劇場公開日 2005年3月12日

カナリアのレビュー・感想・評価

全6件を表示

5.0これは戦争なんだ

2024年11月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ヘリの轟音に身を潜め、少年は空を睨みつける。逃れるためではなく、何かを掴むために。その眼差しは、彼が既に知ってしまった世界の残酷さと向き合っていることを物語る。
濃い霧の中、手探りで寄り添おうとするレズビアンのカップル。愛を信じて進もうとする彼女たちもまた、残酷な社会と自らの心に潜む闇とぶつかり合う。その姿は、目に見えぬ戦争に抗うように見える。

神の子としての加護がなくとも、私たちは誰かが与えた価値ではなく、自分自身が選ぶ“私”を見つけなければならない。その過程には痛みもあるが、それが生きることの真実であると、この映画は訴えかけてくる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
エライ

4.0子供は親を選べへんのや!親は子供を選べるんか?!

2022年11月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

オウムへ親に連れられて出家した子供と親にDV受けてる子供
世の中に居場所がない辛さをこれでもかと訴えてくる
居てもいい家がある事
働ける事
誰かに寄り添える事
何となくそれがある人が大半だと思うのだけど
この子達は違った

頼りなかった少年が「生きる」事を選んだ時に強くなった

コメントする (0件)
共感した! 1件)
風花

4.5オウムじゃなくてカナリア

2019年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

テーマが素晴らしい。カルト教団に残された子供のその後。
こーゆー人たちは間違いなくいた訳で、
光一の母の実家に帰るシーンがあって、その家の惨状を見ると、
教団は解体して実社会に復帰しようと思っても、
世間の目は恐ろしく冷たく、
結果後継団体に戻ってしまうのも頷ける。
でも子供には選択肢は少なすぎる。
ましてや光一は別に教義に執着がある訳ではなく、
ただ、母と暮らしたい、という思いだけで、
その母は教団の事件の首謀者として逃亡中。
(あの、ワーク、ってやつでしょうな)
とりあえず妹の行方もしれず、ただ東京へ向かうしかなかった。

その道中ひょんな事で知り合う由希。
12歳にして母もおらず、すでに援助交際で稼ぐ術を知る少女。
由希は家族に絶望していたが、拠り所が欲しかった。
たまたま助けてくれた光一についていく事で、
新しい未来が見えると思っていた。

この二人のロードムービーだが、東京にはすんなり着く。
合間に入ってくるのは、光一家族の教団での風景。
「尊師様」と呼んでいるが、尊師は出てこず、
子供施設の教団幹部に西島秀俊が登場。
光一は入団当初から反発したが、母に会える事を信じて耐える。
そもそも母がなぜ入会したか、も語られるが、
完全にマインドコントロールされて入った様子。

その西島ら元信者たちと東京で出くわし、母の情報を探る二人。
ここでの数日の二人は平和で良かったですねー。
おばあちゃんとの折紙のやりとりとか、仕事してる姿とか。

そしていざ妹を取り返そうと祖父の家への道中、
ニュースで母の情報を知る事になるが、
このTVを見た定食屋での行動とか、
由希が金策のために乗った車に光一がした行動とか、
ラストの祖父の家での行動とか、
完全に犯罪なんだけど不問なんですよ。
定食屋と車の件では見てる人も多いので完全にアウトです。
祖父の家での事は祖父次第なのでいいが、
光一はなんであんな姿になってるの?
(一瞬、双子の弟が登場かと思った)
しかもそれについて由希すら不問なの?

そーゆーツッコミどころや、無駄に長回しなシーンとか、
2時間超える程ではない内容でしたが、
社会から黙殺されてる存在に焦点を当てたテーマを、
既に10年前に作られていて、今やっと見られた事に感謝。
「オウム事件」の記憶が鮮明な人ほど楽しめる作品です。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
クリストフ

3.0谷村美月

2019年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 援助交際で金を稼ごうとしていた少女ユキと知り合い、二人で関西から東京へと旅に出る。途中で知り合った、レズっぽい2人の女性(りょう、つぐみ)。この2人がとても印象的。ボーっと眺めていた光一と由希の表情も最高だ。前半はロードムービーの基本を踏襲しながら、少年の閉ざされた心と、生きがいを見つけるために行動を起こす少女のやりとり。万引きは盗まれた痛みがやがて自分に振りかかるといった宗教的観念が抜けない光一。しかも夜になると御経を唱えたり、頭に触ると怒り出す習慣が抜け切らない。

 徐々に少年の心が変化していくかと思っていたが、マインドコントロールがどこか拭い落とせない。元信者たちと出会ったときにも、自分という存在を教えられる。親から生まれた子どもではあるが、アイデンティティは自ら作り上げなければならないこと。これには母、祖母と亡くしてしまった由希の方が切実な問題だった。もっと彼女が少年に対して人生を教えるような展開が欲しかったように思う。

 『害虫』のときのようにテンポがいいわけでなく、目の見えないおばあさんが鶴を折るシーンに代表されるようにじっくりと見せる手法が多かった。テーマもいいけど、視点がバラバラなのも気になるところで、実際、由希の心情に共感してしまう箇所が多かったかもしれない。ラストは衝撃的でもあるけど、ロードムービーの結末としてはもうちょっと・・・

コメントする (0件)
共感した! 2件)
kossy

3.5遠いようで納得できた

2017年8月12日
Androidアプリから投稿

オウムという誰もが知ってる事件を、外部からのニュース・事件としてではなく、渦中の人間に沿った物語としてうつしだそうとしている。

教団の奇異さを十分に描きながら、それを生み出しているのは人間であり、社会であると説明づけているように感じた。

登場人物同士の繋がり方を見せるような演出がなされていて、ワンシーンごとおもしろかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
12x5

3.5親に捨てられた子シリーズの

2016年12月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

「ヒミズ」
染谷将太と二階堂ふみに並ぶ演技力
二人ともまだ役者というより子役
12年前の作品

日藝生による「宗教映画祭」にて

オウム真理教の事件に基づく
母親と一緒に入信した兄妹は母親とは離され生活、その後児相に…
そこからまたお祖父さんに妹だけ引き取られ
兄は児相を逃げ出す
そこからのロードムービー、相方は谷村美月

コメントする (0件)
共感した! 0件)
mamagamasako