メメントのレビュー・感想・評価
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結局みんな自分勝手
さて土曜日。そう。今日は平日だったら疲れてて寝てしまいそうな長くて難解な映画を見る日ですね。
結局みんなレナードを利用してるんでしょうね。レナード自身も。最後は複雑な心境になりました。
正直思ったより難しくはありませんでした。ちゃんと前の記憶を覚えていれば「インセプション」みたいに話についていけなることはなかったですし。
話の構成は好きです。ずうっとなぜコイツはこの場所に来てこんなことしているのかが気になり、ぐいぐいと映画の世界に引き込まれました。
メチャ面白い映画です。ノーラン映画では今まで見た中で一番好きかも。
考えてみれば記録だって怪しいものだ
メメント
ラテン語で「思い出せ」
原作のメメント・モリ(memento mori)ならば「死を思え」となるという
記憶と記録
記憶があやふやであるのは当然
当事者と他者でも違う記憶になるのは日常茶飯事だ
しかし考えてみれば記録だって怪しいものだ
TENETと同じく時系列が逆転したりする
複雑に行きつ戻りつして実際はどうであったのかが次第に解き明かされていく
これがノーラン節?
とんでもない
そんな皮相的なことでノーラン節だなんて失礼だ
名誉毀損だろう
記憶があやふやなものならば、記録が絶対なのだろうか?
主人公レナードはポラロイド写真という記録を残す
今ならスマホで写真を撮るだろう
彼はその余白や裏面に手書きでメモを残して記録にしている
それでも足らずに自分の肉体の各所にその時に重要と思うことを入れ墨で彫り込む
だがそれが記録だろうか?
その記録をも自分の手によって改竄されてはいないのか?
記録だって記憶と同じくあやふやなのだ
手書きならまだしも、ましてデジタルなら改竄の痕跡すら見分けがつかないのだ
確としたことは一体何があるというのだ
TENETと共通するのはそれだ
時間の逆転とか時系列が操作される
そんなものはノーラン監督の表現手法のひとつに過ぎない
それが主題であるわけは無いのだ
本当にノーラン監督がテーマとして追い求めているのは時間を超えて本当のところ真実は何なのか?
視点の位置で物事の見え方が全く異なると言うのならば、物理的な位置関係だけでなく時間軸の位置関係の違いでも視点が異なり物事が違って見える
その事を追求しているように思える
記録だってなんら客観的ではないのだ
写真でも、新聞でも、書籍でも書いてあるそのものを信じ込んでもそれが本当に正しいのか
正しい視座から、正しい時間軸からの視点で観測した結果なのか?
いや、その観測した結果すら観測者の主観によって既に異なっているのではないか?
日本を代表するクォリティー紙と言われた某全国紙がそうだ
自らの思想的背景に事実の見え方に角度をつけた記事にする、果ては記事の捏造すらしていた実態はもはや誰もが知る所ではないか
記録が正しい、新聞が正しいなんて鵜呑みにはできないのだ
自分で調べ、自分の頭で考えて結論をだして行くほかないのだ
つまり全ては相対的なのだ
主観と客観、記憶と記録
確かなものなど無いのだ
その思考態度がノーラン節というものかも知れない
めちゃくちゃ!
凄すぎる。しっちゃかめっちゃかなストーリー、めちゃくちゃカッコいい。
はっきり言って一回観ただけでは理解し難いです。誰が理解できるのか。観賞後に解説を読んでようやく納得?しました。とにかく全員信用できないので、正しい理解というもの自体が無いと言ってもいいかもしれません。こんなにも荒唐無稽なのにとことんクールに鑑賞できる作品で、そこが一番凄いと感じます。時間軸を逆さまにするアイデア自体は、これまでにも発見されたことはあったでしょうが、それをこれ以上ない完成度の高さで実現したという点が素晴らしいです。
最終的には主人公の狂いが、他人の悪意を上まって勝利したと解釈します。その主題は、強烈な主人公の自己実現本能だと感じました。
演出も演技もストーリーも、主題の気持ち悪さも、本当に素晴らしいです。
疑心暗鬼
前脳基底部損傷による健忘症は、前向性健忘と逆向性健忘に加えて、しばしば作話、注意障害、人格の変化が出現するという。大学の授業でこの症例に興味を持った監督の弟さんが書いた小説「Memento Mori(死を忘れるな)」のプロットがきっかけらしい。Mementoの語源はラテン語で「思い出せ」という意味という、まさに記憶障害の主人公は全身に刺青までいれて悲壮感が凄いこと。
健忘症も確かですが不都合なことは特に忘れがち、というより勝手に記憶を書き換えてしまうのですから、ほぼ主人公の視点で描かれる映画なのに何を信じていいのか当惑、しかもすぐにばれないように話の流れを切り張りするから観ている方は混乱が増すばかり、頭のおかしな主人公なら何をやっても許されるだろうという創りは多少やりすぎな気もします。
精神異常ですから刑務所には入らずに病院行きでしょうがこういう殺人鬼は始末に困ります、操った張本人が殺されるというのも因果応報ですがテディは唯一真相を語れるキーパーソンなのですから事件当時や人物についてもう少し描いて欲しかった。
まあ、ありきたりのリベンジ・アクションに飽きた映画通には受けたのでしょう。個人的には作家性の強い、難解な映画は苦手です。
最近年齢のせいかプチメメント状態の自分にはしんどい作品じゃわ。
ダメだ、難解すぎる
かなしい
10年前、高校2年生だった自分を映画の世界にどっぷり引き込んだ作品がこれだった。
その当時は面白い映画ってこういった映画を言うのか!!と思い知らされた。
この映画は難しいって理由で評価を落とされていたりする。そんな理由で低評価着くのが哀しいなと思う。
しっかりとワンカットワンカットを「なぜ監督はこのアングルで撮ったのか?」「なぜ監督は台本でこのセリフを選んだのか?」「なぜ監督はこのシーンにこの音楽を選んだのか?」なんて風に観ていれば、ストーリーが難しいなんてことにならないはず。
例えば分かりやすい例で云うと、キューブリックの時計じかけのオレンジでアレックスは何故、お酒ではなくミルクを飲むのか?
アレックスの暴力性の根源的な幼児性を表現したかったのか?と考えたりできる。
その考えが正解か?監督の意図にドンピシャか?なんてことは人それぞれで良いはずだけど、そうではなく単純に難しい、理解できないと思うなら多分ちゃんと映画を観ることができていないはず。
それで映画の評価が落ちるのは哀しいことだ。
ラストから始まり、観ていくうちにラストに繋がる
記憶は全て自分の都合のいいように書き変えられていく。
TENETを観た後にこの作品の存在を知り観たが、ノーランの真髄がここにあることがわかった。
ストーリーは、ノーランの他の映画と同様に1回観ただけではわからないくらい難解。
でも、引き込まれていくところが、彼の作品の最大の魅力だと思う。
10分しか持たない記憶の中で生きていくことを疑似体験する感覚は、TENETで感じたような時間への混乱を生じ、
自分が今見ているものは現実なのか過去なのか夢なのか、足元がグラグラするような感覚に襲われる。
まったく別の話になるのかもしれないが、「サピエンス全史」によると、文字ができる前までは、人間は全てを記憶していたとのこと。
どの草は食べて良く、何が毒なのか、動物を仕留める方法や道具の作り方、誰が仲間で、敵は誰なのか、季節の移り変わりや天気の変化や歩いていく道や
全てを覚えている、または、口伝えで伝えていくことが生きていくためには必要だったとのこと。
だから、脳の大きさもホモサピエンスより、最終的に文字を持たずに絶滅したネアンデルタール人の方が大きかったということも納得できる。
文字ができたことにより、また、文字を紙で残し、伝えていくことができるようになってから、
人間は、全てを記憶しなくても、記録をして残しておくことで、過去を知ることができるようになった。
しかし、それは、残っているものが正しいものという錯覚を引き起こしているのかもしれない。
現代の私たちの脳は、色々なデバイスを使いながら、どんどん楽をし、自分にとって都合のいいように記録を残している。
積み重なる記憶と記録によって、自分を何に翻弄されているのかを考えさせられた映画だった。
クリストファー・ノーラン作品が観たくなって
テネットを観て、他どんな作品があったかなと思い探していたところ、昔観た映画があり、久々に観ました。
これも、「時間」がテーマの作品で、テネットの様な「時間の逆行」とは違いますが、過去に遡っていく作品です。
1回目観たときは、難しすぎてあまり理解が出来ませんでしたが、今回久しぶりに観て、バラバラだったピースがどんどんとはまっていく感覚で、最後、そういう事だったんだ!と、とても満足した気持ちになりました。
次また観た時に、新たな発見などを期待して、星マイナス1です。
時間というテーマを追求
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