「SF映画の金字塔の一つ」2001年宇宙の旅 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
SF映画の金字塔の一つ
以前に観たので、感想を忘れてしまった。
しかし、SF映画の金字塔の一つということは、自信を持って言える。
実際の歴史の中で、米国がソ連に負けないために、ほぼ無茶振りで、有人で月の周回軌道に送り込んだ、1968年のアポロ8号の船長の名前が、ボーマンだったんだね(フランク・ボーマン)。当時のアポロ計画からのこんな引用があったとは知らなかった。(映画公開も同じ1968年)
解説から「…ディスカバリー号は、デビッド・ボーマン船長、フランク・プールら5人のクルーを乗せて…」
2022/11/7 加筆
加筆というか、観た! 川崎チネチッタ100周年記念上映。デジタルリマスター版を音量最高のLIVEZOUNDで!!ありがとう、チネチッタ。あらためて、本作のすごさを堪能した。
まず書いておきたい。冒頭と末尾の圧倒的な存在感。冒頭は音だけの何も映らない画面(目をこらしてみると、モノリスの影が映っているようだとわかる)。およそ1分だろうが、数分にも感じる時間。今思えば、これは宇宙開闢(かいびゃく)の瞬間をイメージしているのだろうか。月・地球・太陽の直列映像、そして、自然。人類の夜明け。朝明けの荒野。荒野のサル。肉食獣におびえ、同類どおしで水飲み場を争うだけの立場だったサルが、空から降りてきたモノリスにおびえつつも触れる。そして・・・ この人類誕生のシーンはぜひ劇場で観てほしいです。
さらにエンドロールが終了した後も数分続く音楽。これもすごい。他の映画では経験したことない。ただ、この壮大な映画を観た後にはあっているようにも思った。「宇宙のはるかかなたまで経験し、時間すら超越した旅をしてきた観客のみなさんに、音楽だけの数分間を与えますので、ゆっくりと現実の世界に戻ってきてくださいね」 という監督の声が聞こえるようなエンディングだった。
本編の際立ちは、やはりすべて背景音楽だけで魅せる宇宙旅行シーン。宇宙ステーションとのドッキングシーン、グリップシューズで歩く無重力状態、8つに割れる月面基地の屋根、声紋識別、ブースでのTV電話からパッドでの通信への進化、船外活動ポッド、液体から固体に進化する宇宙食・・・。1968年に撮られた映像なのに、衣服・髪型・化粧以外には、古臭さが感じられない。(さすがに、ごく小さいとは言えビデオカメラを持って撮影いるシーンは、「スマホが登場しカメラはスマホ内に吸収されていく未来」 まではイメージできなかったのか、それとも当時ではスマホで撮影していてもなにかを撮っているようには見えないからあえてカメラにしたのか・・・)
そしてあまりにも有名なHAL9000コンピューターの暴走。
「任務に疑問はありませんが、どうしても拭いきれない、腑に落ちないことがあります」 ・・
HALに与えられた二つの矛盾した命令。
・搭乗員と協力してミッションを成し遂げろ
・モノリス探索という真の目的は搭乗員にも秘密にせよ
HALはこの状況に対し「搭乗員の生命活動を停止してミッションを実現する」という選択をする…
「ロボットは人間を傷つけたり殺してはならない」というロボット三原則(の最初)は、HALには教育されてなかったんだね。
お、すごい。インターミッション(休憩)だ。140分で休憩があるのは、嬉しい。
後半は、宇宙空間は無音に対し、宇宙船内やポッドは音があるという明確な区分けが、メリハリあって気持ちよい。。
そして最終章 「木星、そして無限の彼方に」
響き渡る音が徐々に静かになり、呼吸音が大きくなり・・・ こういう場面切り替えが上手だよね。
ラストは、飛行士、食事をする男、床に臥せる老人、ゆりかごの乳児と主観が次々入れ替わっていく映像も魅力的。
観てない方には何が何やらわからないレビューになってしまっていますが、まあ、劇場でぜひ観てみてください。
いつもコメントと共感をいただきましてありがとうございます。
2001年は自分の中ではベストオブベストのSF映画で、いつ見てもどの場面でも没入してしまいます。画面に惹きつけられてしまうのです。全てのキューブリック作品に同様な半端ない魅力があると思ってます。
コメントありがとうございます。
映像作品という枠を超え、時を越えて、映し出す現在の現実世界のテレビモニターにまで影響を与えた(ように見えた)とは、さすが金字塔、さすがキューブリックですよね。
今晩は。
私は、スタンリー・キューブリック監督作品で好きなのは、(今作は、別次元として)人間の根源的本性及び狂気を描いた「シャイニング」であり、「時計じかけのオレンジ」なんですね。あと、「フルメタル・ジャケット」かな。では。Black NOBUでした。