ラスト サムライのレビュー・感想・評価
全78件中、41~60件目を表示
BUSHIDOとは運命(さだめ)に死ぬと見つけたり
DVDで2回目の鑑賞(字幕)。
「日曜洋画劇場」で観て以来の再鑑賞です。ところどころのシーンは見覚えがあったもののストーリーは全然記憶に無かったので、新鮮な気持ちで観ました。
ハリウッド映画で、ここまで日本を忠実に近い形で描いた作品は本作くらいじゃないかなと思いました。合戦のシーンなんて、日本映画のそれと錯覚しそうになりました。
中盤の絵に描いたような忍者軍団にはさすがに白けさせられましたが、監督が敢えてそうしたらしいので、従来の描写へのオマージュと捉えれば許容出来る範囲かなぁ、と…
変わりゆく時代に抗い、その生き様を歴史に刻みつけようとするかのように命懸けで戦った侍たちの燃やした命が熱い!
最後の瞬間まで武士であろうとする勝元に感化されたネイサン・オールグレン。ふたりの間に芽生えた友情が尊い!
いずれ滅びる運命ならば、信じるもののために戦うまで。
旧来のものを否定しようとする流れに立ち向かった彼らの姿は、本当に美しいものは何か、時代が変わっても決して失ってはならないものは何かと云うことを教えてくれました。
滅びの美学ここに極まれり。
[余談]
5万回斬られた男こと福本清三氏がハリウッドの大作映画に出演していることに感動!―幾度となく斬られたり撃たれたりして来た氏ですが、その労が報われた瞬間のような気がして目頭が熱くなりました。日本が世界に誇る斬られ役!―トム・クルーズと同じ画面に収まっていることのすごさよ!
寡黙な侍の役で、オールグレンの見張り役を務めていましたが、最終決戦において敵に撃たれそうになっているオールグレンに気づいて、「アルグレンさん!」と言いながら駆け寄り、彼を庇って撃たれてしまいました。その死に様はさすが年季が入っていて、素晴らしいものでした。名人芸がハリウッド大作に刻まれたのかと思うと、これまた感無量でした。
※修正(2024/05/13)
真田ファンで良かった・・・と思える映画でした。
明治維新の日本。改革を拒否し古き良き時代を守ろうとする武士と、それを助ける米国軍人の物語。
トム・クルーズ、渡辺謙、真田広之共演のアクション時代劇です。
真田広之は勿論、トム・クルーズの殺陣も迫力満点です。クライマックスの合戦シーンも流石ハリウッド。
欲を言えば、真田広之の殺陣をもっと堪能したかった。「トム・クルーズがわざとシーンを削った」との逸話もありますけど、本当なら残念でなりません。
また、仕方がないのですが、やはり日本人として明治維新の歴史を知っているだけに違和感を感じるところは幾つかありました。それでも、日本の歴史をリスペクトしてくれているとも感じられたのが救いですね。
異文化を理解する努力を捧げたアメリカ映画の日本文化の称賛
大好きな「レジェンド・オブ・フォール」のエドワード・ズウィック監督の新作。ネイティブアメリカンへの関心が、今回は日本人に向けられる。トム・クルーズは制作者として日本興行を目的にして主演したのだろうが、その作意が全く卑しくない。ズウィック監督の演出は、もし130年前に生きていればクルーズのように日本に渡り、侍と生活を共にしそのスピリットに共鳴したかったと切望する思いが全編に溢れていて、日本を舞台にしたアメリカ映画では珍しく日本の良さを映像に記録してくれている。勿論それはアメリカ人の西洋から見た日本の良さではあるが、今日本映画でこのように日本の良さ、日本人の良いところを描ける映画人がいるのかとなると、言葉が出ない。この映画は、クルーズとズウィックの勝利である。
渡辺謙はアメリカ映画界でこの演技を高く評価されているが、短期間で英語をマスターし台詞の英語を話しながらの演技を見事に熟している。言葉の壁が無ければアメリカ映画で活躍できる演技力のある俳優はもっといると思うが、役柄の壁が大きいのがネックとなっている。
CGを使った横浜港の遠景の美しさ。ラストの決戦に浮かび上がる、侍の終焉と時代の流れの変化による悲壮感。それでも尚侍として死す者に捧げる敬愛を表現できていることが、素晴らしい。映画制作、映画表現で出来る文化交流がここにある。細かいところの違和感があるものの、それを吹き飛ばす程の存在価値が、この作品にはある。稀に見る日本を舞台にしたアメリカ映画の秀作。
2004年 1月10日
けけけ謙さーーーーん!!!!つД`)・゚・。・゚゚・*
いやー、安定の号泣でしたわ…
泣ける系の映画は絶対泣くのはわかりきってるんで箱ティッシュ用意してましたが、でも思ってたほどではなかったです。
…映画館で観てたら隣の人がヒくくらいには泣いてたな。
最初に言っておきますが、歴史的事実に基づいて作った作品では「ありません」!
突っ込まない!お約束!
わかってるでしょ!!ハリウッドですよ!!!
コソコソ~って忍者が出てきたシーンで「あっ(察し)」ってわかったでしょ!!!
でもサムライ・ニンジャ・ハラキリ・ゲイシャ!みたいな外国人の想像する「ザ・日本」映画の中では、かなりの力作かと思います。少なくとも自分は歴史を知らなければ(つまり外国人の立場なら)かなり引き込まれる内容だったと思います。
歴史の蘊蓄語りたがるタイプの人じゃなければ充分楽しめる内容だと思いますし、「侍」というキャラクターを使ったフィクション映画と思って見ればもっと高い評価がついてても良かったと思いますが…。
久々に序盤からちゃんと集中して見られました(でも、ちょっと長かったかなーとか…)。
トム・クルーズ、渡辺謙さんはもちろん、演技がどの俳優も良い味出してて、とても良かったです。特に自分、小雪が好きじゃないんですが、今作での演技は良かったです。
個人的に、トムは和みパート、謙さんは圧倒的に戦パートの演技が素晴らしくて、凄く好きです。
トムは、ハリウッドでドル売り扱いされていたのを実力で認めさせたくらいなので、勿論演技は素晴らしいんですが、でも流石に殺陣では謙さん・真田さんには敵わなかったなと個人的には思いました。
あくまで「外国軍人に刀を持たせてちょっと使い方教えたらオリジナル殺陣やりだした」くらいの動きです。せっかく真田さんに(映画の中で)OKもらったのに。力強いけど、粗野で雑な野武士みたいな(笑)動き。
和みパートでのトムは、言葉が通じない中、村の人々と打ち解けるために試行錯誤するトムが可愛くてしょうがない。徐々に慣れて心を開いてくる子供達も可愛い。
序盤は普段のハリウッド映画では見られないようなトムの可愛い演技が見られ、撮り方も当然トム主演!の雰囲気を醸し出してます。謙さんはちょっと豪快で穏やかなオッサンで、重要脇役くらいの感じ。まさしく「助演」です。が。後半、戦場での演技となったら、立場が逆転。
刀を持らせたらもう、謙さん以外に目が行かない!というくらい、もはや主役のオーラ出してました。殺陣も切り付ける時は力強く、振り返る仕草は舞いのように美しく、演技でここまで気迫を出せるかと思うほど。こんな人が目の前に立ってたら戦場でもチビるわ…
いや、トムも悪くなかったっていうか、かなり上手かったんだと思うんですけどね。でもね。あれを殺陣とは…謙さんの前では!!認めない!!!(うるせぇなぁ)
また、映像はかなり凝ったようで、村の様子もとても美しいです。イメージは桃源郷ですか?
侍そんなとこに住んでねーよとかいう突っ込みはなしです。「日本人は不思議な民族」とかそりゃあんな妖精いそうな村に住んでりゃ不思議な民族にもなるだろとかいう突っ込みはなしです。
あの村見て「こんなとこ住みてーなー」と思う人は多いんじゃないでしょうか。虫多そうだけど。ちょっとうっかりDVD欲しくなるくらいにはこのシーンが長閑で美しい。癒されます。最後に怒涛の戦シーンがくると思うと…ここで存分に癒されたくなります。
ストーリー展開としてはありがちというか、「侍」で「ハリウッド」といったら十中八九こうなるだろうね、と予想のつくストーリーでしたが、それを補って余りあるくらいには映像・キャスティング共によく出来ていたと感じました。
いやはや、もう謙さんの死に様に…いや、生き様に☆1つ2つ足しても悔いはないです。
トム・クルーズを今まで全然イケメンと思わずタラ~っとしか見てなかった自分に「意外と可愛いなこの人…」という新たな扉を開かせてくれたのも含めて☆4.5。
本当は5でも良いけど、それじゃ流石に甘やかしすぎかなと思うので…
武士道、侍魂、死に様、生き様…自分がどう生きるのか、それが後世にどんな影響を及ぼすのか。そんなことを考えたい人にはお勧め。
自分なんかが後世に何か残せるわけない、と思っている人が殆どだと思いますが、人に紛れて無難な生き方してりゃそりゃそうだよな…と思わせてくれる作品でした。
負け戦でも、あれだけ相手をビビらせたら勝ちだわ。
何度も帰ってきたくなる理想郷
マルコ・ポーロ氏著作『東方見聞録』の”黄金の国ジパング”を彷彿つとさせる。
見果てぬ夢の国。理想郷。
物質文化であり、拝金主義であり、競争文化に追い付け、追い越せと、やっきになった富国強兵。
そんな世界の対極として描かれる勝元達の集落。
それぞれのシーンに酔いしれていつまでも浸っていたくなる。
脚本的には突っ込みどころは満載。
ではあるものの、
USAが、USAなりの解釈を混ぜて、USAが受け取ったエッセンスだけを見事に映画化した作品。
なのに日本人である私も、時々、あの集落に帰ってきたくなり、リピートしてしまう。
郷愁をくすぐられるような、理想郷にたどり着いたような映画。
日舞の名取でもあり、JACの一員として忍者とかを演じられていた真田氏に、全く引けをとらない殺陣・所作をみせるトム様が格好いい。
特に、集落で氏尾がネイサンを切りつける場面、真剣だとどこかで読んだ。ふう。本気の役者たちが熱い。
西郷さんだと思って見ると号泣する
見たのはDVDが出た直後。それを購入した知人に借りての視聴だったので10年以上前。
細かい部分の記憶はないがかなり印象的な作品だった。
アメリカ人から見た日本。
桜の色は八重じゃなければほとんど白に見えるくらいの淡いピンク色であるという認識がまず欲しい。じゃなきゃ商店街の電柱に刺さってる造花色になる。
さて内容ですが。
渡辺謙は西郷さんだと思って見た。
西郷は島津斉彬に忠誠を尽くしていたあまり、その死後弟の島津久光が君主になっても彼をリスペクト出来ずに何度も島流しにあっている。
それを再三 中央に引きずり出すのは幼馴染みの大久保利通であった。
その後、大政が奉還されて明治が始まり、岩倉らがヨーロッパに視察にいってる間に政治を任されるも帰国した彼らとの意見が合わず終いに「征韓論」を言い出しそれが決定打となり中央政治から去る。
武士はもはやただの厄介者であったその時代にあって、彼らはそれぞれどう生きるべきか、そしてどう死すべきか答えを出せずにいた。
「北の零年」という映画では温暖な気候の土地の大名が北海道の開拓地をあてがわれ、その土地に殿を迎えるべく開墾を始めるも稲の生育の北限を過ぎている土地では叶う訳もなくその上 着る物も持たず餓死凍死してしまう人々の姿を描いており、渡辺謙自身がその筆頭家老を演じている。
話を戻すと、
武士という、既にいらない教義を頑なに身に纏ってしまい、明治においての生き様はもはやないと確信した男たちは、いかにして死すべきかだけが目的で西南戦争に突入する。
勝てるであろう戦術も使わず、ただ潔く死ぬその場所を求めて。
西郷は参戦を渋るも戦いにおけるカシラとなる人物が必要であったため再三の要請に従いリーダーとなる。
作家の浅田次郎氏は、これに見事な推察をつけていて、西南戦争は大久保と西郷が、その後起こす日清戦争のプレ試合だった、集団戦法をした事のない日本の軍隊にそれを実践させる予行演習として利用したのだ、というネタで書かれた本があるが、これを読んで、ない話ではないと感じたものだった。
西郷は、時代に不必要となってしまった武士たちの死に場所を引導すべくそこにあった。
仁王立ちとなり、我が身に当てろといわんばかりに立ち尽くした田原坂。
史実と重ね合わせ
それらを思って見ると、この映画は号泣ものなのである。
コテコテのハリウッド映画
ハリウッドが大金かけて、ここまで日本をヨイショしてくれるとは・・・。
こんな金のかかりそうな撮影は、日本はできませんよ。
コテコテのハリウッド映画。
この映画の面白いところは、アメリカ人が「そうであって欲しい」と願っている「日本」が描かれているところ。
史実とは大分違うけれど、それがやりたいんなら、別に良いと思う。
徹底的に史実を改変していただいて、一向に構わない。
むしろ、俺は面白かったよ・・・。大絶賛。
スピリチュアル武士道!万歳!万歳!
・・・であるからこそ、ツッコミどころ多くて面白いのが、本作の魅力www。
まず、武士道が宗教になっちゃってる。トムのアルコール依存症もたちまち治っちゃう。俺も入ろうかなwww。
てゆーか、渡辺謙率いる反乱軍が住んでいたサムライ達の集落、なんだあの桃源郷は笑?武士道の聖地か何かですか?
あのさぁwww江戸時代の武士ってのはサラリーマンなのですよ。今でいう「企業戦士a.k.a社畜」みたいなもん。
廃刀令における反乱は、武士の既得権益(経済・地位)を守るための反乱。彼らの行動原理は刀への信心ではないからwww。
続いて刀繋がりで・・・
刀だけで鉄砲に対して突っ込むとか、んなアフォなwww。
(まあ仕方ないか。この映画の中での武士道は宗教だもんな。)
榎本武揚率いる旧幕府軍の装備でさえ西洋化されていたでしょう?
それで分かるでしょう?本当は武士道を守ろうなんて崇高な人間は一人もいなかったってことがさwww。
西欧の武器商人が西南戦争時の旧式装備を日本の両軍に売りつけて、日本列島で殺し合いを勃発・・・これ以上は陰謀論になるのでよそうwww
あとみんな気づかないのかな?これ。
武士(というよりは当時のほぼすべての日本人)は天皇に対して忠誠を誓っていませんよ?www。
彼らの主君(雇い主)は幕府であります。
そもそも、天皇=神、という考え方を国民に広めたのは明治政府です。
岩倉使節団は、アメリカの強さの根源は絶対神(キリスト教)にあると分析し、それから天皇が絶対神になったのです。
まあだから、アメリカ人が、天皇がキリスト教みたいなもんなんだと勘違いするのも無理はないのですが・・・。
ジャポンといえば寿司・天ぷら・芸者・忍者!
その忍者が無理やり登場・・・やっぱ忍者を登場させたかったんだろうなぁ。
我慢しきれず登場させちゃう中二病精神はベリベリグッドです!
でもね。本作の忍者はアメリカの特殊部隊にしか見えなかったよ。
・・・いやぁ、本当に楽しい映画だ・・・
日米ともに
善玉と悪玉を作るなどバランスを取ってるのがうかがえます。私腹を肥やす、出世だけしか考えてないという陳腐な悪玉設定はいかにもハリウッド的ですが。
でも官軍側(つまり元サムライ)が勝元に敬意に払うシーンはなんか感動してしまいました。
日本人全般の描きかたは、あまりハリウッド臭がなくて好感が持てました。
騎馬の登場の仕方なんかは黒澤映画の影響受けてる感じですね、まあ侍の映画を撮るとなれば、参考にするのは当たり前か。殺陣だけでなく馬のアクションにもこだわってる気がしました。
それにしてもこの映画の小雪は美しいなぁ。小雪が作中ほぼ唯一の女性という男くささ全開の映画なのでひときわ癒されます。見とれます。台詞も素朴で多くないけどかえってそれがいいんでしょうね。
「グローリー」の監督だったんですね。「グローリー」より良かったと思うけどそれは南北戦争と幕末維新とで関心度が違うからだけかもしれません。
大画面で見たかった!
需要
日本らしくはないけども。
●武士道ここにあり。
渡辺謙ハリウッド・デビュー作
トム・クルーズ演じるネイサン大尉が、実在の人物だと錯覚するほどストーリーが良く出来た作品。ただ日本人として不自然さを感じないよう吹き替え版でこの映画を観た。日本人に人気のトム・クルーズを採用したのはビジュアル的には成功だったし、渡辺謙、真田広之のハリウッド映画デビュー作としても世界的には成功して良かったと思う。日本国の描き方はイマイチだが、武士道精神を理解しようとする努力は感じられた。現代の日本人でも武士道はもう解らないのでは・・(笑)明治初期の国内は、攘夷か開国かで旧幕府軍と新政府軍が争っていたので、サムライと鉄砲隊の戦争はフィクションで創作となると色んな面で少し難しいかな・・まぁ、とにかくハリウッド映画の派手さは映像からは充分感じられた・・2003年のアメリカ映画。
全78件中、41~60件目を表示