「レクターとクラリスの描き方」ハンニバル 明烏さんの映画レビュー(感想・評価)
レクターとクラリスの描き方
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『羊たちの沈黙』は原作からしてサスペンス要素の強い作品で、アンソニー・ホプキンス卿のハマり具合とジョディ・フォスターの演技、そして素晴らしい演出で傑作だと思っているのだけど、後日譚とされる本作はかなり消化不良。
リドリー・スコット監督は映像を“観せる”事にかけては超一流だと思うのだけど、レクターやクラリスという人物の内面描写に重きが置かれたこの作品の映像化においては最適な人選だったのかどうか。
原作でのレクターの“記憶の宮殿”や、クラリスとの関係性の深まり等の描写がおざなりにされた本作は『羊たちの沈黙』の登場人物が引き続き出て来るスピンオフ的な位置づけと捉えても支障がない程。
前作での面白さの一つとして、クラリスがレクターとの超えてはならない一線を踏み越えてしまう“危うさ”のスリルがあるが、その危うい関係の先を描いたのが『ハンニバル』なんだけどな。
ただレクターという犯罪者を追うサスペンスになってしまっている。残念。
本作のハイライトでもある脳を食べるシーンもねぇ、、、。
あまり書くと原作のネタバレにもなりかねないですが、このシリーズが好きな人にはこの作品だけは原作を読む事を強くお勧めします。
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