「傷だらけの正義の味方」スパイダーマン3 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
傷だらけの正義の味方
総合:85点
ストーリー: 80
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 90
音楽: 65
スパイダーマンのシリーズ3作の中で一番良い作品。親友と戦い殺し合わざる得ない苦悩や恋人とのすれ違いなど、主人公は単純に正義の味方に集中するというにはその前に受け止めなければならないことが多いのだ。
主人公は多忙を極め苦労もありつつも充実した日々を過ごす。しかしそのような中で心が乱れて精神を蝕まれる。スパイダーマンが黒い生物に精神を支配されるのも象徴的であり、誰でもある程度の地位にあるものは何かしらの義務や責任のために精神的な重圧や心の傷を負うものなのだということを示しているように思える。彼はそのような中で自分の心の中の悪とも戦いつつ悪役とも戦わなければならない。
また悪役のサンドマンも実は単純な悪ではない。彼にも彼なりの事情があり、やっつければいいという存在ではない。親友との友情や誤解も主人公の心をかき乱す。そしてその親友の最終的な行動が悲しみを誘う。
結局スパイダーマンは心も体も傷つきながら、それでも自分の信じる道を生きる。その痛々しい姿に正義の味方への喝采というだけでなく、人としての共感を呼ぶ。
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