白いカラス
劇場公開日 2004年6月19日
解説
人種問題を描くフィリップ・ロスのベストセラー「ヒューマン・ステイン」を「クレイマー、クレイマー」「プレイス・イン・ザ・ハート」のロバート・ベントン監督が映画化。98年の米マサチューセッツ州。名門大学の教授コールマンは、黒人学生への発言を人種差別だと批判されて辞職に追い込まれる。失意の日々を送る彼は、掃除婦フォーニアと出会って恋に落ち、誰にも言えなかった秘密を彼女に告白することを決意する。
2003年製作/108分/アメリカ
原題:The Human Stain
配給:ギャガ・ヒューマックス
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2021年10月24日
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最後まで強く主張する事もなくもやもやとして煮え切らないので割と見る方に課してくる。
これは複雑な問題を単純にして分かりやすく善悪に分けて訴えることをしたくないからこその姿勢なのかな、この問題について世界はまだ解決していないし過去に出来ていないからこその展開なのか、間の尋問シーンが禊としてあって良かった。
淡々とした調子は少し飽きるが、身につきまとう問題って日常のつまらないパートの端々に差し込まれて邪魔してくるもんだやな。社会問題については考えさせられるものがあるけど、それよりも共依存の関係の重々しさと鬱陶しさが先に来ちゃって疲れた時に見るものではないなという感想です。
ニコール・キッドマンのベッドシーンは美しいし役者陣の静かな演技は良かった。
本当に切ないです。
黒人の中に生まれた白人。
それを隠してどっち側にもこころを許せることなく生きていかなければならない。
終始暗い雰囲気が流れる悲しい映画でした。
ニコラスケイジのシティーオブエンジェルに似た後味の悪さ。
ハッピーエンド好きの私には重たすぎる作品でした。
レクター博士の印象が強すぎて、
所謂狂気的じゃない普通の役だったりすると
ただのおじさんが若い女と恋愛するって感じが気持ち悪くて…
ホステスをしてるから職業的な嫌悪感もあると思いますが…
他のレビューの通りタイトルが秀逸で見るのはラスト40分ぐらいでいいやんって感じ
2013年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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総合70点 ( ストーリー:65点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
ニコール・キッドマンが人生に疲れたやさぐれた役をやっていて、最初は誰だかわからなかったくらい役に入っていた。アンソニー・ホプキンズも流石の演技。危険な夫役のエド・ハリスも迫力があるし、登場人物の演技は全体に上等。静かな緊張感が漂う演出も質感が高い。
だけど恋愛に失業に法律問題に差別にといろんなことが関連も強くないままに起きて、それらをふまえて彼らがどんな人生の選択をしたのかそしてするのかと、焦点がぼやけていてはっきりしない。歳の差のある二人の出会いと発展も強引に思える。より良い人生の成功を求めて苦渋の決断をして、それをしないから傷つきそれをするからまた周囲を巻き込んで傷つく。新しい角度から興味深い問題を内包しているのだが、ちょっとその主題が散漫になった印象があるのが残念。
ウィキペディアで調べたところ、「父親(いわゆる黒人)側の血縁にアフリカ系アメリカ人、ジャマイカ人、イングランド人およびユダヤ系ドイツ人、チェロキー族(アメリカンインディアンの一部族)がいる。」ということで、若きシルク教授役を演じたウェントワース・ミラーは複雑な人種の混血のようで、そう言われてみればそう見える。「Human stain」ではなく「白いカラス」はなかなか良い邦題だ。
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