めぐりあう時間たち

ALLTIME BEST

劇場公開日:2003年5月17日

解説・あらすじ

バージニア・ウルフの名作小説「ダロウェイ夫人」をモチーフに、異なる時代に生きる3人の女性がそれぞれ迎える運命の1日を描いた文芸ドラマ。「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー監督がマイケル・カニンガムの同名小説を原作にメガホンをとり、ニコール・キッドマン、メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーアが主人公の3人の女性を演じた。1923年、心の病を抱えロンドン郊外で療養生活を送る作家バージニア・ウルフは、新作「ダロウェイ夫人」の執筆を進めていた。1951年、ロサンゼルスで暮らす妊娠中の主婦ローラは、理想の妻や母親であることに疲れ果ててしまう。2001年、ニューヨークの編集者クラリッサは、余命わずかな友人の作家リチャードのためにパーティを開こうとする。キッドマンが特殊メイク姿でウルフを熱演し、2003年・第75回アカデミー賞で主演女優賞を受賞。第53回ベルリン国際映画祭では主演3人が銀熊賞(女優賞)に輝いた。

2002年製作/115分/アメリカ
原題または英題:The Hours
配給:アスミック・エース、松竹
劇場公開日:2003年5月17日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第27回 日本アカデミー賞(2004年)

ノミネート

外国作品賞  

第60回 ゴールデングローブ賞(2003年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) ニコール・キッドマン

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) メリル・ストリープ
最優秀助演男優賞 エド・ハリス
最優秀監督賞 スティーブン・ダルドリー
最優秀脚本賞 デビッド・ヘア
最優秀作曲賞 フィリップ・グラス
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映画評論

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映画レビュー

5.0 凄い映画

2025年10月12日
iPhoneアプリから投稿

語彙がなくて凄いしか言えないのがもどかしい。
メリル・ストリープも、ニコール・キッドマンも、ジュリアン・ムーアも、みんな凄かった。

病気の妻のために生活と人生を捨ててまで田舎に移り住んだのに、あんなに大声で自己主張したあと、間髪入れずに「じゃあロンドンに帰ろう」と言ってくれた夫がいて、ヴァージニア・ウルフがうらやましい。
病気のせいなのか?あんなに偏屈であんな面倒くさそうな女を愛し、そばに居続けてくれる夫がいるなんて、どんな僥倖…

愛してくれる夫と子がいて、世間的に満たされてると思われるのに、辛くて逃げたいローラ・ブラウン

あんなに幼くても母の言動に敏感で、自殺をやめて戻った母に「I love you 」と言える子に育ったリチャードが、

若くして出会えた、共に人生最良のときを過ごせた愛する女を「ダロウェイ夫人」と呼んで閉じ込め、彼女の人生を圧迫し続けることになる皮肉というか…

そんなクラリッサは、苦しみながらもリチャードに寄り添い続け、彼の作品を肯定して、生活も支えている。

傷付けても愛される人たち、ヴァージニアウルフ、リチャード
苦しんでもがいても生きる人たち、ヴァージニアの夫、クラリッサ
己の業に正直に生き、報いを受けたまま生きるローラブラウン

リチャードは、両親が不仲だったわけでもなく、おそらく虐待なども受けていないだろうが、幼いころ彼の存在を丸ごと受けとめ愛してくれる人に恵まれなかったと思う。父は母に盲目で、母は自分で精一杯で。
リチャード自身に何も落ち度はないのに、愛されなかった弊害は、リチャードに降りかかる。
毒親を持った子が背負わされる理不尽。
でも彼はクラリッサに大切にされた。

人工受精で授かったクラリッサの娘は、聡明で優しい。彼女が愛する人と幸せに生きられますように。

色々考えさせられて、まとまらない。

とても深くて、凄い物語。

2002年公開らしいが、そのとき母と観に行った記憶がある。母のチョイスだろう。
そのときはむずかしい映画だなと思った(それ以外に感じ取ることができなかった)記憶がある。
母は何を思ってこの映画を観たいと思ったのだろう。

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くー

3.5 それしかなかった

2025年7月18日
iPhoneアプリから投稿
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4.5 すっかり魅了されました 【バラの映画】

2025年5月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

知的

1923年、小説『ダロウェイ夫人』を書く女バージニア、1951年『ダロウェイ夫人』を読む女ローラ、2001年『ダロウェイ夫人』と呼ばれる女クラリッサ。
それぞれの場所でパーティーを開く女達の「その日」が、絡み合うように描かれます。

死の気配がまとわり付く女達の苛立ちや悲しみ、決断の行方を、大女優達のしっかりした演技で観せてくれました。
良い妻・母を演じ続けるローラが特に痛々しく、心に残りました。

それなりに歳を重ねた今、出会えたことを感謝したい作品です。

とっつき難そうで、長年ちょっと忘れた振りしてました。
そういう訳で、観終わってから激しくも美しいバージニア・ウルフを誰が演じているのか知って、もうね、ビックリ。
凄いものです。アカデミー賞でしたね、忘れすぎ、失礼しました。

❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿ ❀ ✿

〜バラポイント(加筆)〜
死の気配の傍らには、これでもかとバラの花が。
香りにむせ返るようです。

【バラの映画】
2015年、広島県福山市の市政100年の際、映画館を中心に集まった有志で、市花に因み小冊子〚バラの映画100選〛を編みました。
皆でバラに注目して観まくり、探しました。楽しい時間でした。
若い方から「ゴジラ対ビオランテ」が紹介され大拍手!

2025年、世界バラ会議に因んで、私選のバラ映画10を紹介します(一部レビュー加筆)。
アフリカの女王/アンタッチャブル/エド・ウッド/ゴーン・ガール/素晴らしき哉、人生!/ダ・ヴィンチ・コード/Dolls/プリティ・ウーマン/めぐりあう時間たち/めまい

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グッドラック

4.5 時間軸が何十年も前後する巧みな構成。交差しない一日。3人の女性の生きざま。

2025年5月13日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD
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共感した! 8件)
琥珀糖