善き人のためのソナタのレビュー・感想・評価
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組織の責任者は常に腐れ外道で有る法則に例外は無い‼️
タイトルなし(ネタバレ)
1984年の東ドイツの話で国家保安局シュタージの局員ヴィースラー(ハゲ)が、反体制の劇作家ドライマンとその同棲相手の女優クリスタを完全監視する話。壁中に張り巡らせたマイクで部屋中の隅々まで音を拾い、その行動を記録。交替する仲間もいて24時間監視し続ける。何時何分にエッチしたとかまで事細かく書かれていて、終盤の方でドライマンがその自分自身の記録を読むのだが、なんとも冷静。自分だったら発狂するわ。
秘密警察のマシーンだった男が劇作家の人生を知ることによって、監視マシーンじゃなくなってしまう所がキモでヴィースラーがちょっとだけドライマンを助けたりもする。すぐバレるけど。
ドライマンが自分の行動記録が改竄されている事に気がついて、それをキッカケに本を書く。
命令よりも自分の良心に従ってしまったハゲは左遷でどうでもいいような雑用の部署に送られ、冴えない日々。
ドライマンの本を手にとるヴィースラー。
感謝をこめてHGW XX7(ハゲのこと)に捧ぐ
時を経て届いた心の返信。
「いや私のための本だ」
凄くスッキリした顔で再び自分を見つけたようなエンディング。泣けた。
人の歩むべき道を優しく教えてくれるドイツ映画
旧東ドイツの秘密警察の盗聴、諜報、尋問などの国家ぐるみの闇の実態が興味深い。それが単なる告発ものの暴露映画ではなく、国家保安省(シュタージ)の男が盗聴で任務する過程で徐々に自由思想と芸術に影響を受け、社会主義体制の国家に反する裏切り行為を行い、ひとりの反体制思想の劇作家を救う人道主義になっているのがユニーク且つロマンチックである。劇作家の愛人が薬物中毒の意思の弱さから密告をしてしまい贖罪に苛まれるサブストーリーと調和して、人間の救済に対する作者の信念を感じることが出来る。ラストの真実を知った劇作家が、恩人の元保安省の男に面会せず、小説の序文で謝意を添えるカットの、映画ならではのフィナーレに感動して胸が熱くなる。時代や社会に惑わされない、人の歩むべき道を教えてくれる、美しく心優しい映画でした。
謝意の劇中本が原作?
映画のキャッチコピーに「この曲を本気で聴いた者は悪人になれない」とありますがゲルト大尉が劇作家のドレイマンを助けたのは彼の恋人クリスタに横恋慕するヘムプフ大臣の好色な陰謀、上司や仲間の下劣さに嫌気がさしたからでしょう。
確かに本作の録音技術は秀逸で音楽シーンの音色の生々しさは格別ですが曲の演奏も短く曲が主題を担っているとは思えませんでした。かといって表現の自由と闘った演劇人のレジスタンス物語でもありませんね、政治弾圧に名を借りた下劣な品性の権力者の悪行は普遍的に存在するとみた方が良いかもしれません。
ドナースマルク監督33歳、西独出身なので東独の内情は壁の崩壊後に4年も調べてオリジナル脚本を仕上げたようです、映画にも出てきましたが当時の政府資料が閲覧できるとは驚きました。役者の名演にも助けられたのでしょうが初の長編デビュー作とは思えぬ重厚さ、才能が光っています。
ことの真相を知ったドレイマンがゲルト大尉に逢って礼を言おうとしますが思いとどまります、2年後に本の形で謝意を表しますが痺れます。メール配達人に落ちぶれた彼をおもんばかったのかもしれませんし、月並みな礼では済まないと悟ったのでしょうか、その本が巡り巡って映画の原作めいて、主題の巡るソナタ形式にも思えました・・。いつもながらドイツ映画は渋いですね。
映画が描いたことが実に発生している
東独それは抑圧と美学
良かった・・・
涙が溢れた
ラストが良い
集中して観ないと置いていかれる
作品内の状況下、立場は敵と味方の関係ですが音楽によって心を通ずるという、物語の核となるストーリーが素晴らしい…のですが、肝心のピアノ演奏があまり印象に残らないというか、感動出来なかったよぉ〜!
ただ、主人公の葛藤、そして重苦しい雰囲気の中、進むストーリー展開は良かった!
何より、最後のさりげないニクイ演出。最高でした!
バンドオブブラザーズ以来の傑作
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