ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー・感想・評価
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絶賛されるのは分かるが、イラついた
息子の目を治すことと、隣人との約束を守ること。
この2つのために、命を差し出す主人公の姿。
たしかに、健気で切ない物語に見える。
鬱展開だ、名作だと話題に事欠かない本作ですが。
前半のドキュメンタリー風カット割が眠気を誘うのと、本筋が粗ありすぎなのと、情動を煽ることに全振りしている脚本とに、イラついて仕方なかったです。
私には、鬱の隣人の自殺願望につき合わされ、殺人犯に仕立て上げられ、実質隣人に殺されたのは悲劇…というよりはご都合な設定としか思えない。
弱者がより弱者を虐げ搾取する話ともとれるし、愚直で頭の悪い主人公が自滅した話ともとれる。
理不尽には理不尽、またはしっかりとした法の力で返すべきであろう。
主人公のお金であることを立証することができるはず。
「現金とっぱらいだと税金を逃れられる=お金の流れが不透明になるほど、1960年代のアメリカの田舎で、移民やホワイトトラッシュたちが勤めるエリアの税務署てやつは無能だったのだろうか?」などと考えてしまう。
自己犠牲が美しいという宗教観があるのだとしたら絶賛されるのかもしれないが、警察も法廷も税務署も無能な時代があったって話にしか思えず。
これは愛なのか?
息子のことを一心に考える母親。
命と引き換えに、費用の工面を考える一途な想い。
でも、「なぜ、子どもを生んだの?」
その答えは、あまりに自分勝手じゃないか?
不思議な世界観のミュージカルと呼んでもよいものかどうか。
そのなかで、カトリーヌ・ドヌーブの演技が光りを放ってました。ゴージャスな役でなくても、その存在感とオーラは凄い。
救いようがないお話といえば
これ。
以前観て、曲はすごくいいんだけど、内容がもう…と。
とにかくひどい。ひどい。ひどいのだ。なんてことを!の連続で。
一度は観るべし。でも、二回観たいとは思わなかったな。
そして視力が衰えた今、ますます観るのが辛くなったかも〜?!
リバイバルなんだ。
もういつ観たのかさえ覚えてないけど、そんなに大昔ではなかったんだ…
素晴らしく辛い映画…
4Kデジタルリマスター版を映画館で鑑賞。
公開から20年以上経っても全く色褪せていないのは、ドキュメンタリーっぽい画質とカメラワークのせい?
残酷なほどまでに救われないストーリーとその中に少しの希望が垣間見えるミュージカルシーンのコントラストが素晴らしく、最初こそ違和感を感じたものの、見終わるときには、それを欲している自分がいました。
こんな映画は見たことないし、後にも先にも出てこないでしょう。
まさに映画史に名を残す大傑作。
久しぶりに見終えた後、呆然となりましたが、この後味もなかなかのものです。
この機会にぜひ映画館で、とお薦めしたいものの、日本公開はこれがラストらしい…
デートムービーではないので、一人で見ることをお薦めします。
約束を守るセルマ 無垢
ブレヒトのお芝居の裏返しなんだと思った。ブレヒトは、観客が感情移入してカタルシスを得てすっきりして劇場を後にすることを阻止すべくいろんなことした。狂言回し役を入れたり、劇中で色々説明したり。そうして社会のことを考えろと、観客に脅しのようにメッセージを送った。この映画は悲しく辛い現実の中のセルマ、そして切ない思いでいっぱいになってしまった観客を音楽で歌でダンスでミュージカルで精一杯、逃避させてくれる、安心させてくれる。こっちにおいで、音があるよ、みんなが一緒にダンスしてくれるよ、大丈夫だよ、と。ビョークの歌声、表情、笑顔、全てが素晴らしかった。カトリーヌ・ドヌーヴ良かった!「シェルブールの雨傘」のリベンジだろうか。心強くて励まされた。胸が張り裂けそうにもなるけれどいい映画。公開時の2000年には絶対に見ることができなかった。今はもう見ることができるし、見ることができてよかった。亡き父を想って。
あんまり適切ではないこと、すみません:
アメリカでは60年代でも絞首刑がおこなわれ親しい人含めて居ることができたんでしょうか。エジソンの関係もあって60年代以前からアメリカでは電気だと思っていました。州によって異なるのでしょうか。いずれにしても辛いです。っていうか日本にはまだ死刑があって絞首刑なんですよね。
好きか嫌いか分からない作品。でもすごい。
(作品全体)
奇人トリアー監督の作品としては2作目の鑑賞。最初にみた「ドッグヴィル」よりは覚悟ができていたため衝撃が薄かったが、普通の映画として軽い気持ちでみてはいけない。レビューは賛否両論あるけど、そもそも万人受けを狙っている作品ではないのでそこも含めて監督の狙い通りという感じがしたした。むしろ、監督は「胸くそな鬱映画だ!」という反応を喜んでいそう。ビョークはこの作品で監督にセクハラを受けていたと告白している。それも含めてこの監督は、撮る過程でも作品の中でも人の感情を弄んでいるようで好きになれない。ただこの映画は間違いなく類稀な才能の産物。みて良かったような悪かったような…間違いなく印象には残る作品。
(映画の中身について)
機材を置かずに撮る独特の手法が生み出すドキュメント感によって、自分もそこにいるかのよう気持ちになった。ミュージカルの演出は、観客をハラハラさせ、登場人物をどんどん追い詰めるため生かされている。ストーリーの構成や次第に追い詰められる登場人物の表現、盲目になっていく主人公を演じるビョークの超人的な演技や歌声が素晴らしかった。特に、終盤で主人公が「赤ちゃんを抱いてみたかった」と言う場面が妙に印象に残っている。母親の自己犠牲的な堅実な生き方を終始見せつつ、結局子どもは親のエゴで生まれるのだという皮肉を見せられて、感情をどう処理していいか分からなくなる。最後のカウントダウンと最後から2番目の曲は思わず涙した。
トラウマ映画の代表格。
二度と観ないし、人にも勧めたくない。
救われなさすぎてホント誰得?な映画。
やたら評価いいけど本当にみんな"良い"と思ったの??
この作品がきっかけで、ハッピーエンドのものしか観たくなくなった。
可哀想だけど、こういう人いるよね
良い人なんだけど、天然というかKYというか、強者の意見にひたすら翻弄され続け、相当な理不尽を強いられているのに怒りを表に出さず、自分が折れることに終始している、皆んなのサンドバッグになりがちな人間。そんな可哀想な人、学校や職場にいませんでしたか?
その人が主役の映画です。
妄想癖の病気映画
主人公のビョーキ含めて全登場人物の行動に整合性が全く無い。
ビョーキの行動は自爆の連続で同情の余地なし。
周りの人間はキレイごとは言うけれど、ビョーキの生死がかかった状況にも銭を用意する発想もない。
ラストシーンも刺激的であるだけで、何のメッセージ性も無い。
不快なだけ。
なんか自己陶酔しがちな意識高い系の方々は喜びそうな映画だけど。
望みがないっ!
こんなにも望みが絶たれるラストシーンは
あまり観たことがありません。
切なすぎます。
セルマの気持ち、分かるけど…
残されたジーンは自分の為に、って一生辛い思いしそう
とても印象に残ったのは
「最後から2番目の曲」です。
私もその気持ち凄く分かります!
毎日を暮らしていく中で、辛いことを忘れさせてくれるひと時が終わってしまう。。。
好きなミュージカルだからこそ最後を知ってて、ハッピーエンドだろうと、やっぱり終わってしまうのが寂しい。。。
最後のシーンにその言葉が重く重く胸に突き刺さりました。(本気泣きです)
本当に悲しいお話しで、好きになりたくない作品です。
でも観てからまだ3日しか経ってないのに
Björkの演じるセルマに会いたくなってしまってます。
とても複雑な気持ち。
セルマのように不器用に生きたくはありません。
けど、セルマのように夢に忠実な生き方は素晴らしいと思います。
頭の中でなら誰だって救われる
極当たり前のことですが、頭の中での空想なら誰だってヒーローで誰だって幸せになれます。ですが、それを実現できる人はいますか?いませんよね。
そもそもの話、頭の中で考えたことを実行にうつせる人は空想しません。その前に具体的な解決策と行動を描いて実行しちゃうので。そういうものです。
この映画の主人公がなぜなにもしないのか?しないのではなく、出来ないのです。そういう人は多いでしょう。私も時おりそういう状況になってもどかしく、そして後悔し無力感に苛まれます。
反論すべきならしろ、嫌なら嫌と言え、逃げたいなら逃げろ、実に一方向的なアドバイスです。なぜしないのか、なぜ出来ないのか、そういう人たちはどういう感情でいるのか。それを改めて考えさせられる映画です。
上手く出来た映画
この映画を見た最初の感想は「なんだよこのクソ映画!」でした。全部悪い方向に進んでいく…といえば聞こえはいいもの、ビルに金を取られてから殺すまでのくだり以外全部自業自得じゃねーか!というか諸悪の根源は見栄のためにリンダに本当の事言わなかったビルじゃねーか!って怒りが止まりませんでした。
でも、客観的に物語としてこの話を見てみると彼女に降りかかる不幸にはセルマのジーンへの愛を際立たせる役割があるんじゃないかと気が付きました。信仰のために殉教する聖人の伝説とかと同じで、自分がいかな不遇、苦痛に遭おうとも息子の為に健気にその境遇に甘んじ死ぬ母の美談というのがこの映画の本筋だと私は感じました。ただこの映画のミソはその重要な本筋である「母であるセルマ」が全体を通して霞みやすいところにあるのではと思います。セルマとジーンが直接会話するシーンって冒頭に集中してる上にかなり少ないんです。しかも大体の場面でセルマはジーンを叱ったり注意したりしている。息子への愛あればこそ厳しく接するのでしょうが、セルマが息子を愛していると周囲に話すシーンは結構あるのに実際に息子と話すシーンでは愛情表現をする描写が殆ど無い。ゆえに見ている我々にはいまいちセルマのジーンへの愛に実感が持てない。その上描写が序盤に偏ってるので、セルマが絞首台に向かう頃にはジーンの顔を思い出せないぐらい印象が薄まってくる。親子愛の美談なのに肝心のセルマのジーンへの愛情を感じられないのは致命的です。だからセルマの献身的な愛よりも社会的弱者が踏みにじられている状況が心に強く残り結末に救いを見いだせなくなる。これがこの映画を見た時の胸糞悪さの原因だと思いました。で、この親子愛の描写の少なさ、恐らくですが意図的に作られたものだと思います。だって終盤明らかにジーンの登場が減るじゃないですか?キャシーが面会に連れてくるとか絞首台にキャシーが来るシーンでワンシーンだけ外にいるジーンを映すとかで観客側にジーンの事を意識させる事はできるわけですよ。それをしなかったのは見た人の大半には単なる美談だと腑に落ちないで欲しかったからじゃないかと思うんです。単に美談で終わらせるなら別に主人公はチェコからの移民じゃなくていいし盲目じゃなくていいし、なんならシングルマザーじゃなくてもいい訳です。移民だからと裁判では冷ややかな目で裁かれ、目が見えないと働き口が見つからないから盲目であることを隠している。セルマは無実だが死刑執行後誰一人真実を知ることは出来ず、親に先立たれたジーンはこれから1人で生きていかなければならない。セルマが社会的弱者だからこそ、救いの無い結末を見終えた観客に移民差別や障害者雇用、死刑制度での冤罪といった問題を意識させることが出来る。この作品は、子への愛の美談を大筋に据えながらあえてその要素を薄くする事で社会問題について我々に問い掛けている、というのが私の見解です。
作品の狙いについて一通り考察したのでミュージカル要素についても軽く触れますが、ミュージカル映画では珍しくミュージカルパートが主人公の想像な訳ですが、この空想によるミュージカルパートが「頼れる親に類もおらず辛い境遇にありながらも息子の為だけに働いている」という想像、共感しにくい存在なセルマと私達観客を繋いでくれています。工場でのミュージカルの時点ではミュージカル好きなセルマの空想、といった感じでしたがビル殺害後からは現状が耐え難いセルマの現実逃避としての側面が強まり、明るく楽しいミュージカルとは裏腹に無情にも好転せず悪くなっていくばかりの現実に絶望するセルマの感情が私達観客にひしひしと伝わってくるいい表現だと感じました。
総評すると、上手く作られていて一枚岩とはいかないよく出来た作品なのですがやっぱりもう二度と見たくないです。特にビルからお金を盗まれるシーンは被害者なのに盗人のように扱われ泣き出すセルマが本当に痛ましいし自己保身しか考えないビルもビルの言う事しか聞かないリンダも腹立たしくて見てられないです。思い出しても嫌な気分になります。でも嫌な気分になるからこそ沢山考えさせられる作品だと思います。
鬱映画だが個人的には最高の映画
感情移入というよりももっと上の次元に感じた。思えば最近の映画はどのようにハッピーエンドで終わらせるかという感じがある。映画館に映画を見にくる人たちは音や映像美を楽しみに来ており、胸糞悪くなるバッドエンドは求めていないのだ。この映画は興行収入を高くする目的で作られたわけではない。見た人に何かを感じさせる映画だということはこの賛否両論のレビューが物語っていると思う。
ただ個人的には国内の暗いニュースから目を背け、すぐ失敗した人をけなすようなワイドショー的番組にチャンネルを切り替えてしまう人や、誰かを誹謗中傷することにとりつかれた一部のsns中毒者にはこの思い内容は耐えられないのかなと思った。(誰かを責めるつもりはありません)
この映画勧めてきた友人に一言
なんでこれ勧めたの?
鬱じゃん、こんなの
どんな気持ちで勧めたの。よく嬉しそうに作品名言えたねぇ。鬱映画勧めるノリじゃ無いでしょ。
セルマの友人が「死刑の時見送りに行く」って言って、セルマが「(死刑執行の様子に)耐えられるなら見に来て」とか言ってたけど、観客からしたら拒否権無いんだよ。見るしかないんだよ。最後まで。
ちょっと期待してたんだよ死刑流れてなんとかなるでしょって、ならないじゃん。これからチャペル風の音楽聞くたびセルマのこと思い出すよ。結婚式で歌が流れてお嫁さん幸せそうだな〜って思いながら、けどセルマは監獄で死ぬ前同じの聴いてたんだよな…って悲しくなるよ。
それにしても警官なんでセルマに撃たせたんだ?最初の一発だけなら生きられるレベルでは?裁判の具合から言ってセルマの負けが確定してるし、セルマに自分を撃たせず、セルマが自分から撃ったことにすれば良いのに…そうすれば命も助かってお金も手に入って win winだったのに…よく分からない…
泣きじゃくった
もう20年前になるだろうか。一人で夜にこの映画をビデオで見ていて、泣きじゃくった記憶がある。横隔膜が自然に痙攣して、あんな鳴き方は、子供の時以来だった。
暗い、見ていて苦しい映画だったが、一生ものの傷跡のように、記憶に残りつづける映画である。
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