サイドウェイのレビュー・感想・評価
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世知辛さ
日本版も観てみようかな
前半半分くらいまでは本当に面白くて、恋と友情と人生の再生を描いていくんだなと思っていた。いや、それであってはいる。
しかし、水曜日になったあたりから少々だれてきて、気がつけば、もう少しスッキリ気持ちよくさせてくれないだろうかと不満に感じてしまった。
物語が始まってトラブルがあってエンディングをむかえるストーリー構成は当然あるべきものだが、トラブルの部分がちょっとやりすぎに感じて、こんなに修復不可能なほど追い込まなくてもいいのではないかと考えてしまう。
今回は原作があるのでなんとも言えないけれど、アレクサンダー・ペイン監督の作風でもあるから仕方ないんだけどね。
ペイン監督は、暖かみのあるハートウォーミング系に感じる映像とふわふわしたストーリーが特徴だと思う。それにプラスして人生は最良を掴めることは少ないという変にリアル志向なところがある人だ。
僅かな幸せを掴むだけのリアルさがウケている監督なのは理解できるから、ただ単に私には合わない人なのかなと思う。
物語がどん底から始まって僅かな幸せを掴むのなら受け入れられるけれど、ペイン監督は作品内で更に落としてくるんだよね。始まりの段階である程度落ちているキャラクターに対してだよ。もうそんなにいじめないであげてと悲しい気持ちになるんだよね。
ただまあ、結局最後はちょっと暖かい気持ちになれるのだけど。
ノックで始まり、ノックで終わる映画
離婚して傷心のバツイチ男・マイルスが、結婚する親友・ジャックと共にワイン三昧の旅を続ける過程を通して、再生していく物語。最初は別れた奥さんに未練タラタラのマイルスのダメ男っぷりが際立っていて、別れた奥さんが再婚すると知って大暴れしたり、自作の小説が出版されなくなったことを知りまたまた大暴れ、そして別れた奥さんが妊娠していることを知り、今度は落ち込む。妙に共感できるキャラクターなのですが、そんなマイルスも自分と同じワイン通であるマヤと出会う事で成長していく。このマイルスの人間的成長がワインが熟成していく過程に喩えられているわけです。特にマイルスとマヤがポーチで語り合うシーンで、ワインにも銘柄によって気難しかったり、繊細だったり、人間と同じでいろんな性格がある。ワインによっては熟成したてがいいのもあれば、ちょっと熟成し過ぎがおいしいのもある。なんか人間の人格というか人間性にも当てはまるみたいで深く考えさせられました。でも堅苦しい物語ではなく相方のジャックの描写も含め、ユーモアと温もりたっぷりに描かれているのでヒジョーに面白く観れると思います。そして全編に流れるジャズ音楽も、ワインを飲むというちょっとオシャレな感覚を映画全体に彩る事に貢献していて秀逸でした。
不誠実なワイン愛好家
主人公は平気で嘘をつくし、運転しながらクロスワードパズルをしたりワインを飲む、おまけに年老いた母親から金をくすねる、なぜ、これほどモラルに掛けた中年親父が主人公なのか?
終盤になって教室のシーンで教師とわかり唖然とした。
別に聖人君子の映画を求めるほど野暮ではないつもりだが、冒頭からこれみよがしに主人公の欠点をあげつらってみせて監督は観客にどうしてほしいのか、あなたと同じダメ男ですよと惹きこみたかったのでしょうか・・。
ストーリーは、いい年をした中年親父二人が独身最後のワインとSEX三昧の週末旅行を愉しむという、これまた、どうでもいい話、アメリカではこういうバチュラー文化が根付いているのかしら。
せめて、まだ分別の効かない若者とか、主人公か友人のどちらかに好感とまで行かずとも共感を持てれば観ていられるのだろうが、残念ながら関わりたくもない誠実さに欠けた二人でした。
数々の賞を獲った作品なので劣った映画ではないことは確かなのでしょうが作家性が強すぎてついていけませんでした。
ワイナリー
独身最後の旅ということで女をナンパすることしか考えていないジャック。マイルスは彼のためにワインの良さを教えたいのに・・・離婚して落ち込んでいるマイルスに対してジャックは女をあてがおうと考えていた。
マイルスの馴染みの店のマヤとワインについて語り、なんとなくいい雰囲気になる。「下り坂のワインが好き」というマヤ。しかし、マイルスは離婚したヴィクトリアに電話などして、結局何もできない。
一方のジャックは結婚間近だというのにやりたい放題。結婚することを隠してマヤの友達といい仲になるもんだから、鼻を折られるほど殴られる・・・次に迫った女は旦那が帰ってきて指輪の入った財布を置き忘れるなど、ハチャメチャ。偽装工作のために車をわざとぶつけたりして、なんとか結婚式を迎えるが、マイルスはすっきりしない。
マヤに小説を渡したおかげで彼らだけは上手くいきそうな余韻を残してくれるけど、やっぱりワインのように熟成させて、じっくり愛を育てたいもの。笑わせていただきました。
「『昨日の次の日』・・」「つまり・・『今日』ね?」
引っ込み思案でイジけた性格で、正反対の性格の親友に振り回されたり、いざ自分で行動に出たら空回りしたり、マイルズに共感しちゃいました。 お酒を飲めなくてもすごく面白かったです! ロードムービーとしても楽しめます! アレクサンダー・ペイン監督作で1番好きです(^-^) 何だかんだ親友として愛し合っているマイルズとジャックも微笑ましい! 最後に、マヤがまだあの家にいますように(^-^)
シュヴァルブラン1961年
ワイナリーに勤めていた頃、片っ端からワイン・ムービーを楽しみ、その中で出会った1本でした。
珍道中の男たちの情けなさには爆笑です。映倫さんもこの可笑しみに免じて目をつぶってくれたのですね(笑)
心寄せる女性に心中を告白出来ない いじけたバツイチ教師マイルスが、あろうことか抜栓してファーストフード店内でがぶ飲みしてしまうのは、一生一度の取って置き=シュヴァルブランの1961年物です!
僕は声も出ずに叫んでしまいましたよ。
自暴自棄にも程があります。なんという無駄遣いを。汗汗。
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【ワイン解説】
シュヴァルブラン
このワインは、ボルドー産1級の中でも特異な性格を持ちます。
つまり、他の1級が数種類のブドウをブレンドしてその味わいをプロデュースするのと異なり、シュヴァルブランは「フラン」という品種=普段は主役のカベルネ・ソーヴィニヨンの陰に隠れてブレンド用ブドウとして引き立て役とされている“控え目で穏やかなブドウ”=を、舞台の中央に立たせて、ピン芸人の主役としてスポットライトを当てた。そういうワインなのです。
「脇役であり続けたキャラクターを脱ぎ捨てて、誰の助けも求めずに、自分自身であなたの良さをアピールしなさい」
というワイン。
協調ではなく独走。
油彩ではなく、墨絵。
それがシュヴァルブランです。
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ワインの楽しみと人生の冒険がとてもいい具合にアッサンブラージュ(ブレンド)された佳作だと思います。
原題「サイドウェイ」は、横道や側道にそれること。
⇒DVDを 早送り❱❱ すると、その題名を何気なくスクリーン上にしっかり表現していることが判りますからやってみて下さい。
上空からの定点観測で、同じY字路を彼らの車が行ったり来たり、右往左往していることが一目瞭然です。撮影の小技です。あれは新しい恋に踏み出せないマイルスの右往左往。
柄でなくても、自分のスタイルでははなくても、思い切って「脇道」にそれてみて、そこで発見する新しい人生というものも有るのだと、観終わってしみじみ思わされました。
僕が勤め先のワイナリーを辞するとき、尊敬する工場長がご馳走してくれたのがその思い出のシュヴァルブランでしたね・・
♪ ♪ ♪
ワインの美味しさは知っていますが、新しい恋の味は知りません
バツイチきりんのレビュー。
酔い心地抜群の映画でした。
イマイチだったらしい
けっして低い評価をつけたわけではなく、星2.5は普通ということです。でも、普通のなかでも明らかな普通というのは印象がいまいちなのです。
しかし、ワインのうんちく、あれだけ全編に押し出してきたわりに展開にかかわってこないとは。雄弁なだけに構成のちぐはぐさが際立つ。
終盤に向けての一連の流れもいたって普通。
こう書いているとわかってきたが、どうもイマイチだったらしい。
ワインが飲めなくても
飲酒運転バリバリ
無駄な時などない
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