ケスのレビュー・感想・評価
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【貧しい少年が、鷹の幼鳥を育て始め生き甲斐を感じ始めた時に起きた現実の非情さ。厳しい現実をリアリズム溢れるトーンで描くことを信条とするケン・ローチ監督の萌芽を感じさせる作品。】
ー ビリーは毎朝、6時に起き新聞配達をしながら、学校に通う。母も日々働き、兄ジャドも炭鉱夫として働く日々。そんな兄の唯一の愉しみは馬券を買う事だった・・。- ◆感想 ・貧しい日々、周囲からも揶揄されながら学校生活を過ごすビリー。そんな彼が、ある日、偶然鷹の幼鳥を見つけ、古本屋から鷹の飼い方を記した本を万引きし、少年鷹匠の如く、ケスと名付けた鷹を飼育していく。 ・ビリーが皆の前で、鷹の飼い方について説明するシーン。皆の知らない単語を黒板に書きながら、鷹の世話について生き生きと説明するビリーの表情。 - 一人の先生は、わざわざビリーがケスを飼っている小屋を訪れる。- ・ビリーの生きがいにもなっていたケス。だが、。ケスの食料を飼うために兄ジャドから渡された馬券のお金を使いこんでしまい・・。 <サッカー好きのケン・ローチならではの、サッカー好きの先生によるは”えこひいき”サッカーシーンは面白く。 そして、それまで学校の友達たちから揶揄されていた、やせっぽちのビリーが鷹の世話について淀みなく話すシーンから、友達たちのビリーを見る眼が変わるのであるが・・。 ビリーの愉しみが、一瞬にして消え去るシーンは切ない。 彼が、ケスを見つけ土に埋めるシーン。 厳しい現実をリアリズム溢れるシーンで描くことを信条とするケン・ローチの、その後の社会派作品の秀作を数々世に出してきた萌芽を感じさせる作品である。>
救いのない少年の姿にケン・ローチらしい社会の矛盾への強い怒りを感じる
映画 『ケス』 の感想をブログに上げました。 『巨匠を観る』企画、9作目(全27作)の映画です。 監督:ケン・ローチ 制作年:1969年 制作国:イギリス 【あらすじ】 イギリスの炭鉱町で暮らす少年(中学生?)ビリー。 家は貧しく、体も小さく身なりも汚い。 学校でも教師から疎まれる日々を送る中で、森の中でハヤブサのヒナと出会い育て始める。 ハヤブサと少年の交流を描きながら、大人へと成長していく少年の鬱屈した思いを描く。 【感想】 この当時のイギリスの労働者層の現実も描きながら、救いのない少年の姿にケン・ローチらしい社会の矛盾への強い怒りを感じる作品でした。 個人的に映画の中でケン・ローチの声を代弁する声が少年だとなかなか感情移入し辛く、他の作品ほど入れ込めなかったというのが少し残念でした。 ※※※※※ ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。 興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。 ※※※※※
やっと観られた
ケンローチ監督の古い作品でも、観られる喜びをかみしめている。 しかし、ひどいなぁ。 校長も家族も学校も社会も本当に「ひでぇ!」の一言だけど、ハヤブサ(鷹じゃないんだね)を訓練する姿には頑張れ!と言いたくなる。 唯一話を聞いてくれた教師がいてよかったよ。 まぁ、割と突拍子もなく展開するので、ついていけないところもあったけど。 少年はその後どんな人生を送ったんだろうか。 劇中も実生活でも。 監督、最近も社会に対する怒りを作品にぶつけてらっしゃるけど、相当辛い思いをなさったのか?
なぜこんなに強くなれるのだろう。
Kes ケス(1069年)ケン ローチ監督 南ヨークシャーの炭鉱町に住むビリーキャスパーは友達がいなく勉強も好きじゃなく、お兄さんともうまくいかない. 校長やサッカーコーチから体罰を受け、クラスの仲間からはいじめられ。この中で、彼は友達を見つける。事実である友達(ケスという)との話が、皆を感心させる。しかし、、 問題のある家庭、学校での体罰、いじめのなかで、彼はなぜこんなに強くなれるのだろう。
60年代の映画とは思わなかった。
この映画を見たのは96年くらいだったと思うが、60年代の映画とは思わなかった。 私の記憶が確かならば、六本木のシネヴィヴァンで見たように思う。 シネヴィヴァンでやる映画はとても魅力的で、一生懸命に学校をサボって出かけていたのを覚えている。 少年とハヤブサ(記憶では鷹だと思っていた)との交流を描いた作品で、ハヤブサの自由に緑の草原を飛ぶ姿やそこにいる少年の姿がとても昔のモノとは思えなかった。 現代でもイギリスという国は、もしかしたらこんなに素敵な場所なんじゃないかと思わせるほどの作品だった。 それですらもう20年近く前の話だ。この映画の生まれたのは69年。 それから25年前後前の話。 ケン・ローチという人の才能に舌を巻かざるを得ない。
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