スーパーマン リターンズ : インタビュー
「X-MEN」シリーズを成功させたブライアン・シンガー監督が、「X-MEN」最新作を蹴って監督した「スーパーマン・リターンズ」。もともと「スーパーマン」の大ファンだったというシンガー監督がプロモーションのために来日し、本作にこめたこだわりを語った。(聞き手:編集部)
ブライアン・シンガー監督インタビュー
「ブランドンは中西部の素朴さと、落ち着いた雰囲気の両方を持っていたんだ」
――「スーパーマン」との出会いを教えて下さい。
「テレビの再放送で観たのが最初かな。それで、『スーパーマン』の映画を撮りたいと思ったのは3~4年前だね。78年のリチャード・ドナー監督による映画版を観たときは、まさか自分が『スーパーマン』を撮ることになろうとは想像もしていなかったよ。ドナー監督による『スーパーマン』はいわゆるクラシックで、大好きな映画なんだよ」
――最終的には「スーパーマンVSバットマン」を撮るつもりと聞きましたが?
「それは違うんだ。確かに、3~4年前に『スーパーマンVSバットマン』の企画を話し合ったことはあって、僕はどっちがヒーローになるんだろうと考えたこともあったよ。まあ、正義と悪をどちらかに分けるとなるとやはりスーパーマンが正義の味方で、バットマンが悪役になるのだろうけども、バットマンが敵となると、酷い悪役として描くことはできないだろ? バットマンもやっぱりヒーローだからね(笑)。今のところ、この企画の映画化は考えてないよ」
――マーロン・ブランドを再びこの映画で起用していましたが、前シリーズでレックス・ルーサーを演じたジーン・ハックマンを起用しようとはしなかったのですか?
「今回のブランドの起用は、彼が劇中でも、現実の世界でも故人だからであって、僕としては自然な選択だったんだ。レックス・ルーサーの場合は、ケビン以外に考えられなかったよ。10年前『ユージュアル・サスペクツ』で彼と一緒に仕事をして、彼のサディスティックなところに注目していたんだ」
――そのケビン・スペイシーとの10年ぶりの仕事はいかがでしたか?
「10年ぶりだったけど、まったく時の流れを感じなかった。撮影の途中で、彼がやってきて、馬鹿話をしながら大笑いをして、何事もなかったかのように撮影したんだ。まるで95年にいるような、奇妙な経験だったね(笑)」
――ブランドン・ラウスを新スーパーマンに起用した理由は?
「とにかく無名の俳優がほしかったんだ。スーパーマンというのは、どんなに有名なハリウッド俳優以上に、有名なキャラクターだからね。それに、スパイダーマンやバットマンとは違って、スーパーマンはむきだしになっている“顔”がキャラクター形成の上でとても重要だったんだ。ブランドンは中西部出身の素朴な雰囲気と、“鋼鉄の男”が持っているべき落ち着いた雰囲気の両方を持っていたんだ」
――今回は回転ドアではなく、エレベーターの中での変身でしたね。
「特に理由はないんだけど、クラーク・ケントが片腕を挙げて、飛び上がると同時にクラークの服や靴がパラパラと下に落ちて、スーパーマンになる。あのイメージが、僕はクールだと思ったからなんだ。それだけのことだよ(笑)」
――新シリーズでは、ロイス・レインの子供が登場しましたが、続編にも登場させますか?
「彼はまた出てくると思うよ。スーパーマンの格好はさせないけどね(笑)」