シュレック3 : インタビュー
前2作を全米史上に残る大ヒットに導いたアンドリュー・アダムソンから監督の座を引き継いだクリス・ミラーと、彼とともに本作を製作したプロデューサーのアーロン・ワーナーが来日。eiga.comのインタビューに応じてくれた。(編集部)
監督クリス・ミラー&製作アーロン・ワーナー インタビュー
「シュレック自身が大人になり、ある種の“脆さ”がリアルに描かれているんだ」
――今回は、“おとぎの国のバトル・ロイヤル”が描かれるということで、前2作にも増して多くのキャラクターが登場します。本作はお2人の共同脚本ということですが、脚本はどのように書き分けたのですか?
アーロン・ワーナー(以下、AW):「前2作を監督したアンドリュー(・アダムソン)がアイデアを出してくれたんだけど、そこまで細かい設定は決まってなかった。そこで、僕らは毎日シーンごとに家へ持ち帰って書き足して、次の日お互いが書いたものを修正する、という作業をメールでやりとりしながら行った。できたものは絵コンテのアーティストたちに渡すんだけど、彼らからもアイデアが戻ってくるから、要するにいつもグループで作業していた感じだね」
――最終的にシナリオを1つにまとめるのは大変だったのでは?
クリス・ミラー(以下、CM):「最終稿ができたのは映画が完成したときだ(笑)。実写のように撮影稿があるわけじゃないし、各シーンを絵コンテアーティストに渡したり、セリフを書き換えたりしてるので、全て同時進行で動いてたんだ。だから実際には順序立てて作っていない。結果的に全貌が見えてきたのは、ほとんど映画が完成に近づいてからだね。僕たちの仕事は、作品を大きな絵(流れ)で把握することでもあったんだ」
――来日記者会見のときに、記者から「シリーズの持ち味であるブラックユーモアが薄れたのでは」と指摘もありましたが……。
AW:「特に毒の要素が減ったとは思わない。これは自然なストーリーの流れじゃないかな。ただ、単純にシュレック自身が大人になってきたので、ある種の“脆さ”みたいなものがリアルに描かれている。でもそれが話をつまらなくしたとは思わないよ。ほかのキャラクターはいつも通り毒を出しているしね」
CM:「ストーリーに何が一番合うか選択していった結果、今回のような展開になったんだ。どんな展開かは見てのお楽しみだけどね」
――アーサー役でジャスティン・ティンバーレイクが初参加。彼との仕事はどうでしたか?
AW:「ジャスティンとはすごく仕事がしやすかったよ。彼の俳優としてのキャリアは始まったばかりだけど、いつも真剣に取り組むし素質もあると思う。実は、レコーディングとジャスティンのツアーの時期がかぶっていて、彼は当時ものすごく忙しかったはずなんだ。でもレコーディングブースに来ると彼はいつもニコニコしていて、『シュレック』シリーズに参加できて嬉しいっていうのが伝わってきたし、いわゆるスター気取りなんてことは一切なかったよ」
――マイク・ミッチェル氏が監督に決定した「シュレック4」の展開と、“長ぐつをはいた猫”のスピンオフについて、現時点ではどこまでプロジェクトが進んでいるのですか?
AW:「僕たちは“長ぐつをはいた猫”には、全く関わってないんだ。現在作成中なのは確かだけどね。『シュレック4』については、マイクがすでに作業に取り掛かっていて、どういうストーリーにするか詰めているところさ。今後の展開に関して今言えることは、『全く予測できないストーリーになる』っていう一言だけだ」