劇場公開日 2005年3月19日

「サブキャラクター」エターナル・サンシャイン Editing Tell Usさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5サブキャラクター

2018年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

難しい

ミシェル・ゴンドリー監督、チャーリー・カウフマン脚本の作品。

この作品をご覧になった人にとっては、複雑なストーリーラインでわかりにくいという感想もあるかと思います。
この作品は、主人公のジョエルが彼女との記憶を消そうとするが、その記憶の中で潜在的に記憶が消えることに抵抗していくため、時間軸が逆に進んで行くことが混乱する原因になりますね。

集中してみれば、クレメンタインの髪の色などで時間軸について行くことは可能なので、集中して見てくださいね!

私がこの作品を見てすごいなと思ったのは、記憶削除の手術を行う医者のキャラクターを登場させた脚本です。
メインストーリーはジョエルとクレメンタインの恋愛の記憶を夢の中で辿って進んで行きます。そこだけでも映画は完成させることはできると思います。しかし、そこに夢の外、つまりは現実世界にもう一つのキャラクターの関係性を作り上げることで、この作品をただのSFドラマではなく、よりフィクション要素を薄め現実的なメッセージを伝わってきます。

自分が脚本を書くとなったら、この医者たちのキャラクターを登場させる才能は全くありません。これは映画ならではのオリジナル脚本だから尚更凄みを感じます。

映画はキャラクター。どのキャラクターに感情を投影することができるのか。
私は個人的にキルスティン・ダンスト演じるメアリーに感情を揺さぶられました。ただのビッチな受付嬢かと最初は思いましたが、ハワード博士が登場したところから急にメアリーに人間らしさが見え始め、最終的にこの映画はメアリーの感情を軸として集結していきます。
また、イライジャ・ウッド演じるパトリックもサブキャラクターながら、このストーリーの記憶を消すという設定に縁取りするような役割。ストーリーのアクセントというかトラブルメーカーのような立ち位置ですが、客観的に見てみると一番現実に近いキャラクターなんですね。

マーク・ラファロ演じるスタンのキャラクターというのは、あまり掴みとれなかった感想なのですが、いろいろなものの板挟みになり、その場をやり過ごして行くようなこれまた、我々皆が抱える小さな問題を独立化させたようなキャラクター。どうやったらこんなキャラクター作れるんだろう。。

Eternal Sunshine of the Spotless Mind
とても綺麗なタイトルですね。伝えたいメッセージというものが詩的になった題名は大好きです。見ている途中にも映像的にその言葉を感じられるし、見終わった後にはそれを逐語的に感じ取ることができるからです。

Editing Tell Us