ターミナル(2004) : 特集
フランスにいた、そして日本にもいた「空港男」
編集部

■Case2 マイケル・オ・マミィン@成田空港
元祖「空港男」がフランス・シャルル・ド・ゴール空港で生活を始めてから10年ほど経ったころ、日本にも「空港男」が現れたことがあるという。調べてみたところ、この男性はカナダ国籍のナイジェリア人マイケル・オ・マミィンさん(38歳)で、98年の5月28日にカナダ・トロントからの片道航空券で成田空港の第1ターミナルに到着。その後、約90日間の滞在許可を得て、第1ターミナルの待合室で生活したそうだ。
そんなマイケルさんには元祖「空港男」のメーランさんとは違って、映画のような立派な理由があった。それは「友人を待っているから」というものだった。カナダから来た彼は「日本で同じ故郷のナイジェリア人の友人と待ち合わせて、その足で祖国のナイジェリアに帰ろうと思っていた」と語っていたが、友人とは連絡が取れず、何日も過ごすうちに所持金も尽き、食事もままなならない状況に追い込まれた。そんな彼に、空港の職員が弁当を差し入れたり、シャワーを特別に使用させてあげたりして便宜を図ったそうだ。

結局、マイケルさんの友人は現れず、5月28日から90日過ぎた98年8月27日に東京入国管理局の職員が彼を拘留、その後ナイジェリアではなくカナダへ強制送還されたそうだ。
成田空港でのこういったケースは、過去26年の歴史でマイケルさんのケースただ1回だけだという。