誰も知らないのレビュー・感想・評価
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子供たちの素のキラキラ感が眩いくらい切ない
「泣いたり、叩いたり、血を流したり、それをそのまま撮るのではない
キラキラしていることが切ないような、
そんな残酷さを描きたいと思ってました。---是枝裕和」
是枝監督はテーマ性と、人間描写の撮り方が素敵だな。
長尺の撮り方だからこそ、素の表情が画面を超えて溢れてくる。
悲しく切ないストーリーと、キラキラとした子供たちとの対比が、作品の深みをより一層増す。
上から目線
子どもたちだけで生きる
重苦しく胸が抉られるよう、忘れられない傑作
ずっと気になっていたものの、子供や動物が苦しむ映画は苦手で辛いので避けてました。
テスカトリポカから無戸籍児を知り、著者の参考文献から、『無戸籍の日本人』を見つけ手に取りました。
無戸籍児の現実にショックを受けましたが、巣鴨児童置き去り事件がベースとなっており、当時まだ初々しい少年だった柳楽くんの演技が絶賛された本作を見るタイミングが来たと思いました。
いやー、辛かった。想像以上でした。
しかし、母親、女性ばかりを責めるコメントもありびっくり。
すみませんが、皆さんもお分かりかと思いますが、妊娠は1人ではできません。責められるべくは母親だけでなく無責任な男たちも、です。
wikiでみたら実際の事件はもっとひどいですね。本作は確かに美化している部分もありますが、最後どうなったかのエンドロールやその他事件の真相にあまり深く触れないのが本作の数ある魅力の一つだと思います。
いたたまれず、最初からずっと泣いていました。そしてYOUがうまい。本当にYOUが嫌いになります。
柳楽くんは素晴らしいですね。
何と自然な演技。他の子役の演技にも舌を巻きます。
特に公衆電話のシーンがすごい。
本作ははではでしい演出や大袈裟な音楽もなく、ただ淡々と進みますが、それが返って起きていることの残虐さを際立てています。そして計算し尽くされたカメラアングルが上手い。
本当に重いですし、胸が抉られるので、あまりネガティブな時は見ない方がいいですが、出来れば少しでも多くの日本人に知ってほしい。
コロナ禍で苦境を強いられる子供は増えていると思います。
少しでも多くの子供が救われますように、と願わずにはいられません。
ゆきちゃんの眼差し
天才柳楽優弥!
誰も知らない
みんな知らないフリ?
Amazonプライムで鑑賞。
何年か前にTSUTAYAに置いてあったのを見て、森山未來の若い頃の作品か〜と思っていたら全然違う人だった。
Youの母親、よかった。
子どもたちの無邪気な姿からの変化も良かった。
Youは一見、子どもの気持ちに寄り添える
あたたかいお母さんで、みんなそんな
お母さんが大好き。
子どもは純粋で真っ直ぐ。
大好きなお母さんの言うことは聞くし、
信じて待っている。
それがなんだか切ない。
ダメなお母さんなんだけど、
子どもたちはしっかりしてるんだよなー。
それが不思議。
最初は良いこと、悪いことの区別がついていたし、京子が妹が登った遊具の砂を落としていたり、ところどころ躾がちゃんとしてるのが
なんかリアルだった。
同じアパートに住む人
コンビニの店員さん
明の友達
女子高校生
電気、水道、ガス会社の人
この人たちは児相に通報しようとか、
誰かに相談しようとか
考えられなかったのかなって。
明は「一緒に住めなくなるのは嫌だ」と言った。しっかりしていて、弟妹の面倒が見れる、
ご飯も作ってあげられる、買い物も…
けど、そこはやっぱり子どもなんだって
思った。
ずっとモヤモヤしたままで、最後は
どうなるんだろうと気になったが、
ふんわりした終わり方でさらにモヤモヤ。
誰かが児童相談所に連絡
子どもたちは保護
ゆきの遺体発見
母親逮捕
こんな終わり方を望んでいたんだけど、
そこまでキッチリやらなくても
いいのかなって
最後4人で歩く後ろ姿を見たら
そう思った。
何年も前にも1回見たことがあったと思ったけど 違ったみたいだった。...
何年も前にも1回見たことがあったと思ったけど
違ったみたいだった。
母親は滅多に帰って来なくて、
柳楽優弥だけ洞窟で暮らしてるみたいな記憶だった。
柳楽優弥がカンヌ受賞して話題になったのは
覚えてるけど、
それがどんな映画なのかなんて全く関心がなかった。
最近になって事件のことを知って、
映画化されてる、
それがこの映画だった、てことで鑑賞。
十分ひどい話だけど、
実際の事件より、
優しい世界の話になってるのが良かった。
お兄ちゃんの友達がゲームしに来てるときは
本当にいつ事が起きるのかずっとはらはらしてた。
加害者にならなかったことが救いだった。
コンビニのアルバイトさんとか、
大家さんとかが、優しくてよかった。
妹ちゃんがめちゃめちゃ可愛くて
今どうしてるか検索したけど、
もう事務所には所属してないみたいだった。
YOUが役にはまりすぎてて、嫌いになりそう笑
なにげなく見始めたら、目が離せなくなってしまった。
セリフは極端に少なく、子供たちをただその状況に追い込み(説明し)、その動きを静かにカメラでおっていった感じ。
手の先とか、足の先とかだけをフレーム内におさめた画がとても雄弁で、印象的。
ありえないと思いたい設定だけど、本当にあった話。
その子供たちの生き様をあれだけリアルに描き切ったのがすごい。
どこまでも健気で純粋で。
兄弟がいたから踏ん張れたんだろうな。
一人だったら、もっと絶望して、ひねくれると思う。
母親への不満が爆発しないのが不思議だったけど(もちろん、不満も不安もあるんだろうけど、恨みという形で爆発しない)、子供っていうのは、それくらい無垢に、本能で母親を愛してるものなのかもしれない。
誰も知らんぷり
あってはいけない
“誰も知らない”を変え続ける
私は児童養護施設で働いている。
自分で自分のことを専門家と言うのは恥ずかしいが、
専門家の端くれの私から見ても、素晴らしい作品だ。
本作は2003年の作品である。
今から17年前の作品であるにも関わらず色褪せないのは、
フィクションでありながら、
2003年当時の現実に通じるものが描かれ、
2020年現在の現実にも通じるものが描かれているからだろう。
さすがに2020年現在では、
学校に通わずに頻繁に街中をふらふらしていたら、
近隣住民が虐待通告し、児相が関与するだろう。
2020年現在でも、行政機関の関わりを拒絶し、
児相が親子分離の措置を取らない範囲で、
シングルマザーが夜の仕事に行き、
上の子どもが下の子どもの面倒を見ている現実はある。
そういう上の子ども、下の子ども、それぞれのたくましさ、けなげさが
本作品では見事に描かれていた。
とても感心したし、感動した。
私たちに何ができるかは分からないが、
まずはそういう子どもが2020年現在でもいる現実を直視し、
関心を持ち続けることだろう。
タイトルは、“誰も知らない”だ。
まずはこの現実を変え続けなければならない。
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