弓
劇場公開日:2006年9月9日
解説
「サマリア」「うつせみ」などで知られる韓国の鬼才キム・ギドクによる恋愛ドラマ。海に浮かぶ一艘の船の上で2人きりで暮らす老人と少女。老人は少女が17歳になったら、少女と結婚することを夢見て毎日を生きている。そして、老人に拾われた少女にとっても、そうすることが彼への信頼と愛情の証だと思っていた。だが、そんなある日、少女が魚を釣りに来た青年と恋に落ちる……。少女役には「サマリア」のハン・ヨルム。
2005年製作/90分/韓国
原題:The Bow
配給:東京テアトル、ハピネット・ピクチャーズ
スタッフ・キャスト
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2022年5月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
2009年4月5日TNC系列地上波でこの作品を初めて見て、一瞬でキム・ギドクの虜になった。この13年で様々なキム・ギドク作品を見て来たがその世界観に今でも酔いしれる。この作品がのちに韓国版ミートゥ―運動で告発されたキム監督の変態性を象徴する作品のように言う人がいるがそういう人はそもそも映画は見るべきではない。宗教団体が作った映画か、戦時下に国の認可でも通った作品だけを翼賛していて下さい。それはさて置き、この作品の最後の婚礼の場面からのエンディング迄の不可解な映像の連続である。基本は婚礼にこだわる事から何か儀礼的なターニングポイントとなっていることが推察される。思うに老いと死の帰結としての再生がテーマか。少女の官能の姿態はヘタな男女の交歓以上のエロティシズムの極みである。
2021年3月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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なんとも不思議な物語。
おっちゃんに誘拐され、10年間船に監禁された少女ということもあり、受け入れられる人とそうでない人がはっきり分かれる作品だと思います。
確かにおっちゃんの欲望のための行動はキモい。
でも、なんだろう。このおっちゃんなんだか憎めない。物語前半では一緒に結婚してほしいとさえ思ってしまった。
我々も洗脳されているのでしょうか?
そしてこの映画の最大の特徴である、このふたりだけ喋らないということ。
彼らのコミュニケーション手段は弓。
矢を放ち、音楽を奏でることこそが彼らのセリフ。
最終的に少女が船に戻り、おっちゃん側に靡いたのも他の領域のものには理解し得ないふたりだけの絆みたいなものなのかなと思ったり。
弓占いの部分はほんとに危なっかしいのに音楽のせいでエモーショナルに。
大学生が来てからの緊張感も弓を張っていくようで、とても良かったです。
ラストの結婚はおっちゃんの幻想なのでしょうか。
おっちゃんの魂が最後のあの矢に込められて、純粋無垢な白装束の少女の股間に突き刺さる処女喪失。
あの瞬間今までの少女の束縛から放たれ、大人の女性となって新たな海へ漕ぎ出していく。
とにかく不思議な90分間でした。
少女役のハン・ヨルムさんは本当に名演でした。
細かい表情の演技が素晴らしかった。
大人っぽい妖艶な顔から大学生に見せる乙女な顔、あどけない幼さのなかに女性らしい強さ、凛々しさを感じました。
この犯罪行為を美学としてしまう自分も相当ヤベェやつだなと思いますが、美しい音楽とあの生活感漂う船の不思議な空間、雰囲気は万人受けすると信じています。
2020年6月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
2020年6月12日
スマートフォンから投稿
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劇中の言葉が少なく、音楽とハンヨルムの幼き美しさが、エロくて芸術っぽいと錯覚する。
海の上で、老年男性と若き女子が2人きり、
エロい妄想をしたくなる環境。
若い女子を育てて、結婚しようとするストーリーって。キムギドクは病んでるな。
これで2人が身体の関係をもっては欲望に従うエロ映画だった。
身体でなく魂で関係をもつって表現にしたのが、流石というか、これまた芸術感。
最後に船が沈み、今までの生活から離れ、世に戻っていくハンヨルムのシーンは、妄想から解き放たれたい。キムギドクの内面を表しているようにも感じる。
現実ではできない妄想を映画にして世に出してる感じ、それが芸術ってことで、ある程度評価されるから、世の中怖い。
って思っても、それを観てしまうんだな。
人を殺しそうな雰囲気もあったけど、人が死ななくてよかった。
ハンヨルムに魅せられたので、幼さやエロさでない部分も気になり、他の作品も検索したが近年の作品がないのが残念。
引退したのかな、、、