天国の日々

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劇場公開日:

天国の日々

解説

本作の後「シン・レッド・ライン」(1998)まで20年にわたり沈黙する巨匠テレンス・マリックの監督第2作。79年・第32回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。1910年代、青年ビリーと妹リンダ、そしてビリーの恋人アビーはテキサスの農場に流れ着き、そこで働き始める。やがてビリーの妹と偽っていたアビーに惹かれる農場主のチャックが病気で余命幾ばくもないことが発覚。ビリーはアビーをチャックと結婚させ、そのお陰で厚遇を受けることに。しかしチャックは妻とビリーの関係を疑い……。彼らの葛藤と皮肉な運命を静謐な演出で綴る。名手ネストール・アルメンドロスの映像美は圧巻。2011年8月、特集上映「ZIGGY FILMS '70s '70年代アメリカ映画伝説 第2弾」でリバイバル。

1978年製作/94分/アメリカ
原題または英題:Days of Heaven
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア
劇場公開日:2011年8月27日

その他の公開日:1983年5月(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 カンヌ国際映画祭(1979年)

受賞

コンペティション部門
監督賞 テレンス・マリック

出品

コンペティション部門
出品作品 テレンス・マリック

第36回 ゴールデングローブ賞(1979年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 テレンス・マリック
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映画評論

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(C)1978 Paramount Pictures corporation

映画レビュー

4.0魔法の時間

2024年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

リチャード・ギアがわっかーい! めっちゃかわいい! ストーリーは割とシンプルで、貧しい若者がいい生活をしたいがため、嘘をつくが自滅するだけ(身も蓋もない言い方…)。が、映像と音楽がいい。日が沈んで真っ暗になる前の、薄暮の時間に、照明を使わずに撮影したとか。なんと非効率な。でも、そのおかげで美しく儚い絵で、とてもセンチメンタル。その映像に寄り添うような、これまた美しい音楽。特に、魔法学校とかSF的な雰囲気の曲が好き。どこかで聴いた気がしたので調べたら、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」の中の「水族館」を編曲したらしい。モリコーネさすが。いい仕事してるわー。

イナゴの大群って、やっぱりひく。バッタの顔って、なんか怖い。

BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。

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ぷにゃぷにゃ

3.0広大無辺の解放感

2022年12月11日
iPhoneアプリから投稿

日本の田園風景を思い浮かべてみる。田んぼが段々に連なって、その果てに行き止まりのように巨大な山が座臥している。そこにはリアルな密度はあっても、解放感はない。解放感、解放感、解放感。こいつはけっこう重要なものだ。多くの人間がなぜ映画を観に来るかって、それは延々と繰り返される日常のサイクルの中にスカッとするような解放感の穴を穿ってやりたいからだ。そう考えてみたとき、アメリカの広大無辺な牧草風景が、視覚という回路を通じて受け手にいかほど絶大な解放感をもたらすものであるかがわかる。あとはそれをカメラによってうまく切り取ることさえできれば、それだけで映画は完成する。そして本作はそうした「切り取り」作業がほとんど完全なレベルで成功した作品だといえる。穏やかな風に揺れる麦、悠々とせせらぐ川、オレンジ色の夕日に踊る黒いシルエット。アメリカにはこんな美しい風景があるのかとひたすら圧倒される。こうした美しい風景ショットに比して物語があまりにも単調で緊張を欠いているのは、おそらく本作においては物語が風景を次のコマに進めるためのスイッチ程度の意味しか持っていないからだろう。物語ではなく風景に没入する映画。私がいまいち本作に入り込めなかったのも、おそらくiPhoneの小さな画面で鑑賞したからだと思う。

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因果

3.5なぜ『天国の日々』?

2022年4月11日
Androidアプリから投稿

2回目の鑑賞。

一度目に観たときは、映し出される自然がきれい、麦畑、それを囲む風景、そして、そこで汗水流して労働する人間も、メチャきれい‥と思った。まぁ、ストーリーは、けっこう面白い展開でドロドロ、と。

そして今回は、タイトルがとても気になる。なぜ『天国の日々』?原題でもそういう言葉のようだけれど。何が、どこが、『天国』なの?

ここでは自然が美しく描かれていて、人間の方はドロドロだから、『天国』は、自然の世界のこと?

でも『日々』とあるから、自然の中で生きている人間含む生物たち全体の営みのことなのかな。人間を含む美しい映像もあったから、そのようにも思える。
でも、人間はドロドロで善悪ぐちゃぐちゃで、奪わなくてもいい命まで奪い合う始末。これが『天国の日々』?もしかして、つまらないことをしている人間への皮肉をこめてこういう題になってる?

いやいや、人間のドロドロ劇など、自然に抱かれた世界ではこどものお遊びみたいな幸せなもので、例えば女の奪い合いのための戦いなんて、所詮は動物的な営みの一部だという見方はできるでしょう。あれこれ全部合わせて天国、と見ることはできそう。ラスト部分では女達がいやに逞しく明るいし。

?うーん。

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あま・おと

4.0【”一時だけの偽りの天国の日々”ミレーの”落穂拾い”の様な美しき田園風景を背景に描き出される哀しき人間模様。】

2022年3月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

幸せ

ー 20世紀初頭のアメリカ。
  リンダ(リンダ・マンズ:今作のナレーターでもある。)は兄のビル(リチャード・ギア)、その恋人アビー(ブリック・アダムス)と3人でシカゴから放浪の旅に出る。
  ビルとアビーが兄妹だと偽り、テキサスの農場で麦刈りの仕事を得て、住み込みで働き始める3人。
  やがて、若い農場主チャック(サム・シェパード)がアビーに想いを寄せていることを知ったビリーは…。ー

◆感想

 ・淡い光で広大な自然の風景を捉えたノスタルジー的な映像の美しさが、この作品の趣を高めている。

 ・ビルとアビーが兄妹だと偽り、テキサスの農場で麦刈りの仕事を得て、住み込みで働き始める事から始まる、若い農場主チャックに見初められたアビー。
  そして、一時だけの偽りの天国の様な日々。

 ・けれども、そんな日々は長くは続くかなく・・。

<テレンス・マリック監督の映画は2019年の「名もなき生涯」以降、公開されていない。
 彼ならではの、自然光を使った美しき自然を背景にした映画を、再び映画館の大スクリーンで観たいモノである。>

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NOBU