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映画「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」 イン・アメリカ 三つの小さな願いごと
劇場公開日:2003年12月13日
解説
「父の祈りを」のジム・シェリダン監督が、アイルランドからアメリカへ移住した一家の過酷な現実と再生を描いたヒューマンドラマ。シェリダン監督の実体験をもとにした半自伝的作品で、脚本には監督の実娘ナオミ&カーステン・シェリダンも名を連ねた。
幼い息子を亡くした悲しみから立ち直れずにいる若い夫婦ジョニーとサラは、2人の娘クリスティとアリエルを連れてアイルランドからニューヨークへ移住する。一家は貧しく苦しい生活を余儀なくされるが、娘たちは新天地での新鮮な日々に楽しみを見いだしていく。ある日、娘たちは同じアパートに住む画家のマテオと親しくなる。
母サラを「マイノリティ・リポート」のサマンサ・モートン、父ジョニーを「24アワー・パーティ・ピープル」のパディ・コンシダイン、2人の娘を実際に姉妹であるサラ&エマ・ボルジャー、画家マテオを「グラディエーター」のジャイモン・フンスーがそれぞれ演じた。
2002年製作/106分/アイルランド・イギリス合作
原題:In America
配給:20世紀フォックス映画
スタッフ・キャスト
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2023年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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どちらも可愛い。
妹はもうなんとも言えない無邪気な可愛らしさ。
お姉ちゃんは無邪気さはないけれど、目で演技するところが素晴らしい。
歌もすごくよかった。
(とはいえ、あのチョイスは…?好きだからいいけど)
もうこの2人の可愛らしさだけで星4つである。
最小限の荷物を載せてアメリカに。
車があるだけマシか?
部屋は劣悪。
それでも子供と奥さんを養えるのだから、アメリカンドリームを夢見てやってくる人が後をたたないのも納得かも。
もちろん苦労はしてるけれど。
医療費もマテオのおかげで完済したけど、そうでなかったら…??
想像すると怖い。
フランキーがいつも家族の誰かの心の中にいる。
生まれたのか女の子でよかった…と思ってしまった。
NYにやってきたアイリッシュ家族の貧しいながらもひたすら生きる姿を淡々と描いています。
ハラハラ、ヒリヒリするような危なっかしい話もしばしば登場して、それなりのサスペンスも感じますが、半自叙伝だけに極めて優しく撮っています。
幼い娘の立場からの語り口が成功しましたね。
でも、「アイリッシュ」と聞いて何らかのイメージを持つアメリカ人は日本人と異なる印象を持つはずです。去年の「ベルファスト」みたように。
2019年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
アメリカの貧困層の現実を移民の目から上手く描いた作品だ。実際の姉妹を配役として起用していることもリアリティを増している。『E.T.』を見事にストーリーの中に取り入れて、奇跡に対する信心深さもテーマとしていたようだ。
物語は10歳の娘クリスティンの目を通して描かれるのだが、「三つの願いごと」を奇跡のごとく扱って一家を幸せに導いていく。三つの願いごとというテーマ自体は古典落語や小説の中で語り尽くされているが、本作品でも二つ目までは"しまった!と思わせるくらいどうでもいいこと"に使われてしまう。「さてさて、3つ目の願いは何かな~?」と観客を想像させ、結局はハートフルな映画のため通俗的な欲を排除してしまう手法で観客の涙腺を緩ませてくれた。実際、3つ目の願いが、子供の命、マテオの命、病院の支払、どれに来るんだ~?とドキドキさせられた(笑)。
レイトショーのため映画館では一人でした。「デスペラード」は思いっきり一緒に唄ったぞ!(歌詞があやふやだったけど・・・)
見所は、オンボロクーラーを運ぶジョニーの姿。「矢でも鉄砲でも持ってこ~い!」て感じで、交通ルールを全く無視です。タクシーの運転手のシーンはデ・ニーロとかぶってしまった。
2018年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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売れない俳優とその家族の再生の物語を監督であり脚本家である子どもの視線から描いた自伝的作品。娘二人が天使のように可愛い。
長男を失った悲しみを引きずる夫婦。死んだ弟に3つの願いを教えられた姉。家族4人で流れ着いた古いアパートメントには叫ぶ男が住んでいた。ハロウィンの日、心を閉ざし暴力的な生活を続けながら絵を描く男のもとを訪ねる姉妹。心の優しい彼に次第に家族付き合いをするようになるが男は重い病気を患っていた。
時を同じくして妻に命が宿る。しかしその命は身重の妻の命も揺るがす危険性があった。堕胎を進める医者の説得に反し命がけで出産を望む妻。入院費さえ払えぬ日々の中ついに新しい命が生まれる。
心の優しい男は死んでしまうのだが彼は家族の入院費の支払いも済ませていた。別れの挨拶をしないで死んでしまった彼が星になって手を振っているよ。そう妹に声をかける姉と父。手を振りながら死んでしまった弟の名を呼ぶ妹に父は涙する。息子の死を受け入れ癒される家族。後味のよいハッピーエンディング。
この映画が素晴らしかったのは姉妹の自然な演技や家族の絆、無償の愛を実践する男の姿もさることながら幼すぎる姉が語り部になっていることにあると思う。アメリカへの入国時、ぬいぐるみの賭け事、新しい命の誕生。家族の重要な局面で願い事を使う彼女。ほんの小さな彼女が全力で家族を支えていた。私が守ってきたんだから。その告白を聞いて涙する父。
実際に魔法のような願い事が真実かどうかはどうでもいい。この映画がファンタジックな優しさを持ちながらも単なるファンタジーではないリアリティーを持っていたのはこの語り部の視点の妙だと思う。
本当に魔法が効いたのか。子どもの思い込みなのか。真実はもっと深いところにある。彼女が家族を全身で支えていたことに違いはないのだから。そのことがわかるから鑑賞者はこのファンタジーに素直に涙できるんだと思う。いやあよかった。