シッコ
劇場公開日:2007年8月25日
解説
「華氏911」のマイケル・ムーア監督が、アメリカにおける医療保険問題に焦点を当てたドキュメンタリー。国民健康保険がないアメリカでは、国民は民間の保険会社で保険に加入するしかない。多くの人々が無保険で命を落としていく一方、高額な保険料を払っているにもかかわらず、いざという時に保険金をもらえず満足な治療を受けられない例も多数存在する。ムーア監督はこういった数々の事例を紹介し、アメリカが抱える医療保険制度の闇を暴いていく。
2007年製作/123分/アメリカ
原題:Sicko
配給:ギャガ・コミュニケーションズ、博報堂DYメディアパートナーズ
スタッフ・キャスト
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2023年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
アメリカの人口3億人のうち5000万人が無保険者であるが、医療保険に加入していても、保険会社に難癖つけられて支払い拒否されたり、高額な医療費を請求されて支払不能に陥ったりする悲惨な状況を生み出しているというのがこの映画が作られた2008年当時の実情だったんだね。
その後は2014年に国民皆保険を目指すオバマケアが実施されて、3500万人が保険に加入することができたけど、今のトランプ政権になってからそれを見直すという話になって、廃止法案が提出されているのが現状ということだ。
またよく話題になっているT P Pではこのアメリカ型の混合医療(保険診療+自由診療)を導入するかいなかが議題になっているみたいだね。
イギリスは戦後すぐ国営医療サービスが実施されて無償、フランスは政府が国民を恐れている国だから医療は無償など、知らなかったな。そうだったのか。でも、あたかも夢の国というような演出はアメリカとの違いを際立たせるために作為的に編集しているね。コメディドキュメンタリーだからいいのか。
アポなし突撃取材は過激さがトーンダウンして、全体的に落ち着いた印象だった。最後にムーアが政府に洗濯物を持って行くというシーンは諸外国に遠征した長期間のロケだったので、洗濯物が溜まっていたということなのかな。
2022年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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キューバまで行っちゃうんだ。
金儲けから逃避へ
民主主義だから。
女性の参政権がなんであるのかと問わないと同じように医療制度がある。
カナダもイギリスもフランスも皆うまく行ってることばかりではないだろうから鵜呑みにはしないとしても。
ものすごい割合、金額の税金を払っている、共助の思想もない国で。税金ではまかなわれないから、税金納め、家族を養い、税金では弱者を支援しないということで、さらに支援団体に寄附をしている。馬鹿みたい。
フランスみたいな育児支援医療制度介護支援があれば雇用も生まれる。日本みたいになんでもアウトソーシングはだめ、中抜きされ儲かるやつと、さらに弱者を生み不公平な労働条件、サービスの質の低下、侮蔑と虐待が生まれる。
民主主義とはなにか
を考えず民主主義を享受していると考える大半の人たち。
この国に住む全ての人の、生きる権利尊厳が保障されてこそそこからの民主主義と思うけど。
マイケルムーアらしいユーモア、全く笑えない。少し前に見ていたら、アメリカひでーな、という感想だったかもだけど、今みたら、いや他人事ではない、日本とこうなるし違う形にみえるけどなってしまってるね、と切実でほんと笑えない。
2022年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
かつては薬関係のお仕事に従事したことがあるため興味のある映画でした。アメリカは先進国では唯一公的な国民皆保険制度を持たない国。アメリカへ旅行に行って、海外旅行者保険が切れたら大変なことになることがわかりました。国民は民間の医療保険に加入し、多くがHMO(Health Maintenance Organization)というへんてこな組織が医療機関やカバーできる病気を選定してしまうという・・・ややこしそうです。とにかく、患者の既往歴とかをチェックし、この病気には保険が利かないなどと、患者にとっては不利な制度。
保険会社も病院も利潤追求が最大の目的。あれこれ理由を見つけて患者を拒否すればするほど有能な医者ということになるらしい。まぁ、日本でも生命保険なんてのはそうだけど、患者にとっては負担がどうこうよりも、命がかかっている問題なわけですから・・・。日本では病院が救急患者を受け入れてくれないことが新聞を賑わすのですが、アメリカではこれが常識なんですね。
今回のマイケル・ムーア監督。まずはカナダに行って、医療費がタダだったことに驚く。イギリスに飛んでも、HNSの制度に驚く。そしてフランスでも・・・。そういえば、日本も患者負担金がどんどん増えてきてますが、老人医療費の高騰を理由に医療費を抑制するだけの医療行政に問題があるのでしょう。国庫負担率を下げ、公共事業費ばかりに予算を使うという・・・。国立病院ってのも無くなっちゃいましたからね~小泉行政改革のせいで。「官から民へ」などというスローガンが突き進めば、そのうち日本の保険もアメリカ型になりそうで怖いものがあります。
映画ではヒラリー・クリントンが国民皆保険を訴えるシーンもあったりして、政治色の偏りがある内容なのか?と思わせたりするのですが、その夫人も現在は医療保険組織から巨額の献金を受けていて、全く口にしなくなったとか。日本では医療費の大部分を占める薬剤費が同じような傾向があり、厚生官僚の美味しい天下り先となる製薬メーカーから巨額の献金を享受する政党の存在。ほとんど同じ構造です。
イラクに出稼ぎに行く父ちゃんのエピソードとか、最初はどことなく反米的なテーマも見受けられたけど、監督としてはアメリカ人に観てもらいたい映画なので、きっちりまとめているところがえらい。病気になったらキューバへ行こう!なんて言えないですもんね。
【2007年10月映画館にて】
2018年11月6日
Androidアプリから投稿
マイケールムーアの映画を鑑賞するといつも怒り、悔しさ、悲しさでいっぱいになる。