赤道

解説

自分の可能性を確かめるため、約束された将来を捨ててアフリカへやってきたフランス人青年ティマール。宿泊したホテルで謎の美女と一夜を共にしたティマールは、彼女の虜になってしまう。ミュージシャンとしても知られるセルジュ・ゲンズブールが、ジョルジュ・シムノン原作のサスペンスを、30年代から50年代に時代を移して描く。

88分/フランス
原題または英題:Équateur

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映画レビュー

3.0アフリカの植民地化時代

2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 次の日、使用人の黒人トマが撃たれて死んでいたという事件が起こった。そして本国から出向でやってきたティマールは仕事をほされ、いまいましい土地から早速帰ろうと心に決めた。宿屋のウジェーヌとアデルの夫妻は薬物密売で本国を追放になっているなどという噂も聞かされた。しかし、アデルとの愛欲に溺れるティマール・・・

 なぜだか、不思議な映画。殺人事件があったというのに、実際の描写は全くない。サスペンス部分は人の話だけで進むのだ。さらに、殺人事件の直後にウジェーヌが病で死んだことも直接の描写は全くないので、ただティマール視点でだらだらとアフリカでの生活描写があるだけなのだ。やがて、アデルが提案した商売につい乗ってしまうティマールだったが、彼女の淫乱ぶりに嫉妬心も沸き起こり、水をぶっかけたりして虐待したりもする。そして、彼女がトマを殺したんだと自白を得るものの、犯人はなぜか捕まってしまう。白人たちは、警察署長、検事など、皆アデルと関係を持っていたので、アデルが犯人だとわかっていても彼女を救おうとしていたのだ。裁判は部族間対立などもあって、おざなりに進み、黒人の男は絞首刑に・・・

 だらだらと頽廃的な精神描写が続くものの、アフリカを植民地化しようとするヨーロッパの大国や人種差別などが垣間見える。それにも増して、男どもの欲求のはけ口となった女の魔性ぶり。たしかにいい女。スタイルもいいし、腋毛も生えている。“いまいましいアフリカ”などという言葉が全てを表していた。

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kossy