時計じかけのオレンジのレビュー・感想・評価
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ウルトラバイオレンスの衝撃
えっらそうにしてるけどお前ら全員カスやし!
キューブリック監督か当時の若者たちか、誰か知らないが、とにかくおこ💢な映画だった。
スノッブなインテリ層、マスコミ、老人、権力者、オサレ女子、etc。
怒れる若者達は激しい衝動や暴力に突き動かされ、ultra violenceによって制裁を下す。悪事の限りを尽くす。英国で問題作とされ、長い間上映禁止とされていたのも納得の酷さ。
世論対策か、後半、主人公は一人天誅を受けるのだが、その仕置きがまた壮絶で、満身創痍の俳優さんには同情しかなかった。そして。
やっぱお前らカスなのは変わんねえ!みたいな反骨精神に溢れたラスト。
下品ギリギリまで毒を盛った刺激の強さ。洒落乙バイオレンス映画の系譜はここから始まったのだろう。
音楽と効果音がよかった!
全体を通して音楽と効果音がよかった。特に長回しでドブに顔突っ込まれて痛ぶられているシーンが印象的で、叩かれるときの効果音がよかった、まるで自分の精神にも信号が届いてくるような気持ちだった。あと単純にあの長回しはスゲ〜!構図も素敵だったな。
それ以外のよかった点については散々他の人が書いているので省略!
70'sロンドンの雰囲気を愉しめる映画
「おしゃれな映画」で検索してヒット。
暴力的なシーンが多いけど、
70'sロンドンのモッズファッション、シャイニングにもあるようなキューブリック監督ならではのインパクトのあるカットが印象的でおしゃれな映画だった。この監督好きだわー。
暴力と風刺
高校生の悪ガキグループが暴力の限りをつくして、リーダが殺人を犯し、刑務所に入る。そこで、政府機関の更生実験を受け、社会に戻る。
そこで出会う人々は元被害者であり復讐されるが、暴力に嫌悪感を抱くようにされているので抵抗はない。その後、政治家のPRのために、利用されるが、元の悪に戻る。
結局、悪ガキは変わらないという風刺のように思える。
おしゃれエロバイオレンス
コロバ・ミルク・バーとかミルク・プラスとかネーミングが面白い。
ホラー・ショーとか独特の単語が使われてたんだけど(ナッドサット言葉?)日本語訳もいまいち分からない部分があるから、そこが理解出来るともっと楽しめそう。
暴力シーンは衝撃的だけど、ストーリーは割と普通(当時はそんな事無かったんだろうけど)でも音楽や衣装など映画に漂う格好良さは今じゃ出せない。
世界観が無理な人は多いと思うので、常識人と一緒に見るのはおすすめしません。
あと自己紹介でこの映画好きって言う人はヤバい!
社会に性格を蹂躙される非行少年
極悪非道な少年に再び犯罪させないよう精神に多大な負荷をかけて性格を矯正するが、いろんな思惑があって一筋縄ではいかないお話。
本人の意思は尊重されるべきだが、アレックスのような人は性格や思考から無理やりにでも更生させるべきなのか…
そこに他者の意向も混ざって、一人の非行少年の性格が社会によって右往左往する。
名作として名高い作品ですがあまり軽い気持ちで観ない方がいいかも。
最後震えた
有名な映画過ぎて今まで距離をとって見ていなかったのを後悔した、衣装とか世界観が美しくて引き込まれた、謎言語も最後まで意味が全くわからない物もあったがわからないのがいいとさえ思えた映画だった、最後のセリフ「完璧に治ったね」破壊力えぐ過ぎて震え止まらんかった
時計仕掛けのオレンジ
1978年の映画。近未来の若者の姿を描いたとか。
題名に惹かれて観たのですが、苦手な映画でした。
暴力とレイプを繰り返す若者の、リーダー的存在の男性を描いた作品なんだけれど。彼や周りの人間の心の中が描かれて無い様に思えて仕方がない。
確かに人を描いているのだけれど、事柄の羅列ばかりで
そう、、、絵画を見せられている様な感じがした。
私にとっての救いは、モダンな空間と明るいシンプルな色使いのオシャレ感があった事だろうか、、、
あと、若者のセリフが独特の造語の様で、字幕を読むたびに分かりにくくて、それ必要??と思ってしまったのは私だけだろうか。
悪の雰囲気を楽しむ映画かなあ。
嫌だ、嫌だと思いながら観たからか、なんか心に引っかかってしまう映画でした。
自由と法
結構アレックスに感情移入してる人も多いようだけど個人的には外道すぎて罰として妥当であるようにしか思えなかった。ただアレックスに共感出来なくてもこの映画が傑作なのは間違いない。どんな感想にせよ誰が観てもすごいと思える作品だと思う。
個人的には個々の自由と社会秩序を両立させることの難しさを強く感じる作品だった。この映画でフレデリック大臣派を責めるのは簡単だが、君の家にアレックスが来てレイプ、恐喝、強盗の類をされても個人の自由を尊重すると言えるだろうか。もちろん映画の治療法は非人道的だけど政府が犯罪者更生に過激になってしまうこと自体を弾糾できない。神父の言う通り個人が選択能力によって善を選ばせないと意味が無いと言うのはもっともだが、快楽で犯罪を繰り返す人間がその能力を取り戻すのは明らかに至難の技だ。自由は尊ばれないといけないとは思うが相手に自分を傷つける自由を与えられるほど寛大な人間もそうそういない。だから法がある。どんなときも反権力だ、俺はアナーキストだなどと言ってる場合じゃない。
…そう思っちゃった人間なので、アレックスに共感ではなくずっと俯瞰的に鑑賞していました。
個人的にダークヒーローだなぁと思ったのは奥さんを凌辱された作家のお爺さん。
我が国の自由のためにアレックスの悪行も自由として許した…と見せ掛けて嬉々としてアレックスを自殺に追い込む。あのお爺さんの憤りとも恍惚とも言えない表情が素晴らしかった。
お爺さんの睨みをきかせた目とワインに毒でも入ってるんじゃないかと震えるアレックスのカットも大好き。並ぶとアレックスの小物感も際立つし。
一種の政治犯としても血に飢える老人としてもわたしは作家の方がクールだなぁと思いました。
あと書いていて自分の本文に使用できない文字が含まれていたらしい。…この作品のあらすじだから仕方ないのに…
私の言葉で誰かが憤慨しても責任は取れないので控えろと言う訳か。
でもこうしないと荒らしとか排除出来ないので一概に自由の阻害とも言えない。
社会の中の自由って難しいよね?
いつか、もう一度観てちゃんと書く、気になり続けている映画
30年以上前に観た時、バイオレンスが比較的苦手な俺は、正直、好きな映画とは思わなかった。当時、「2001年」でキューブリック監督を知り、本作と「博士の異常な愛情」を名画座で観ることができた。「2001年…」と「博士の…」はジャストミートで満喫できたが、本作はどちらかと言えば、嫌いな映画。しかし、評価は非常に高いので、今でも気になっている映画。
たしかに、体制と自由、管理と反逆といった主題で、もう一度ちゃんと観たい映画かな。
2024/5/16追記
俺は、「個人の自由」と「社会の安定」のバランスを取るのが「政治」と理解している。
主人公は前者を極限まで拡張した存在(好き勝手にやり放題)、主人公に施されたロボトミー手術は後者を極限まで拡張した施策(多数の安心のためには少数の人権を侵害してもかまわない)。
「さあ、あなたはこの両者の間のどの辺りだと心地よく過ごせると感じますか?よく考えてね」と聞かれているような映画。
政治はゼロイチではなく、「多数決アンド多数派が少数の意見を汲み取ること」なので、万が一大多数が「(多数の)安定のためにはロボトミーも当然」、「それで(少数である)彼の人格が破壊されてもしょうがない」と考えたら、それが集団の意思となる。
日本国憲法はそれを防ぐために「基本的人権の尊重」を冒頭にうたっている。政治は、ともすれば集団の安定のために、少数派をないがしろにしがちだから、なのだろう。
前者は主人公という個人だからその存在が明確だが、後者は「ヤツにロボトミー手術をして大人しくさせてしまえ」という(個人でなく) "集団の意思決定" なので、その存在はやや曖昧。だから、俺たちが観ている際に、「この映画では、自分は集団の側にいる。集団の中の一人だ」と気づけるかどうかはわからない。
かく言う俺は、観てから40年経った今、初めて、これを追記している。お恥ずかしい限り。
両者のデフォルメが極限まで拡張されてるので、怖いまでの映画になってるが、きっと、言いたいことはそれなんだと思う。
ratienさんのレビューにある通り、暴力のオンパレード。まさに前者後者両者の圧倒的な暴力の応酬という映画なのだろう。
しかし、そういったことを映像化しているのだとしたら、やっぱり凄い映画だったんだなあ、とあらためて感服。
…という訳で「4」となりました。
誤解されぬよう念のために。
俺は、主人公のやりたい放題や暴力には微塵の魅力も感じません。強烈に辟易! ただ、それを抑える策が個人の尊厳を破壊するロボトミー手術だという点は主人公を遥かに超える暴力で全く同意できないだけです。
キューブリックの目
実に初鑑賞。
これが1972年作品というのが一番の驚きで、
画面の細部にまでこだわり抜いたセンスの素晴らしさに始終、感動した。
アングルの素晴らしさ、小道具ひとつひとつのこだわり、
遠心力の皮肉ささえも、
ああ、キューブリックったらもう!と自分の親戚みたいな口調になってしまう。
現代ではgoproでスーパーカメラばりの水飛沫が撮れますが、
この時代にそれをやってのけたキューブリック、
いったいどれだけの先見の明を持っていたのか!!
原作を破壊することで有名で、
原作者からは糞だの恥だの言われ続けたキューブリック、
しかしあなたが残した功績は大きい。
黒澤とキューブリックだけを観て育てと言う先生も居るくらいのカリスマ性。
私は脚本よりやはり映像に魅せられたほうなんですけどね。
あの猫屋敷のオブジェや、おっぱいミルク、
本当にステキでした。
最後まで着地点が見えない展開
全く前情報なしで鑑賞。
ホラー映画ではないものの、かなり「怖い」映画です。
字幕の表現が独特過ぎてあまり理解できなかったですが、全体のストーリーの理解には影響ないのでご安心を。
人は簡単には変われないということか…
主人公は同情の余地がないほどの犯罪漬けの毎日を送る犯罪製造マシーン。が、出所後の彼は確かに暴力を振るわないし、他者から傷つけられ、弱い立場になる。自業自得とはいえ、そんな彼のことが可愛そうに見えてしまう自分が少し嫌になった。
ラストシーンには驚いた。結局悪はどこまでいっても悪でしかないのか…。
出てくる人たち全員狂っている世界
レビュー評価がとても高く、この映画と比較しているレビューを書かれている人がいたので観てみました。
うーん、なんというか、ここまで痛烈な社会風刺をすると全員気狂いに見える凄まじい世界観。そしてどうしても「ultra violence」が酷すぎて好きになれない…。何度も見るのをやめたくなった。これを評価できる人は何を高く評価しているのかわからない。
主人公のアレックスは世の中を舐め切っていて、暴力、強盗、レイプなどに明け暮れ、殺人を犯して刑務所行きになるのだけど、実に短絡的で道徳観が欠落した人間。
そんな彼がおかしな心理療法を受けて暴力ができない身体になるかわりに刑務所から出てくるが、根本的には何も変わっていなくて、単にパブロフの犬的な療法で悪い感情が出ると吐き気がして動けなくなったり、自殺したくなってしまう。
んで、そんな身体になった彼はタブロイド紙に追いかけられる存在になるのだが、政治的に利用されて殺されそうになったり、果てまた逆に政府に持ち上げられて世論を動かしたり。
出てくる人たちの掌返し感がなんとも滑稽で、世の中に対する批判を風刺しているのはわかる。時計仕掛けという言葉はまさにこのロボットのような右往左往する感じなんだろうなと思いつつ、勝手に生きているように見えるアレックス自身が実はその渦の真ん中にいるというのがまさに皮肉でもある。
ここまでくるともはや世の中は絶望でくだらないものにしか見えなくて悲しい。
無駄にアーティスティックな内装や音楽が色々出てくるが、どれも滑稽さを誇張している感じがした。
うーん、気持ち悪い。二度と観たくない。
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