マッチポイントのレビュー・感想・評価
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【”罪と罰。運に左右される人生は不安だ・・。”冒頭のテニスのラリーのコードボールのシーンと再後半の愚かしく身勝手な男が、自分の行為を隠すために放り投げた老女の金の指輪のシーンの対比が見事な作品。】
■高級テニスクラブのコーチになった元プロテニス選手のクリスは、そこで大企業の令嬢クロエと出会いトントン拍子で結婚。
彼女の父が経営する会社に入り、社会的地位を獲得する。
しかし一方で、クロエの兄の恋人ノラ(スカーレット・ヨハンソン)に一目惚れした彼は彼女に魅了され、関係を切れずにいた。
◆感想
・人間としては、身勝手なクリスのノラ及び何の罪もないノラの隣人の老婆に対する殺人行為は当然の如く、許し難い。
・普通は、”クリスの犯罪が暴かれて彼は人生の破滅する。”というパターンだと思うが、ウディ・アレン監督はそこを敢えて、クリスの強運故に殺人罪を逃れるというラストの設定にした事が実にシニカルビターである。
・クリスは、妻に念願の子が出来ても一人、憂鬱な顔をしている。
ー そりゃ、そーだ。-
<クリスは一生、自身が犯した罪の意識に苛まれながら生きていくのであろう。
ある意味、彼の人生は外面から見ると幸せなのかもしれないが、彼自身は死ぬまで地獄を見ながら過ごすのであろうな、と思ったウディ・アレン監督のシニカルビターな作品。
作品構成は見事であると思う。>
観たかった度△鑑賞後の満足度◎ ニューヨークが舞台の映画がマンネリ化していたウディ・アレンが心機一転ロンドンを舞台に演出力が衰えていない事を証明した久々の傑作。人の世の皮肉を炙り出す視点も健在。
①冒頭のテニスコートのネットに当たったボールが向こうに落ちたら自分の勝ち、此方に落ちたら相手の負け、という映像を見せておいて、クリスが投げたリングが川岸の欄干に当たって此方に落ちたからクリスの負け、と観客をミスリードする脚本は巧い。
②エンタメ志向の人には、「勧善懲悪ではない」「悪事が最後に暴露されて破滅しない」等でスッキリしないだろうと思う。
ただ、悪が罰せられない、必ずしも勧善懲悪とはならない、というのも世の中の真実ではあるので、こういう映画もあって然るべきだとは思う。
③我が愛する『チャイナタウン』もそうだが、ハッピーエンド或いは勧善懲悪で終わらないアメリカ映画はホラーを除いてアメリカ映画の本道から外れていると言えるのかも。
そういう意味で、ウディ・アレンがアメリカでこういう映画を撮らなかったこと、新天地ヨーロッパで初めて撮った映画がこういう内容だったということを考え会わせると面白い。
どんでん返し系と思っていたが、そうではなかった。 ただ、最後までど...
どんでん返し系と思っていたが、そうではなかった。
ただ、最後までどうなるか分からなかったし、中途半端などんでん返しをするくらいならこの結末で良かったかな。
ラストは姉が出てきたんやと思ったけど。
指輪を拾ったやつがジャンキーでさらにまたすぐ殺されるという偶然。
でも、こんな偶然が続くこともあるんやろなと。
今回はこの結末になったが、ちょっとでも何か変われば全く違う結末になるやろう。
捕まらなかったのが長い目で見て幸せかは分からんが。
とにかく浮気した主人公が浅はかでアホなんだな。。。
ウディ・アレンの映画好きですか?
私は身勝手な男が喋りまくって身勝手な結末に至り、全く反省しないので嫌いです。
それでも初期作品は何かを失う切なさはあったけれど…
「マッチ・ポイント」なんてスカーレット・ヨハンソンを金持ちの彼女と二股した挙句、妊婦のスカーレット・ヨハンソンを殺して金持ちの彼女と結婚してハッピーエンドになる結末。
HBOの作った全4話のドキュメンタリーはウディ・アレンがミア・ファローの養女ディラン当時7歳に性的虐待した事件を、家族を守るために沈黙していたミア・ファローと大人になった被害者であるディランを中心にミアの子供達、担当刑事や心理学者、ジャーナリストなどにインタビューを取り、膨大にある事件資料とホームビデオで肉付けした作品。
「ローズマリーの赤ちゃん」でお腹に悪魔の子を宿したミア・ファローは子供のいる家庭に、誰もが認めるアメリカトップの映画作家のウディ・アレンという悪魔を招き入れてしまう。
その関係は10年以上も続き、ウディ・アレンがミア・ファローの養女スン・イーと結婚することで終わる。
これを見たら裁判を傍聴した元ニューズウィークの記者のようにウディ・アレンの映画を観られなくなる。
この作品はゴールデングローブ賞で、ウディ・アレン監督主演作の「アニー・ホール」でアカデミー賞を取ったダイアン・キートンをはじめエマ・ストーンのウディ・アレンを称えるスピーチを聞いた被害者のディランが声をあげた事で始まった。
今のハリウッドはやっとウディ・アレンを締め出し始めたけれど事件があったのは30年近くも前の事。
先日撮影中に実弾入りの銃を撃って撮影監督が死亡し、監督が怪我をする事件を起こしたアレックス・ボールドウィンをはじめとしてダイアン・キートンやスカーレット・ヨハンソンなどまだウディ・アレンを擁護する声もある。
インタビューの後半で出て来るミア・ファローのウディ・アレンへの恐怖心はDV被害者と共通するものがある。
作品の中でも示されているが性的虐待被害が虚偽の割合いは全体の2%〜8%だという。
自分にとって何の得もないから。
作品と人格は別という人もいるかも知れない。
でも7歳の子供に性的虐待した人をあなたは家庭に招き入れますか?
あんなにグイグイ行くものなのか 玉の輿を一発でおじゃんにする義兄に...
あんなにグイグイ行くものなのか
玉の輿を一発でおじゃんにする義兄になる予定の彼女に。
引き返せ馬鹿者と憤りつつも、自身の若かりし頃に照らし合わせ、後の面倒事など
吹き飛んでしまうのだろうと同情したり。
しかし、浮気が常態化したあたりで破滅しろと願っていたのは自分だけでは無いはず。
ノラの気持ちが完全にこちらに向き、子供まで授かってしまってから事の重大さに気付く
主人公にもはや同情はできなった。
後はお決まりの死んでもらうしかないという発想になるわけだがラストは破滅することなく
尻切れトンボのような結末、後は視聴者の想像に任せるというわけだ。
物語に引き込まれとても楽しめた。
是非とも次回は怨霊ホラーとして続編を望みたい
そうきたか…
野心家の元テニスプレイヤークリスをジョナサン・リース=マイヤーズが、女優志望のセクシーな女性ノラをスカーレット・ヨハンソンが演じる。
上流階級の面々で交わされる会話、その暮らしぶりが興味深い。
終盤から息を呑む展開に。手ぬるい捜査が気になりましたが(笑)ラストが意外でした👀
スカーレット・ヨハンソン、小柄なんですね。知りませんでした。
テレ東を録画にて鑑賞 (吹替版)
ほんとにあった!世界マル秘衝撃ミステリーの豪華版
っていうか、胸糞…。
午後ロー(※テレ東 午後のロードショー)だからラストがカットされた、なんてことはないんだよね?これがオチなんだよね?
ウディ・アレン。アニー・ホールやマジックインムーンライトはけっこう好きなんだけど、、なんかあの厭世的な教授が主人公のやつと、ケイト・ブランシェットのブルー・ジャスミン、カフェソサエティ?っていう雰囲気がお洒落なだけの映画、その辺はあまり、、。
でもどれも、これよりはマシかな。これが一番ひどい。
スカヨハの魔性の女っぷりをセリフだけじゃなくて・・・
スカヨハのエロチックサスペンスというテレビ(j:com)の見出しに釣られて観賞。うーん、テニスや卓球のネットインと運河に投げ棄てた指輪が欄干の手すりに当たって跳ね返ったのを掛けた話し。やや強引なモチーフで観念的。運だけで済ませられる話しじゃないと思うんですけどねぇ。
ウッディ・アレン監督作品なのね。なるほど。
スカヨハの唐突な登場は室内卓球場面。白いワンピース姿が素敵。ロンドンにやって来たアメリカ南部出身の女優の卵の役。アイルランド人のプロテニスプレイヤーが引退して、ロンドンで素人相手のテニスコーチを始めたら、コーチした男の妹と仲良くなって、お父さんに気に入られ、娘婿になり、トントン拍子に大会社の重役になっていくが、もともと二股かけてたスカヨハと泥沼になり、他人を巻き込んで、強盗を装った殺人を犯すが、跳ね返った老婆の指輪をたまたま拾った薬の売人が別件で捕まり、すんでのところで警察に起訴されないで、仮面夫婦を装って、セレブ生活を続けましたというゲスな話。アイルランド人や南部出身のアメリカ人に対する偏見も匂う。おじいちゃんだから仕方ない?
スカヨハが私は魔性の女なの。とか、男にとっては特別な女なのよ。とか自分からいう余裕こいたセリフが最初からあって、へぇ~、相当イカれてると思った。
泥沼場面では、ワガママだったけど、まあ、あの状況だとまあ普通じゃないのと思ってしまいました。けっこう可愛いじゃん。
オレ、当事者じゃないからね~お気楽。
J:COM字幕版鑑賞。番組案内はエロティックサスペンス…見るしかな...
J:COM字幕版鑑賞。番組案内はエロティックサスペンス…見るしかない。
せっかく乗った逆玉、惚れてくれてる嫁もまずまず可愛い。なのに何の不満が…
よりによって義兄の婚約者に…もちろん非難されるべき。しかし、しかしだなぁ、なぜか同情してしまう。スカヨハ、魅力的、官能的すぎる。これに抵抗できる奴はもはや男ではないかも(笑)
さあ、どうなるこの結末、なかなかに衝撃的だ。いいのか?言っておこう、最強(凶)の運の持ち主(笑)
魅惑的な唇にやられちゃいました
ロンドンに拠点を移してからの映画はオチにこだわりすぎているような気がするウディ・アレン。彼の映画だと知らずに観ていたら、多分つまらないんじゃないかとも思えるストーリー展開なのですが、イギリス上流階級をさらりと皮肉ってみたり、逆にアメリカ人をも皮肉ってるようであったり、嫌味に感じない程度の平凡な流れ。上流階級の人間が観客をも小ばかにしたような態度にはムカムカとしてくるはずなのに、ウディ・アレンの映画だと思えばこそのめり込むことができました。
設定はどうあれ、浮気していた相手が妊娠してしまったため、悩んだ末に殺意を抱くといったよくあるパターンで、中盤以降はドストエフスキーの「罪と罰」をモチーフにした心理サスペンスの展開となってくる。しかも衝動殺人ではなく、用意周到に計画したクリフ(ジョナサン・リース・メイヤーズ)はノラ(スカーレット・ヨハンソン)の隣人に住む老婆をまず殺害してしまうのです。この終盤の展開が案外とスピーディに描かれていたため、罪の意識に苛まれ苦悩するといったシーンが短めなのがいい。逆に序盤が長すぎたようにも感じたのですが、ウディ・アレンがスカーレット・ヨハンソンに惚れこんでいたためなのでしょう・・・
完全に見落としていると思うのですが、オペラや小説など、伏線がいっぱいあったのでしょう。だけど、ドストエフスキーと意外なオチがわかりやすいので、誰もが楽しめる作品になっていると思います。ただ、リングが欄干にぶつかり宙に舞うショットは『ロード・オブ・ザ・リング』かと思ったのですが、これは違うのでしょうね(教えてください)。クリスが一生罪を背負っていくのか、成功者となるのか・・・議論の余地も残してくれたことも素敵な映画かと思います。
【2006年10月映画館にて】
映画史に残るクズ男
映画の中で、無数のクズ男を見てきたが、
そういうクズ男はだいたい、脇役か悪役だ。
主人公でこれほどクズ男は見たことがない。
「危険な情事」のMダグラスが聖人に思えてくるほど。
ストーリーも演出も演技も完璧。
一切の無駄のない展開。
ある意味「映画の完成形」と言える作品だと思う。
秀逸。指輪が川に落ちなかった瞬間誰もがクリス終わったなと思うはず。...
秀逸。指輪が川に落ちなかった瞬間誰もがクリス終わったなと思うはず。ところがどっこい。そこで思い出される冒頭のシーン。
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