劇場公開日 2000年7月29日

パーフェクト・ストーム : 映画評論・批評

2000年8月1日更新

2000年7月29日より丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系にてロードショー

ILM最高の仕事と海の男たちのドラマに酔う

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大自然のまえで、いかに人間は無力か──。確かにそれを描いていないわけではない。デジタルを駆使して作られた、荒れ狂う海のまにまに見え隠れする漁船やヨット、そのちっぽけな姿を見せつけられれば、人間なんて所詮、それくらいの存在なんだと思ってもしまう。だが、この映画が教えてくれるのは、それよりなにより、かなうはずのない大自然に、真っ向から立ち向かう男たちの勇気であり意地なのである。

その漁船の男たちは決して屈しない。つぎからつぎへと襲ってくる大波に、掛け声とともに向かってゆく。その表情は精悍で、まるで敵と対峙する戦士のようだ。一方、ヘリでかけつける救援隊の男たちは、何のためらいもなく嵐の海へと飛び込み、ヨットから投げ出された男女を助け出す。同僚が海に呑み込まれれば、自らの命をかけて救い出そうとする。ちっぽけな存在の彼らがその瞬間、大きく見えるのだ。

これは実際に起きた悲劇を基にしている。当然、多くの命が海に消えて行く。しかし、見た後の印象は、驚くほど爽やかなのだ。それは彼らの勇気を讚えているから。つまり、男のドラマとしても見応えあるということだ。

(渡辺麻紀)

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