パーフェクト・ストーム : 特集
ジョージ・クルーニー&マーク・ウォールバーグ 日本でもブレイクなるか?
ジョージ・クルーニー編
(編集部)
「パーフェクト・ストーム」の大ヒットによって、押しも押されぬビッグスターの仲間入りを果たしたジョージ・クルーニーとマーク・ウォールバーグ。だが、このフェロモン系濃厚男に、マッチョな猿顔くんといった2人は、日本人にも生理的に受け入れられるのだろうか? まずは彼らのキャリアを整理し、読者投票に判断をゆだねよう。
その瞳から発せられるフェロモン光線に、全米の淑女たちはメロメロなのである。リチャード・ギアは峠を越し、ジュード・ロウはまだ若造。39歳。独身。バツイチ。目下、ジョージ・クルーニーに敵はいない。だが、今日の栄光にいたるまでは、決して平坦な道のりだったわけではない。
ジョージ・ティモシー・クルーニーは1961年、ケンタッキーに生まれた。父親はTV番組のホスト、祖母は歌手、そして従兄弟は俳優のミゲル・フェラー(「ロボコップ」「ツイン・ピークス」ほか)という芸能一家に育つ。野球選手を夢見て、シンシナティ・レッズに入団を試みるが失敗。大学もドロップアウト。演技で身を立てることを決意し、21歳で本格的に俳優を目指す。初めての映画は、チャーリー・シーンとの共演作だった。だが見事お蔵入り。とにかく、どうにか彼のキャリアはスタートした。
いくつかのTVシリーズに出演する一方、85年「ブレックファスト・クラブ」のオーディションに落ちる。その後、「ハイスクールはゾンビテリア」(86)「リターン・オブ・ザ・キラー・トマト」(88) などのBムービーに顔を出し、91年「テルマ&ルイーズ」のオーディションに。あっさりブラピに敗北。翌年「レザボア・ドッグス」でも玉砕。チャンスはつかみそこねるが、その選球眼は確か。ミゲル・フェラー主演作「ハーヴェスト」(93) に親戚のよしみで端役をもらい、捲土重来を期す。この間、TV&ホラー専門女優タリア・バルサムと結婚したが、3年で離婚。私生活も不調……気がつけば30歳を過ぎていた。
そして94年。遂に彼の時代が来た。NBCのTVシリーズ「ER 緊急救命室」のダグラス・ロス役が大当たり。女好きだが根は優しいという、自らのキャラを地で行くような小児科医を演じ、エミー賞、ゴールデン・グローブ賞など多数の賞を受賞、ジョージ・クルーニーの名は一躍全国区になる。さあ、次は映画だ。
まず、96年には「素晴らしき日」でミッシェル・ファイファーと共演。同年、タランティーノが製作・脚本を手がけた「フロム・ダスク・ティル・ドーン」に出演。翌年にはドリームワークスの初映画「ピースメーカー」に主演。さらに、ギャラに目がくらんだか「バットマン&ロビン/Mr. フリーズの逆襲」(97) に出演。酷評されるも1000万ドルゲット。米ピープル誌の「もっともセクシーな男性」に選ばれたのもこの年だ。一方で、大バカTVシリーズ「サウスパーク」にホモ犬の声でゲスト出演。こうして彼の芸域は無限の広がりを見せていく。それは、彼にとって「ロス先生」からの脱却だった。
続く98年、スティーブン・ソダーバーグ監督の「アウト・オブ・サイト」、99年のデビッド・O・ラッセル監督「スリー・キングス」では監督に直電して主役をゲット。この2本は批評家に高く評価され、「ギャラより名誉」という彼の目論見は大当たりする。
マーク・ウォールバーグと初共演した「スリー・キングス」以後、この2人のつるみ方は尋常でない。まず、今回の「パーフェクト・ストーム」で再共演。これはクルーニーがマークを推薦したもの。そして、マークが主演する「Metal God」というヘビメタ映画では、クルーニーがプロデュースを担当。来年から撮影がはじまる「Ocean's Eleven」でも共演。3年で4本。ホモ説もあながち笑い飛ばせない濃密さである。それはさておき、クルーニーは再びソダーバーグと組む「Ocean's ~」でプロデューサーも担当。共演にはジュリア・ロバーツやブラッド・ピット、ブルース・ウィリスら華やかな面々。彼のキャリアの中で頂点となる作品になるはずだ。
最後に、気になる最近の女性関係だが、今年の春頃、マット・デイモンと別れた直後のウィノナ・ライダーを口説いたり、最近では、「アリーmy ラブ」のリン役で知られ、「チャーリーズ・エンジェル」にも出演するルーシー・リューとつき合っているという噂がプンプン。相変わらずのフェロモンぶりだ。とにかく、当分この男から目が離せないのである。