劇場公開日 2004年8月7日

リディック : 特集

2004年8月13日更新

「リディック」は、00年にヴィン・ディーゼルが同役で出演した「ピッチブラック」の続編的作品。もちろん、「リディック」単体でも楽しめる作りにはなっているが、「ピッチブラック」や「リディック・アニメーテッド」といった関連作品を究めれば、その背後には壮大な世界が横たわっていることに気がつくはずだ。ここでは、そんな「リディック」ワールドを楽しむために、関連作品を徹底解説! 読み終わったらクイズ「Repeat Riddick」にも挑戦してみよう。

「リディック」ワールド攻略法

鷲巣義明

■リディックの全ての始まり――「ピッチブラック」

「ピッチブラック」 (発売:松竹/価格:4935円)
「ピッチブラック」 (発売:松竹/価格:4935円)

リディックが初登場する「ピッチプラック」(00)は、「リディック」本編より遡ること5年前、未知の惑星を舞台に人間と狂暴なエイリアン群との戦いを描いたSFアクション・スリラーで、極悪犯罪人というリディックのキャラクターや、きめ細かな惑星の環境描写、パトリック・タトポロス(「GODZILLA/ゴジラ」「アイ,ロボット」)がデザインした魅力的なクリーチャーなどが見どころだ。そして、「リディック」にも登場するイマムや、(女でいるよりも男装していた方が危険が少ないという理由で)少年になりすましていたキーラ(男装時の名前はジャック)との出会いが描かれている。

さらに、監督デビッド・トゥーヒーの宗教に対する不信感が、神を信じないリディックに投影されており、信心深いイマムが神を信じていても危機的状況では、何ら意味も効果もないことをどことなく示唆している。また、殺人クリーチャーの頭部が十字状になっているのは、まさに死の十字軍団といったところで、トゥーヒーはキリスト教徒が行った「十字軍」による遠征の、勢力と利益を拡大するためという動機に大きな疑問を抱き、その宗教への恐怖と不信感は「リディック」で更に強調されることになる。

ちなみに「ピッチブラック」の一部の映像は、「リディック」の中でも回想シーンに用いられている。

■ビジュアル・アートによるアクションが炸裂――「リディック・アニメーテッド」

「リディック・アニメーテッド」 (発売:ユニバーサル・ ピクチャーズ・ジャパン /価格:2940円)
「リディック・アニメーテッド」 (発売:ユニバーサル・ ピクチャーズ・ジャパン /価格:2940円)

「ピッチブラック」のラストで、リディック、イマム、ジャック(キーラ)の3人が乗った宇宙艇が、不気味な大型宇宙船に捕獲されるところから始まるのが「リディック・アニメーテッド」(04)だ。監督はMTVのTVアニメ「イーオン・フラックス」(シャーリーズ・セロン主演の実写版が05年公開予定)で注目され、「アニマトリックス」の一編「マトリキュレーテッド」も手掛けたピーター・チョン。

本作で注目すべきは、緻密な作画と華麗な美術による特異なアート性にあるが、その一方で、リディックがイマムとジャックを助けようと、不気味な生命体や巨大バイオ・ロボットと死闘を繰り広げるなど、見せ場が相次ぎ、娯楽性も充分追求している。そして、「リディック」に登場した賞金稼ぎのトゥームズが登場したり、実写版イマムの細かな仕草を再現してみたり、リディックがフューリア人の犯罪者のフリーズ像に目を留めたりと、「リディック」への布石もばっちりだ。

ストーリーはデビッド・トゥーヒーが務め、リディック、イマム、ジャック(キーラ)、賞金稼ぎトゥームズの声は、映画に出演した俳優があてている。

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