シン・シティのレビュー・感想・評価
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髪の毛フサフサのブルース・ウィリス
全編モノクロをベースにパートカラーを加えた映画。トレイラーやカンヌレポートなどによって、ヴェールはかなり剥がされていたが、大スクリーンで観るとやはり迫力に圧倒される。原作者でもあるフランク・ミラーとロドリゲスの作品に対する夢と情熱が上手い具合に絡み合って、人気俳優たちも自然と集まってきた。
本来ならばオムニバスのような構成なのですが、タランティーノも絡んでいるので、『パルプフィクション』のように時系列を無視した三つのエピソードの再構築と、ジョシュ・ハートネットのプロローグとエピローグによって、映画全体を引き締める。共通項はストリップ・バーの“ケイディ”「俺もワルだけど、おめーらもワルよのぉ」とでも言いたげな三人三様の表情がお見事!バーを一旦離れると、シン・シティに潜む“悪”はどこまでいってもなくならない、正義なんて存在しないんだという世界観が胸に突き刺さるように感じてしまう・・・狭心症になっちゃいそうだ。
俳優に関しては予習をしていかなかったためオープニングのクレジットを見るだけで、覚えきれないほど有名俳優の多さに驚いてしまった。まず、ミッキー・ロークのメイクアップは信じられないほどの迫力。これには、体だけマイケル・クラーク・ダンカンを合成してあるのかと疑ってしまいました。そして、ベニチオ・デル・トロだっていつもと違う雰囲気だし、イライジャ・ウッドにいたっては眼鏡の白さだけが目立っていたし・・・俳優をコミックの世界に溶け込ませている手腕にも魅せられてしまった。男優陣では、ブルース・ウィリスが久しぶりにいい演技をしていたように思う。もう、タラ・ロドコンビとずっと行動を共にすればいいのに・・・
注目していたのは、もちろん女優陣。殺人兵器ミホ役のデヴォン・青木のアクションとナンシー役のジェシカ・アルバにはもうめろめろ状態です。続編も3作目も作られるようだけど、彼女たちはまた登場するのだろうか。ちょっと楽しみ。
この映画は好き嫌いがはっきり分かれる映画です。実際、何人か途中退場してました。残虐、グロ、人の死や痛みを全くわからない奴らばかりが登場するのです。暴力をスタイリッシュに描くことなんて許されません。子供には見せたくありません。有名俳優たちが出演していなかったら観なかったかもしれません。だけど、ちょっと好き・・・俳優のおかげ。
【2005年映画館にて】
これは物凄い傑作だ。
犯罪都市シン・シティを舞台に、自分が抱いた高級娼婦が殺され、その双子の姉とともに戦う強面の大男、元カノとともに娼婦街を守るために戦う男、かつて助けた少女に魔の手が忍び寄ると知り、再度助けようとする元刑事の奮闘を描く。
基本モノクロで、一見3人の男を描いたオムニバス形式だが、相互のエピソードに繋がりが見られる。残酷さやエロい描写があるため、日本ではR15+指定。
退廃と恐怖に満ちた犯罪都市を舞台に、ベタな台詞とぶっ飛んだバイオレンスが怒涛の如く続き、こんなにもダークな世界を、ダイナミックに生き生きと活写した、一大クライム・アクションだ。
大変豪華なキャスト陣の熱演も素晴らしい。恐ろしくエネルギッシュなアクションだ。グラフィックノベルの世界をそのままに実写映画化し、暗い画面の怖い話を、鮮やかなまでに精力的に描き切った傑作だ。
欲望の街 "シン・シティ" へようこそ‼️
まるでフランクミラーの原作コミックの誌面が、そのまま動き出したかのような完璧な映像化‼️まず物語としては、権力者の息子である連続殺人犯から少女ナンシーを救ったものの、逆に逮捕されたハーディガン刑事は、出所後に成長したナンシーと再会‼️一夜を共にした娼婦が殺され、復讐に燃える前科者マーヴ‼️悪徳警官と対決するドワイト‼️この3つのエピソードがオムニバス的に展開します‼️シャープで陰影に富んだモノクロ映像がホントに美しい‼️そして女性のドレスや口紅、スニーカー、スポーツカーの車体など、ポイントだけ色付けされたパートカラーが斬新‼️やはり黒澤明監督の「天国と地獄」だな、サスガ‼️手足は切断され、血しぶきが舞い、首が飛ぶ‼️銃や刀を使ったバイオレンスアクションや残酷描写のオンパレードなんですが、前述のモノクロ映像と、流れる血がミルクのように真っ白に表現されているため、不思議と残酷度は薄めで美しくすらある‼️その純粋無垢なキャラとは裏腹なダンスっぷりに、目が釘付けになるナンシー役のジェシカ・アルバ、顔じゅう傷だらけのミッキー・ロークや、眼鏡のレンズが白く光り、凄まじい戦闘技術を披露するイライジャ・ウッドら、原作のキャラになりきった俳優さんたちの熱演・怪演も素晴らしい‼️特に娼婦街の女用心棒・ミホに扮したデウォン青木がスゴい‼️そのクールビューティーな佇まいで、日本刀の二刀流と手裏剣と弓矢を駆使し、超人的な身体能力で次々と悪党どもを惨殺する様は、ホント戦闘マシーンと呼ぶにふさわしい大活躍‼️彼女のスピンオフを是非観たかった‼️もう少し3つのエピソードが複雑にシンクロする様を観たかった気はするのですが、アメコミ原作のフィルムノワールの傑作をものにしたロバート・ロドリゲス監督に拍手‼️
【“罪の街”で行われる様々な残虐行為をモノクロをベースとしたアーティスティックな映像で魅せる作品。バイオレンス、SM、カニバリズムなど禁忌的な要素を交えながらも映像により見応えある作品にしている。】
ー 今作は、オープニングと三つの連関する掌編とエンディングで構成されている。-
■オープニングでは、一人の美女に対し近づく男(ジョシュ・ハートネット)が感情をサイレンサーで撃ち殺し、”報酬を貰わなければ・・。”と呟くセンスあるシーンが描かれる。
その後、EP1では屈強な肉体と醜い傷跡を持つ前科者・マーヴ(ミッキー・ローク)が愛した娼婦ゴールディ(ジェイミー・キング)を殺された恨みを晴らし、最後は電気椅子で処刑される様を描き、
EP2では、悪を尽くしたドワイト(クライヴ・オーウェン)が整形し、シン・シティに戻り娼婦である恋人ナンシー(ジェシカ・アルバ)と、潜入刑事ジャッキー・ボーイ(ベネチオ・デル・トロ)と対峙する姿をグロテスクに描き、
EP3では、オープニング後描かれた幼女連続殺人犯を追う刑事・ハーディガン(ブルース・ウィリス)が、ナンシー(ジェシカ・アルバ)を町の権力者ロアーク卿の息子であるジュニアから助ける姿を描くが、その後の展開が描かれる。
そして、エンディングでは再びオープニングの男が現れ、EP2で娼婦たちを裏切った女に狙いを定めるシーンで終わる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・バイオレンス、SM、カニバリズムなど禁忌的な要素を盛り込みながらも、罪の街で行われる様々な残虐な行為をモノクロをベースとしたアーティスティックな映像が、独特な世界観を作り上げている。
・それは、モノクロの中での血の赤や、手術で生き永らえた醜いジュニアの黄色であったり、場合によっては鮮血を白で描いている所に映像的なセンスを感じる。
・出演する女優陣達も、エロティックなコスチュームで魅せる人が多いが、そうでない方も多数存在する。一番はハーディガンにより幼き時に救出された、ジェシカ・アルバ演じるナンシーである。
<それにしても、このハード・バイオレンス映画に良くもマア、これだけの当時のハリウッドを代表する役者を集めたモノである。
特に資料を見て、吃驚したのがマーヴを演じたミッキー・ロークである。あれだけ変形していると分からないよ・・。
次に、ロアーク卿を演じたルトガー・ハウアー。分からなかったなあ。
更に、潜入刑事でありながら可なりの悪徳振りを発揮したジャッキー・ボーイを演じたベネチオ・デル・トロである。
ハッキリ言って、分かった人は凄いと思う。
それにしても、ベネチオ・デル・トロ、良くあの役を引き受けたなあ。>
愛する女を命をかけて守る男たち
EPISODE1:ハード グッバイ
大男マーヴの娼婦への愛情がすさまじい。演ずるはミッキー・ロークですが、昔のイケメン俳優とは程遠い醜い大男役でしたが、非常に良い役で適役と思います。
びっくり配役はイライジャ・ウッドですが、異常殺人者の役を演じています。殺した女性を食べたあげく、首を記念に展示する鬼畜っぷり。マーヴからの殺されっぷりもエグい。
復讐は果たしたが刑務所で死刑を待つマーヴに再び暖かな愛が訪れ、死んでいく彼の脳裏に浮かぶ幸せな一夜が印象的な物語でした。
一夜の愛をくれた女のために命かける!
「復讐という愛」
EPISODE2:ビッグ ファット キル
エピソード1からの重苦しさから一転、女性ばかりの街という華やかさがある物語です。セクシーな中に、狂気で危険な香りが漂よう娼婦達による駆け引きと、戦いっぷりが見どころでした。特にデヴォン青木演じる無表情殺人兵器ミホの日本刀の切れ味に感動すら覚えるほどでした。
窮地に追い込まれる娼婦達と昔の女を頼り巻き込まれていくドワイトの関係性が非常に面白かったのですが、3つのエピソードほ中では一番印象には残らないストレートなエンディングになっている気がします。
愛した女を守るために命かける!
「守るという愛」
EPISODE3:イエロー バスタード
これは、やられた!!!何にかって?それは、ヒロインのナンシー役を演じるジェシカ・アルバの綺麗さそして色っぽさです!ナンシーが愛する、老刑事ハーティガンを演ずるブルース・ウィリスの役もすばらしく合います。おじさんなのに、シブイ!シブスギます!
本エピソードからは、今までは白黒映像の中で色は赤のみでしたが、黄色が頻繁に混ざってきます。黄色は悪役の色であり、ハーティガンがナンシーを助けた事件の犯人ロアーク・ジュニア(イエローバスタード)であります。ロアークは醜く変貌した姿で、美しいナンシーと相反するがごとく、黄色が醜く汚らしく映るのです。
ラストでハーディガンが選んだ、ナンシーを守る一つのための方法が悲しすぎました。
自分を慕う女のため命をかける!
「叶わない愛」
以上の3つのエピソードで構成される本作ですが、最後には全てのエピソードがリンクしてきます。愛する女性を守る男という点でも共通であり、不器用な男の愛の形を見せてくれました。
フィルム・ノワール
アメコミを映像化することだけを考えるとこうなるのか?
先ずはストーリーがメガトン級にワケわかりません。
少しはわかる、ではなく全くわからない。
わかる人もいる、ではなく誰もわからない。
というくらいストーリーは破綻の極みですので、お話重視の人は観ない方がいいです。
あらすじ読んでから観た方がいいかも。もともとストーリーなんて破綻してるんだからネタバレもなにもないです。
ただ、アメリカンコミックの世界を忠実に映像化する、ということだけに特化しているので、それ以外のことはすべて犠牲にしています。この映像感、色彩感、カット、コマ割りが好みに合う人だけが評価する作品です。
グロいという人がたくさんいますが、グロではなくギャグです。失笑を禁じえ倍ほどバカバカしいシーンの連続です。
映像のこだわりが裏目に出た作品
ベイシン・シティ
漫画を読む速度そのままなテンポ良く進む物語展開と斬新な映像のLOOKがセンス良過ぎ、単純明快さが逆に気分爽快でスッキリさせてくれる。
エロ親父臭を醸しながらも哀愁漂う渋いブルース・ウィリスとバケモノ的大男ミッキー・ロークの無敵さが格好良く、笑かしてくれる下衆さ加減で好演のベニチオ・デル・トロ、赤いオールスターが映えるモノクロの中で随所に使われる色が面白い。
監督のクレジットにもフランク・ミラーの名がある分、グラフィックノベルとしてアメコミの世界観そのままに、ロドリゲスましてやタランティーノが雰囲気を壊さず見事に作り上げた感が満載。
役者選びが細い所まで相変わらず最高な人選をするロバート・ロドリゲス。
生涯最高傑作(公開当時、初観賞後の気持ち)
まず予告編のあの曲が最高でした、わかってくれる方きっといるはずです(笑)! それから全編通しての映像美です、ハマってしまった、わかってくれる方きっといるはずです(笑)! ラストでハーティガンが自ら命を絶つシーンの切なさ・・・わかってくれる方きっといるはずです(笑)! 女性達の美しさや露出(笑)、そしてカーラ・グギーノのヌードに衝撃(もちろんいい意味で)、わかってくれる方きっといるはずです(笑)!
DVD200円ゲットシリーズ。何だこの不思議な世界観は。なるほどア...
センスが光る作品。
かまいたちの夜のようなサウンドノベル、逆転裁判みたいなビジュアルノベルをさらに発展させたとても贅沢な紙芝居を見てる印象です。ストーリーは単調で、映像技術もシンプルだけど、なんでか目が話せなかったです。NHKのビジュアル紙芝居をなぜかずっと見てしまう現象と同じですね(笑)
今までに見たことないグラフィックノベルということで、発想はおもしろいです。白黒画面の中で、一色だけ色が映す映像も印象的でした。ただ、映画としてはちょっと物足りないですかね。DVDとして家で見るにはちょうどいい感じですね。マーヴ、ドワイト、ハーディガンの3人のストーリーが最後にクロスしたらもっとおもしろかったけど、単純にオムニバスだったのが、ちょっと残念でした。
ナンシー役のジェシカ・アルバがキレイでした!イライジャ・ウッドのケビンはホントに怖かったです(笑)
映像表現が絶品!好みにハマれば最高な映画
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