ナインスゲート 劇場公開日:2000年6月3日
解説 辣腕の本の探偵コルソは、バルカン出版の社長ボリスから、最近彼が手に入れた1冊の本──17世紀の悪魔書「ナインスゲート」にまつわる仕事を依頼される。世界中に3冊しか存在していないこの伝説の本の残り2冊を探し出し、その真贋を確かめろというのだ。コルソはまず、ボリスにこの本を譲ったコレクター仲間を訪ねるが、彼は謎の自殺を遂げていた。危険を感じたコルソは本を友人バーニーに預けるが、翌日バーニーも本の挿し絵と同じ姿で殺される。
1999年製作/133分/フランス・スペイン合作 原題:The Ninth Gate 配給:ギャガ・ヒューマックス共同
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2023年5月1日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
悪魔の書いた古書が存在し、それを入手した者は第9の門を抜けて悪魔の力を手にすることができる。その野望を抱いた蒐集家に依頼され、デップ扮する本の探偵が本物の悪魔の書を探して欧州各地を探索する…という話。 いちおう"ホラー"に分類されるんだろうが、これが怖いと思う人は一人もいないんじゃなかろうかw というのも本作は全体に展開されたポランスキーの趣味を堪能し陶酔するための作品だからである。それに堪能できなければ退屈で下らない駄作で終わるが、陶酔した人にとってはポランスキーの作品中でも屈指の傑作となるはずだ。 で、その趣味の内容だが、ざっと言って次のような箇所を挙げることができる。 1 書物や書斎の手触り、質感 冒頭、悪魔の書の一部を所蔵する愛書家が遺書を記した後、首を吊って自殺するのだが、その書斎、紙やペンの高級感、机や革張り椅子の質感がたまらなく物欲をくすぐる。これは愛書家の理想郷ではないかw 次のシーンでは、他の愛書家の蔵書整理に訪れたデップが、書棚に並ぶいかにも年代を経た感じの革張りの古書に囲まれ、ウイスキーを嗜みながらプロらしいぞんざいな手つきで本を抜き出しては表紙を叩いて能書きを垂れる。その仕草がたまらなく魅力的だ。 2 バーニー古書店の螺旋階段 1で『ドン・キホーテ』の稀覯本4冊セットを買い叩いたデップは、早速それを売り捌くために友人の古書店に行く。そこでまたウイスキーのタンブラーを傾けながら、イチャモンをつけてきた間抜けな同業者を笑い者にするのだが、この書店の佇まいがまたいい。 高い天井までみっちり作りつけられた書棚で三方の壁が埋まる中、中心の螺旋階段から本を片手に降りてくる書店主の姿…これもまた愛書家の理想郷である。 稀覯本を手にした友人は装丁を見、紙質を確かめ、印刷を点検して、"All four volumes…Son of bitch!"と呟く。これもたまらないw 3 デップの布カバン デップが肩にぶら下げた、本やノート、ペン、さまざまな小物を入れた布カバンが、ラフでヤサグレた感じの服装にマッチし非常に洒落ていて恰好いい。 4 ウイットに富んだセリフ 依頼人の出版社社長の講演会場に出かけたデップは、そのまま椅子で居眠りしてしまう。熟睡から目覚めた彼に社長がかけた言葉は ”I see you are stimulated by my little talk,Mr.Corso.” (ボクのささやかな話がそれほど刺激的だったかね、コルソ君) クスリとさせられる。 そして悪魔の書を取り返しにきた女がデップとセックスした後、彼のカバンを探るが、本がないのに怒って 女 "Don't fuck with me!" (バカにするんじゃないわよ!) デップ "I thought I already did. " (もうしちまったと思うがな…) その他、タバコの灰を稀覯本に落としても手で払って平然としている双子の造本家、没落を絵に描いたような蔵書家の何もない家等々、映画のいたるところに見る者のユーモアをくすぐり欲望をそそり美意識を刺激するシーンが散りばめられている。 小生などにはたまらない快感なのだが、そのような趣味に無縁の人は「どこがいいのか」とシラケるだけかもしれない。 小生はもう十回以上、本作を見ており、まったく飽きることがない。見るたびに同じシーンにウットリし、同じシーンにクスクス笑わされている。しかし、ここのレビューを見る限りそんな観客は例外的なようで、残念きわまりない。 ちなみに映画のストーリーについては、どうやらデップは魔女に導かれて第9の門にたどり着き悪魔の力を手に入れたはずなのだが、あんないい加減な人間が魔力で何をするというのか想像もつかないのが、また笑えるところではある。
2022年8月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
主人公(ジョニー・デップ)は世界に3冊しかない奇書の1冊を所有している男から、その他の2冊を調べてほしいと頼まれる。 ヨーロッパに渡り調査を開始、危険を感じ始めるが、謎の女(エマニュエル・セニエ)が助けてくれる。 エマニュエル・セニエは存在感抜群だ。
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ロマン・ポランスキーとジョニー・デップの組み合わせが面白いオカルト映画です。最初から最後まで飽きさせることなく観られます。あまり評価は高くないようですが、私は結構気に入っています。ラストの解釈と謎の女の正体をどう捉えるかで評価が違ってくるのではないでしょうか。果たして彼はナインスゲートを通れるのか、通れたのか、ナインスゲートの先は天国なのか地獄なのか考えてみるのも面白いです。ポランスキーにとっては得意分野と思いますが、ジョニー・デップは他の映画とはまったく異なる雰囲気でしたが、主人公の役によくはまっていました。
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動画配信サービスで見ました。 ストーリーラインが基本的にはわかりやすく明確。ラストがちょっとわかりにくいですが。ちょっとダーティな感じのジョニーデップとミステリアスなヒロインも良。死体の死に様がいちいちちょっとふふっと笑えるのも良かったです。伯爵夫人の死に顔とか。 ただ古書に対する扱いが気になりました。何百万ドルもする(らしい)本を何かに包むこともなく剥き出しのままカバンに突っ込む、そのカバンもよく落とすし、けっこう乱暴にめくる、コピー機に勢いよく押し付ける…。おまけにタバコ吸いながら触っているのはプロのやる行為とはあまり見えませんでした。臭いつくだけで価値が下がりそう。そこらへんのリアリティは度外視で見た方が良いのでしょうか。 飛行機に乗っているシーンで「私が守るから大丈夫」というセリフでエヴァを思い出してちょっと笑いました。あと「炎の中に手を入れても熱くない」と言っているシーンはCGだからでは?というメタ的なものを感じました。燃える炎をバックに青姦のシーンは…あれは一体なんなんでしょうか…?