善き人のためのソナタのレビュー・感想・評価
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集中して観ないと置いていかれる
作品内の状況下、立場は敵と味方の関係ですが音楽によって心を通ずるという、物語の核となるストーリーが素晴らしい…のですが、肝心のピアノ演奏があまり印象に残らないというか、感動出来なかったよぉ〜!
ただ、主人公の葛藤、そして重苦しい雰囲気の中、進むストーリー展開は良かった!
何より、最後のさりげないニクイ演出。最高でした!
バンドオブブラザーズ以来の傑作
数々の戦争、反戦、等の映画を観てきましたが、何回見ても何度となく涙してしまう作品、静かなストーリー展開の中に張り詰めた緊張感、戦場のピアニストに似た空気感かも。俳優達の洗練された演技も本当に素晴らしい作品でした。
しみじみする映画
ドイツの時代背景を描いたドキュメンタリー。
この主人公の優しさが心にグッときます!
途中の生生しいシーンは受け入れがたくもあり、リアリティを感じさせる。
この独創的な映画は理解するのが難しい…
壮大な歴史の渦中に於ける、小さな一個人の革命
自分が実存している世界史の一遍は常に衝撃的。多くの事を考えさせてくれます。
一番感動したのは、主人公が人である道を選び、最後までぶれなかったこと。そして、歴史は善き人を裏切らなかった。1つの時代が終わり、世の中が様変わりしていく中、ひっそりと慎ましく暮らしていた一人の初老が偶然見かけた本屋のディスプレイ。彼のラストシーンの微笑みに胸が詰まりました。もう一人の善き人は自分のもてるもの(芸術)で彼の心に報いることができたのです。
まぎれもなく心と心のこだまを今作で見せてもらいました。静かな感動をありがとう。
(4.7点)
ドイツについて考える
1989年にベルリンの壁が崩壊してから、4半世紀が経とうとしている今、改めて東ドイツのことを想います。国という枠組みがどのような意味を持つのか、その大きさと怖さを感じます。
あまり露骨にならないような抑え目な演出で、東ドイツのある個人の内面の揺れを描いているこの映画。落ち着いてみることができました。いろいろと言うつもりもなく、なんだか、これで良いと言いたくなる映画でした。
映画のあるべき姿
物語は静かにそして淡々と進行していくのに、張りつめた緊張は最後まで途切れる事がない。
近年でここまで、素晴らしい脚本、監督、キャストの映画はまず見た事はないです。
今まで1000本以上の映画を見てきてたがこの作品に出会えた事に感謝しました。
映画とはこうあるべきと教えてくれた珠玉の一本。
大人の映画。
静かに、静かにお話は進んでいく。長くも感じたけれど、話の進み方も、人物も、キャストも、大げさなところがなくて、さりげなくて、よかった。ラストもいい。静かな余韻が残る感じ。お部屋の感じや公園のシーンなど、映像もすごく素敵。
恐怖政治の下で関係のない人をかばうということ
総合:75点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 70
恐怖政治が支配する東ドイツの秘密警察のヴィースラー大尉。党には忠実であるが非常に寡黙で孤独な男がある危険人物の監視を命じられ、それを通じて芸術や自由に触れる。それは彼の生活にはない想像もしなかった新鮮なものだった。
それが彼を少しずつ変えるのだが、当時の政治体制を考えれば彼の行動は本当にきわめて危険な行為である。そして実際に彼は多くを失い、ドイツ統一後も孤独にほそぼそと生活をしていく。最後の出版された本に書かれた彼への伝言が、本当に彼の行為と人生を救ってくれたのならばいいが。
ソナタだけが
彼は寂しく暮らしている。
本気で聞いたソナタを頼りに。
文句なしの傑作。
冷徹な人間かと思えば監視対象に感情移入してしまう脆さを持つ彼。
映画の趣旨からも監視対象の生活がくまなく映し出される訳ですが、当然ながら主人公の日常も映され、監視対象とは打って変わる静かさばかりが横たわる生活。
だからこそ感情移入する基盤があったのかなと考えました。
本来なら処刑されても仕方がないようなミスをも見逃してくれた、かつての学友とのほのかな友情も垣間見れ、学友もただの冷血野郎じゃなくて安心。
イイ!
長く、内容も難しい映画だが、長さを感じなかった。
主人公の葛藤がよくわかる作品である。
良い現実も理不尽な現実も淡々を受け入れ、自分のなかで懸命に消化しようとしている心の変化が丁寧に描かれていた。また、時間の経過も加味して描かれていたので、現実味があって非常に良かった。特に、ラスト・シーンは、いい意味で、何ともいえない気分になる。
東ドイツ 社会主義の風景が美しくも悲しい
東ドイツ末期のもの悲しい雰囲気の中、ひとを愛し、自分の正しいと思うことをそれぞれ実行していく実直な登場人物たちが印象的だった。
映画の中のインテリアも雰囲気も演出もドイツらしい感じ。
客電点灯後、しばらく席を立てず
しばらく感動の涙が止まらず、
放心状態におちいってしまいました。
それくらい、素晴らしかったです。
どうしても知りたいことが一つ。
「ドイツの方々は、この映画を見てどう思ったのか?」
私達は遠く離れた国の人だから、映画の中に描かれた世界は
ノンフィクションに近いのだろうが、フィクションにしか思えない。
しかし、実際に東ドイツにいた人々は、この作品を見て、
「ただ感動した」で終わることができたのだろうか?
もっと深く重いもの感じたのではないか?
ドイツ人の目から見た感想を、ぜひ聞いてみたい。
なお、主演のウルリッヒ・ミューエは、
『わが教え子、ヒトラー』を撮影後、病気により
お亡くなりになられています。御冥福をお祈り申し上げます。
夜中に一人でじっくり観たい名作
夜中にひとりでじっくり…とは言ったものの、
実は最初に見始めたときは前半で眠気に負けてしまいました。
全体を通して冷戦最中だった旧東ドイツの暗い色調で淡々と進むストーリー。
序盤での掴み所もポイントというポイントが少なく、入り込めるまでには多少時間が掛かる印象です。(疲れて帰った真夜中だったのもありますが…)
数日後の昼間に改めて観始めると、今度はしっかりと入り込んで観ることができ、
タイトルでもあり、物語のポイントとなる中盤の「善き人のためのソナタ」辺りからはすっかり主人公に感情移入。序盤~中盤~ラストへの主人公の表情の変化に共感を覚えます。
特に衝撃のシーンからラストに至る終盤ではここでの評価の高さにも納得。
最後の1シーンは素直にいいシーンだなーと自然にニッコリ顔になっていました。
エンターテイメント好きには退屈なのかも知れない作品ですが
個人的にこういうシリアスな題材を基にした人間ドラマが好物なので、見事ストライクです。
幼い頃の記憶にあるベルリンの壁崩壊のニュース。
その裏には数え切れないドラマがあったんだろうなーと、当時は全く意識せずに同じ世の中に生きたいた事を少し考えさせられました。
※他サイトより転載(投稿日:2008/01/26)
人が作る共産主義国家の限界
まだベルリンの壁が破られていなかった時代の
東ドイツでのお話です。
この話にもあるように、
国家が個人を監視する為に
盗聴など日常茶飯事だったようです。
さて、お話は、
国家保安局通称シュタージの局員ビスラーは
優秀で冷徹で国家を信じる人間です。
その彼が
劇作家ドライマンの盗聴監視を続けるうちに
彼の真直ぐな人間性に触れ、
人間らしい心を取り戻すという話です。
もともと国家を信じていたが為に
ビスラーはシュタージ局員になった
真面目な男です。
だから、
ドライマンの真面目な生き様と彼の恋人クリスタへの恋慕で
彼は徐々に変わっていったのでしょう。
とにかく、とても感動的な映画でした。
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