2001年宇宙の旅のレビュー・感想・評価
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これに勝るSF映画はないと思う
解説無用
キューブリック監督は、決して難解な作品を作ろうとしていたわけではないと思います。素直に製作した結果が、"これ"になったのでは?
まだ人類が月に到達する前に公開された本作をリアルタイムで観た人々は、「あれこそが宇宙なんだ!」と思ったに違いありません。まだ地球の本当の姿すら不明の状態で、イマジネーションをフル活用して挑んだキューブリック監督には、本当に脱帽です。そしてその映像は、今の下手なSF映画よりも格段にリアルに描かれています。金字塔と呼ばれるわけです。
その1カットの長さこそが最適なのだと思わせてしまう計算された完璧な宇宙映像、謎の物体"モノリス"の何とも言えない存在感と恐怖、"スター・チャイルド"…未知との遭遇をしているのは、主人公だけはないのです。
「理解できない」「難しすぎる」というのは、ある意味で正解かもしれません。キューブリック監督自身にも難解な箇所があるくらいなのですから。この作品は、様々な角度で解釈することができる多面性をもっています。
音と映像の前衛芸術的作品
総合80点 ( ストーリー:60点|キャスト:60点|演出:85点|ビジュアル:85点|音楽:80点 )
名作だと言われて興味が出て以来何度か観ているが、それでも理解したとは言い難い作品。
映画というものは物語の起承転結や展開を理解して楽しむものだと思っていた。しかしそういうことばかりが映画ではないのだということを、この作品を通して理解したようにも思う。こんな作品は抽象的すぎてどうにでも解釈できるから理解が出来るものでもないし、製作者側にも視聴者の完全な理解などおそらく最初から期待してもいないだろう。
未来的で無機質で時に神々しい映像は、美術の意匠と固定カメラを使った撮影方法によって生み出される。時々流れるクラシック音楽とクラシック風な現代の声楽がある一方、人の息遣いや機械の作動音だけで宇宙飛行士の作業を静寂に撮影していく。宇宙の神秘も感じて何か現代美術館の中にでもいったかのような錯覚も覚える。特に「ツァラトゥストラはかく語りき」の、静寂な暗闇から未来の光が差し込んでくるような音作りは絶妙にこの作品に合致している。
これは哲学的で抽象的な前衛芸術作品なのだ。映像と音の組み合わせで何かを抽象的に表しそのような雰囲気を作り出すし、視聴者はその世界を構成したものを考えるのではなく感じ取る。物語はその世界を作り出すせいぜい道標に過ぎないのだろう。こんな映画ばかりになると困るが、本作品ではその斬新さと技術の高さにキューブリック監督の才能を感じた。
今回は字幕版を観たが、締め出した宇宙飛行士に侵入され立場が逆転した後で、HALの感情のない落ち着いた喋りでまず自己弁護をして言い訳をしてお願いをしてそれでも宇宙飛行士の行動を止めることが出来なくて、最後に「怖い(I'm afraid)」と言う感情を繰り返し表すのが、日本語よりも英語の科白を直に聞いた方が良いと思った。
冒頭では猿が道具を使い人類になり文明を築き上げた。しかしここで機械が知能のみならず意志と感情を持ち行動する姿を目のあたりにして、人類の進化の延長に人類を脅かすかもしれない新たな生命体の誕生に、静かな恐怖と緊張があった。
やっぱり、いいね!
一度目はリバイバル上映、二度目はTV放送、そして三度目はデジタル処理で...時は流れたが、色褪せていない
SFと一口に言ってもこの映画と同等レベルなのは極僅かと再認識しました。
エンドロールが終わっても暫く流れ続ける美しき蒼きドナウ...
スクリーンは、真っ黒だが頭の中にはステーションとシャトルが浮かび上がり感動が再び訪れる。
三度目の感想をちょっと書きます。
今の映画のようなテンポはない。
そこがいい!
映像をゆっくり楽しめる。
特撮についても今見ても破綻がない、
ゆっくりなのに破綻していない。
ほんの少し光学合成がズレてるが、気にならないレベル。
今までの映画に出た最も美しい宇宙船の映像の一つ。
最近話題の薄型端末(タブレット)は、、、IBM製だった。
宇宙船ステーションは、ヒルトンだった。
PANAMは、やっぱり残念!
色々あって書ききれないが、四度目も
また見たくなった。
ぜひブルーレイで
『リアリティ』 の奇跡
子供の頃から通算すると、もう何度見たか、カウントできません。
つい最近も、iTunes Store で発見してしまって、つい購入してしまった…
私の中では、この映画が最高の作品なのです。
もちろん、いま見ると突っ込みどころ満載なのですけど、1968年ですからね。アポロ11号の打ち上げの前の年ですから勘弁して下さい。
この映画を解釈したいひとにオススメするのは、アーサーCクラークの「幼年期の終わり」「都市と星」など、10億年オーダーの時間スケールで描かれた作品を読み込むことです。本の「2001年宇宙の旅」は映画のあとに作った作品なので、ちょいと説明的でクラークの絵描く宇宙像には接近しにくいです。
クラークの世界にどっぷり浸かれば、なぜこの映画が、このような重厚さで作られたか、その必然が理解できると思います。
商業的成功を度外視したこのリアリティの追求。観客に一切媚びない、説明なんてしねーよ、自分で考えろ!と言わんばかりの態度。なにもかも理不尽ですよ、それは認めます。
スターゲートからスターチャイルドまでの流れは特にそうですが、でもこの作品を1回見て、「わかんねー」って、そりゃ当たり前です。説明する気がないんですから。
この映画は存在していることが奇跡だと思うんです。
当時は作れた(でもキューブリックならば限定)。
でも、今の時代には作ることが許されない作品なのではないでしょうか。
人知を越えた後半の映像美
神からのお告げ
最初のシーンはゴリラが道具を使う事、それからその道具で狩りをして自給自足する方法、裕福になるには競争社会の中で勝たなければならない事、を順々に覚えていく。そして謎の石版。猿人から新人となった生物は、遂に宇宙を跨いで月に行くことに成功し、未踏の地の研究、そして理解に至る。そして再び謎の石版。月からの電波で木星へと新人は導かれる。その移動中の仮定で不思議な出来事が起こり、光の光線で導かれた場所、おそらくあの世だと思うがそこで再び謎の石版。これらを考えると、石版は神からのメッセージであるように思う。しかし、HALの件は3回見直してわかったのだが、そして勝手な考えであるが、HALはおそらく嘘をついていない。ボウマン船長が一気にあの世に逝き歳を取り死んだのは神の操作のように見えたからである。つまりボウマンは悪人。なぜ悪人か、HALを壊したからか。そうなるとHALは善人であることになる。つまりHALは嘘をついていない。あのパーツは壊れていた。ではボウマンはなぜ壊れていないといったのか。定義上では悪人なのだから嘘をついてもおかしくない。
ここまでわかったが、プールの死がよくわからない。
この映画を見てわかることは、いつまでも謎でありつづけられること。だから一生人の頭にこびりつき、離れない。キューブリックの罠に見事にはまってしまっている。素晴らしい映画には金や映像技術などいらない。そう読み取れるこの映画は世の監督に大きく影響したのではないだろうか。
映像は美しい!が…
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