酷】【グレートハンティング2】【グレートハンティング84】【残酷を超えた驚愕ドキュメント・カランバ】のマリオ・モッラが編集した銀幕のスターたちのキスシーンを繋いだアルフレードの形見のフィルムをアルフレードのズリネタと称し、感動のラストシーンを失明した腹いせ(もしくはテストの回答を出し渋った腹いせ)に恋愛の邪魔をし、形見にズリネタを残してトドメを刺したアルフレードの復讐劇と語った私は友人にサイコパス扱いされてしまいました!
だって、トトを映画監督にしたいのはアルフレードの独りよがりだったし、エレナと結ばれなかったトトは心に穴が空きっぱなしだし、アルフレードの形見のフィルムを見つめるトトの表情は「アルフレードにハメられた…」という諦め笑いに見えなくもなくないでしょうか…
アルフレードの葬式でアルフレードの愛人になっていたエレナがトトが再会するシーンなんて妄想するとドキドキが止まりません!
トトとエレーナの恋愛に焦点を当てた【完全オリジナル版】が全部悪いんだ…【劇場公開版】だったら絶対泣けるはずなんだ…
突き放す愛
苦しい別離だけど、
アルフレートも母親も
トトに捨てられること、置いていかれること、30年も音信不通であること―を至上の喜びとして喜んでいる。
こちらの思いではなく、ただひたすらにトトの成長と彼の自由、そしてその将来の可能性が花開くことだけを大人たちは願っている。
一体なんという愛なのだ。
「もうお前とは話さない」
「お前のうわさを聞きたい」
と海辺で。
「帰ってくるな、私たちを忘れろ」
「手紙も書くな、郷愁に惑わされるな」
と駅でのアルフレートの別れの言葉。
「息子みたいに そばにいろ」と視力を失ったアルフレートは一旦はトトを引き留めたい胸の内を洩らしてしまってはいる。
でも最後にはアルフレートはトトを突き放す道を選んだのだった。
僕らにとって、僕らの“トト”は誰だろう。
いま目の前にいる“トト”を手元に置いていつくしむ事も、それは決して否定されるものではないだろうけれど、別離れて個々に生きる、連絡を断って遠くから見守る。信じる。
このような大人の愛もあるのだと感動で胸が震える。
巨大な愛だ。
私事だが、行方不明で音信不通の肉親が身内にいて···「何とかせねば」と何年も右往左往してきた私。
でもアルフレートやマンマのように祈りつつも“トト”を見送って、こちらはこちらの生活を生きる、そんな方法もあるのだよと教えてもらった気がする。
人生を導いてくれる先生に出逢った気がする。
,
デカフレード
観るなら「通常版」→「完全版」がいいです。
いきなり「完全版」はダラけてしまうので・・・
映写技師さんと映画好き少年の絆のお話。
この映画をきっかけに映画館スタッフや映写スタッフを志した人は数知れずなのだそうです。
映写技師役のフィリップ・ノワレさんは何と身長185㎝。
でも小学校卒業試験で「答え教えてくれ」と小声で、主人公(12歳)に言ってるギャップが面白い。
ある意見で、
✎︎______________
『アルフレードはあの歳(あの歳)でも小学校を出ていない学のない人間、
映画技師だって「仕方なく」やっている。
自分の仕事に誇りを持っていない。
「ぼくは映写技師になりたい」というトトに向かって、
アルフレードは「やめたほうがいい。こんな孤独な仕事はない。
たった一人ぼっちで一日を過ごす。
同じ映画を100回も観る。
仕方ないから、ついついグレタ・ガルボやタイロン・パワーに話しかけてしまう。
夏は焼けるように暑いし、冬は凍えるほど寒い。
こんな仕事に就くものじゃない」
と言う。
彼は本当は素敵な仕事をしていたのに、
自分でその価値や意味に気づいていなかった。
自分も映画産業を支えている1人なのだ」という自覚と誇りがあれば
アルフレードの人生はもっと豊かなものとなっただろう。
彼はプロフェッショナルとしては失格だった。
火事に遭ったのは彼自身の不注意。
その根底は・・・自分の職業に対するプライドの欠如があったからというものもあったからなのでは』
✎︎______________
おおお??
なかなか素敵というかあらたな視点だなぁ、と参考になりました。
安く「素敵な映画だー」なんて思っていた自分が恥ずかしい。
で、以下が私の考えです。
仕方なく、孤独に映写技師をやっていたアルフレードは、
「本当に映画が好き」で自分とは違うトトを見て
「この子みたいに映画が好きだったら、本当に映写技師になりたいと思ってたら・・・」
と羨ましくなったのではないでしょうか。
もし本当に映画が大好きなら、映写技師なんてやらずにもっと・・・
アルフレードは大きな夢を描いた瞬間があったのかもしれない。(ないかもしれない汗)
キスシーンを繋ぎ合わせたのも、手が勝手に動いたからでしょう。
無駄な、破棄するはずのフィルムを、彼(トト)は愛するだろう。
そう思って・・・
私のように無駄に小学校も出ずに人生を捨てずに、
映画が好きなら・・・
私と同じになるな
「自分の、することを(映画に関わることを)愛せ」
「(私と同じになるな)」
映写室で映画を愛したように、ずっと映画を愛してくれ。
そのためには学問も必要だったのでしょう。
「学校に行かずに映写技師になる」
というトトに「学校には行ったほうがいい」と忠告するのはそのためだったのでしょう。
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「二度と帰ってくるな。俺はおまえの噂を聞きたい」
人から人へと伝わるような、自然と普通に耳に入ってくるような
そんな大物になって帰って来い。
いや、帰っちゃだめ。
こんな気持ちが詰まっている?台詞。
「自分のすることを愛せ」
「子供の時、映写室を愛したように」
そして突き放す。(見送りで)
アルフレードの奥さんは後に
『あなた(トト)の記事が出るたびに2、3度読まされたのよ』
(アルフレードはこの頃盲目だった)
と言っている。
「俺はおまえの噂を聞きたい」
『自分のすることを愛せ』
『子供の時、映写室を愛したように』
夢を叶えるために恋人までも奪ったアルフレード。
映画が好きなら、一時の恋ではなくて・・・
一時の恋ではなくて。
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映画館が火事に包まれていた時、
炎の中にいたマリア像が何故かずっと忘れられません・・・
映画愛と郷愁に満ちた名作
観るなら3時間完全オリジナル版!と聞いて鑑賞。 少年時代のトトと、...
ちょっと長かったかな。。。
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