劇場公開日 2007年5月1日

スパイダーマン3 : インタビュー

2007年5月1日更新

毎回、演技派俳優が悪役に扮し、物語に厚みを与えているのが「スパイダーマン」シリーズの見どころのひとつ。「3」で初登場する悪役、ヴェノムことエディ・ブロックと、サンドマンことフリント・マルコをそれぞれ演じたトファー・グレイスとトーマス・ヘイデン・チャーチにインタビューを敢行した。まずは、これまでの悪役の中でも、最も純粋な“ワル”とも言えるヴェノムを演じたトファー・グレイスに聞いた。(聞き手:佐藤睦雄)

トファー・グレイス インタビュー
「初めての悪役だったけど、何でもありで楽しく演じられたよ」

トファー・グレイス
トファー・グレイス

――一番好きな原作のエピソードは?

「自分が演じたからというわけではないんだけど、ヴェノムが大好きなんだ。80年代後半、僕はコミックにハマっていた。子供心に彼のキャラクターはとても魅力的だったんだ。だから、この役を演じることが出来て本当に嬉しかったよ」

――ヴェノムを演じることが決まってからキャスティングの発表までに、誰かにそのことを話したいと思ったことはありませんでしたか?

「『ザット'70sショー』に出演していた頃の友だちに『スパイダーマン』シリーズの大ファンがいて、その彼と両親にだけは話したんだ。ひとりにでも打ち明けたら、気持ちも収まって、完璧に秘密を守ることが出来た(笑)」

――悪役を演じるにあたって気をつけた点はありますか? また、悪役の魅力は?

「『1』と『2』が素晴らしい作品だっただけに、責任感は強く感じたね。それまで悪役を経験したことがなく、どこまで現実性を持たせられるのかという不安もあったけど、ヴェノムという何でもありの性格を持った役柄だっただけに、楽しく演じきることが出来たよ。それに、やっぱり観客も悪役が好きなんだと思うね。僕自身も『バットマン』のジャック・ニコルソンやジム・キャリー、前作のアルフレッド・モリーナが好きだ。だから、この映画を見た人たちだって、トファー・グレースが悪い人間だなんて思うこともないと思うよ(笑)」

――撮影中、苦労したところは?

「アクションも大変だったけど、衣装にも苦労したな。着るのに1時間、メイクに4時間。10時にスタンバイする日であれば、4時には現場に到着しなくてはいけなかった。そして、撮影が始まればワイヤーに吊るされるわ、スパイダーマンにボコボコにされるわ……」

サム・ライミ監督と打ち合わせ中のトファー・グレイス
サム・ライミ監督と打ち合わせ中のトファー・グレイス

――サム・ライミ監督との仕事は初めてでしたが、いかがでしたか?

「俳優の能力を引き出し、これだけ多くのキャラクターが登場する大作のキャストをまとめあげることの出来る素晴らしいディレクターだと思ったよ」

――ヴェノムには邪悪な心を助長させる能力がありますが、ご自身の中で最も邪悪な部分はどこですか? また、ヴェノムのような力を身につけたらどうしますか?

「ああ、僕はワルいよ。なんせ人を殺したこともあるしね……いや、嘘だけどね(笑)。わりと優等生タイプの人間だったから、面白くないんだよ。逆に(ヴェノムの)スーツを着て、邪悪な部分を発見したいな(笑)。ヴェノムのような力を得たとしても、自分が求めている力は物理的なものじゃないからね。人を傷つけたりはしないよ」

画像3

――演じたエディ・ブロックの行動については普段の自分と比較してどう思われますか?

「俳優としては、自分と異なる性格の役柄でも演じきらないといけないからね。でも、僕自身は何かに煽られて、俳優の頂点に立ちたいというような欲望が生まれることはない。エディのようにはならないと思うし、そういうことに対しては落ち着いていられる性格なんだ。自分が情熱を感じることにしっかりと向き合いたいし、短い期間のうちだけ凄く楽しい人生より、僕はつまらない性格でも大丈夫な人生を大切にしたいと思ってる」

――今後の出演作や、共演してみたい俳優、一緒に仕事をしたい監督は?

「実は、つい最近、映画をプロデュースしたんだ。大変な作業だったから、今後も頻繁に製作にまわるということはないと思う。映画は08年に公開予定で『キッズ・イン・アメリカ』という80年代を舞台にした物語だよ。よく働いたから、この後(プレミアで世界を回った後)はタヒチで休日を楽しむ予定なんだ(笑)。仕事してみたい監督については、ロバート・ゼメキス、ギレルモ・デル・トロ、ポール・トーマス・アンダーソンとはいつか一緒にやってみたいね。あとは女優だと、ハル・ベリーかな(笑)」

Warning!!!!! 以下の質疑は若干のネタバレを含みます。映画をご覧になってからお読みください!

――ブラック・スパイダーマンとなったピーター・パーカーは「サタデー・ナイト・フィーバー」ばりにダンスを踊ったりしていましたが、トファーさん自身は出番や見せ場の少なさに悔しく思ったりしませんでしたか?

「僕は踊りが下手だからね(笑)。でも、ピーターは普段の彼より黒く変身してからのほうが何の気後れもなく好きなことをやれて、本当に楽しそうだったよね」

インタビュー2 ~トーマス・ヘイデン・チャーチ インタビュー

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