ニュー・シネマ・パラダイス 3時間完全オリジナル版

解説

シチリアの田舎町にある、庶民にとって唯一の娯楽場「パラダイス座」を舞台に、父親がいないトトと映写技師アルフレードの長年の友情を綴った名作。初公開版より約50分長くなり、トトの青春時代の恋愛エピソードや、シチリアへ戻った中年時代のその後が詳細に描かれている。パラダイス座では、「どん底」「駅馬車」など1930~50年代の名作が数々上映され、ノスタルジックな雰囲気やラストシーンは、映画好きにはたまらない。

1989年製作/175分/イタリア・フランス合作
原題:Nuovo cinema paradiso

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0人生をじっくり味わいたいならこっち。

2024年2月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

寝られる

編集って映画を変えるのね。
 しっとりとした情感を楽しみたいなら3時間完全オリジナル版がお勧め。
 映画好きとして、サイレントから最近までの映画を愛でたいなら、
 アルフレードとトトの関係を堪能したいのなら、受賞もして人気の高い2時間強の劇場公開版がお勧めです。

3時間完全オリジナル版は、一つ一つのカットが、一つ一つのエピソードが丁寧に紡いでいかれます。

人々の日常生活の記録としても興味深い。
幼いトトの、若いトトの、大成したトトの表情の豊かさ。

見応えあります。

そして、人生の成功・幸せって何なのか、考えさせられます。
 好きで好きでたまらない夢中になれるものを見つけたトト。それだけで至福。
 ブルーカラー階級としてだけれども誇りをもって働いていた仕事さえ徴兵で奪われたトトと、ホワイトカラー階級に属するエレナ。まだ結婚には親の意向が反映されていた時代。やるせない青春。
 それで、都会に出て、本当に好きなものに対して頑張って大成功しました。めでたし、めでたし、ではない物語。

 アルフレードの言葉。
 母の言葉。
 都会での華やかな成功。贅沢な暮らし。皆からの尊敬。
 故郷に錦を飾り、ここでも尊敬を込めた温かい目で迎えられはしたものの、幻を見るような。
 ぽっかりと空いた心を埋める夢と現実。
 そして、有名なラスト…。
一つ一つのエピソードがフーガのように絡み合い、人生を考えさせてくれます。
 あの時こうしたら、こうなっていれば…。まるで兵士の物語。

と、じっくり、シチューでも煮詰めるような展開。
 へたすると焦がしそうだけれども、コクは増し…。

でも、映画としては、2時間強の劇場公開版にあった勢いがそがれてしまって…。
ラストの意味づけも変わってくる気がする。

3時間完全オリジナル版も見事な映画ですが、
映画の楽しさ、何度も観返したい度となると2時間強劇場版に軍配が上がる。
本当は☆5つでもいいのですが、劇場版の方が上なので、今回☆4つです。

(劇場公開版のレビューと合わせて、読んでいただけると嬉しいです)

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とみいじょん

2.0新しくできた扇町キネマで 泣くことは泣いたが大味なイタリア映画 青...

2023年12月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

新しくできた扇町キネマで
泣くことは泣いたが大味なイタリア映画 青春時代の主人公がやたら男前なのは笑った 客寄せのためか?
後はドン引き昔の映画館ではセックスやオナニーや色々
ミツバチのささやきのような村シチリア島
文盲カトリック ローマ人とドイツ人
初恋の彼女はいったいどうなったのか? イタリア版無法松の一生

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チャン・パー

4.5音楽で引き立つ作品の良さ

2023年4月1日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

映画館で上映される機会かあったのではじめて鑑賞。3時間の作品は家で観るのも準備がいるので、特別な機会でないとなかなか観ようとならない。

映画、映画館を中心として幼少期から青年期へと詳細に描かれている。それぞれがピュアでまっすぐなストーリーで引き込まれる。長いのは否めないが、それを昇華させるようにラストシーンで非常にもりあがり、涙が溢れてくる。

映画らしく、メッセージや言葉だけでなく映像と音楽で感動を伝えてくるのもとても心地よい。

最後、トトと同じ体勢で泣きながら映像を観ていて、鏡のようで微笑ましかった。

音楽にフィーチャーされる上映会であり、モリコーネの有名な音楽が、映像と並んで印象的でもあり、映画館で観る素晴らしさを改めて感じた。

2023年劇場鑑賞54本目

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ひでぼー

5.0言葉が見つからない

2022年7月22日
iPhoneアプリから投稿

この映画を初めて観たのは、実家を離れ兄と2人で8畳くらいの一間でアパートで暮らしていた時でした。

自分が寝ている時に、兄がレンタルで借りてきて

「夜中に電気も点けないで、寝てるのに映画観ないで欲しい!」

と少し怒り気味に、うつらうつらしながら何気に見始めました。

見進めていくうちに、知らず知らずのうちに布団から起き上がり、夢中になっている自分が居て、後ろに居る兄も固唾を飲んで観ている様子が伝わってきました。

ラストシーンの時は2人とも号泣。

こんな素晴らしい映画があったのかと本当に本当に思いました。

あのラストシーンは反則級です。

ラストシーン前までも、既にとびっきりの映画なのに、ラストシーンで「感情のスイッチ」がおかしくなったのかと思うくらい涙が止まりませんでした。

この映画の良さを言葉に出来ない自分を恥じています

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TenTenTen
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