ダンサー・イン・ザ・ダークのレビュー・感想・評価
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ビョークが素敵だった
踊ると、楽しくなる。
歌うと、強くなれる。
耳を澄ませば、換気口からだって歌が聞こえる。
そういう女の人が、一生懸命107歩を歩いた物語。
第53回パルムドール受賞。
素晴らしい映画。美しく芸術的な作品。
この映画を絶望的、救いがないと断じるのは浅はかだ。
主人公が死を目前にして歌ったのは「最後から2番目の歌」。劇中でも主人公が語ったように、ミュージカルは最後から2番目の歌で劇場を出てしまえば、終わることはない。彼女の人生は終わったのではない。愛する息子の未来に託されたのである。
主人公の弱々しさや自己中心さに共感できないとの感想もあるが、それも読み違いである。
主人公はひたすらに優しく純粋である。だからこそ、身を賭して彼女を守ろうとする友人が存在するのだ。彼女が法廷で大事なことに口を閉ざすのも、友人との約束を純粋なまでに守ろうとし、そして息子の未来を守り抜こうとするからである。主人公はむしろ強い女性である。
遺伝するのが分かっていながら子どもを産んだのは、ただ自分の子をこの腕に抱きたいという女性としての当たり前の願望からである。それを自己中心的だとする考えには、障害者は子どもを産んではならないという危険な発想が隠れている。主人公は自己中心的ではなく、人として当たり前とも言える感情に身を任せただけなのである。
ミュージカルシーンに違和感を覚える人もいるかも知れないが、このシーンの必要性についても劇中での主人公のセリフによって説明されている。
この明るく楽しいミュージカルシーンは、容赦なく主人公を襲う悲しい現実を、大好きなミュージカルを妄想することによって克服しようとする主人公の心情表現である。この悲しい現実と明るく楽しい妄想のコントラストに、この映画の芸術性が強く表れている。
そして、ホームビデオのような映像表現は、リアリティと緊張感を高め、観る者を物語の中に引き込んでいく。
主人公の美しく、純粋な強さと愛情。
類い稀な芸術的映像表現。
素晴らしい映画だ。
決して、後味の悪い作品ではない。
もう一度と言わず、何度観てもいいと思える作品。
鬱映画と言われているけどそうは思わない。観終わったあとすぐは衝撃で...
鬱映画と言われているけどそうは思わない。観終わったあとすぐは衝撃でぼーっとしてしまうが、その後は今まで感じたことのない気持ちになる。
この映画が何を伝えようとしたのか全くわからないが、それを考える価値がある作品だと思う。
ミュージカルシーンはまさにファンタジーでこれまた映画でしか作れない引力があると思う。観て後悔はしない映画。
悲しいだけではない。
幸福と、絶望と。予想外の展開。突然始まる歌も絶妙。ビョークの才能が光る。悲劇のストーリーの中に、彼女の喜びがある。彼女は命よりも、息子の視力をとった。周りからは理解されないかもしれない。見たいものは全て見た。というのは、本当なのか。違う。だから、子どもに視力を残したかった。
私にはもう見るものは何もない
セルマは正当防衛だと言うのは分かるが、もう少し要領よく出来なかったのだろうか?大事なことを言わなすぎて、結局最後はジーンが辛い思いをすることになる。ミュージカルなら少し救いも欲しかった。モヤモヤする映画だった。
俺にはまだ早すぎた
ミュージカル自体見慣れてないのに、不幸+ミュージカルのコンボはいささか早すぎたのかと。
主人公のヘボさにも呆れてしまい、観ていて苦しかったんですが、そういう感情にさせられる分、観る側に影響を与える映画なんだとは思います。
もう二度と観たくない
社会的弱者をこれほど痛めつける映画があるだろうか
社会の片隅で社会的弱者を食い物にする悪人のニュースが流れるが、、
普通の人がちょっとしたエゴの為に社会的弱者を痛めつける
なんてつらい映画だ
社会の暗部で痛めつけられる弱者が暗闇で遠くの方に小さく小さく光る希望の為に命をおとすなんてつらすぎる
名作だけどもう二度と観たくない
主人公にすごいイライラする。でも、歌がいい。時折入るミュージカルな...
主人公にすごいイライラする。でも、歌がいい。時折入るミュージカルなシーンも現実の鬱屈さとまったく違って、明るくて、いい。それがまた切ない。
とにかく主人公にイライラするんですよね。
悲惨すぎる…沈黙守るなよ!!
超有名作なのに、今まで見れていなかったダンサーインザダーク。京都シネマ名画リレーにて観てきました。会員500円。
観たいとは思いつつも、悲惨であるとの声にびびっていたわけですが、確かに悲惨で、この悲惨さをポジディブに(美しさとか感動として)捉えることができませんでした。
セルマは殆ど目が見えてなくて、最後は完全に失明しているっぽい。
遺伝性の目の病気だから、息子に手術を受けさせたくて必死で倹約・貯金。
だけど隣人で大家で警官のビルがそのお金を盗んだ。返してといったら、ひどいうそをつく。セルマに誘惑されて、さらにセルマがビルのお金を盗んだ事にされた。ビルが拳銃でセルマを脅しているのに、セルマが拳銃で脅した事になった。
それでもお金を返してくれというと、自分を撃て、殺せとビルは言う。
セルマはお金を返してもらわなくてはいけなくて、わけもわからなくなって、ビルの言葉通りに殺してしまう。
そして、セルマはビルのやった事は沈黙する約束だからといわずに、自分の言える事だけをいって(息子に目のことを知られたくなくて必死というのもある)絞首刑にされる。
セルマはミュージカルが生きがいで、市民ミュージカルみたいなのに参加していて、サウンドオブミュージックのマリア役を得ている。
セルマは、考えが浅く正直者がバカを見る系で私は苦手な人だ。
秘密には秘密を、とか、約束したから沈黙を、とか。牧歌的すぎる。世界はもっと激烈で入り組んでいて、きれいごとは通用しない。でもそんな世界は見ていない。そこが苦々しい。自分も一歩違えばセルマになりそうな共通点を感じるからか、とても苦々しい。
ミュージカルは、つらい現実を一時離れるための装置。だからつらければつらいほど、ミュージカルに没頭するような感じがして、哀れだった。
私もミュージカルは好きだし、つらい現実を忘れるための空想とか、現実をやり過ごす糧としての物語を欲している。だけど。
一方で、世渡りも如才なさも必要だと知っている。自分を守るために人を欺く事を覚えたりもしている。自己主張もするし、卑怯を糾弾もする。
セルマはそういうことをしない人で、他人の行いを責められない。それは優しさでもあるかもしれないけど、私には弱さとしか受け止められず、彼女を肯定できなかった。
遺伝すると知っていても、赤子が抱きたかったのは、わかる。とても自己中心的で大事な動機。それはいい。なんでその強さが他に広がらんかね。泣き叫ぶ以外にできることあったでしょうよって思っちゃう。
わたしが傲慢なのかな。
何よりいかんのはビルなんだけどね。ビルがさ、ほんっとに、ゲスでゲスで。眠れないとかゆってトレーラーにやってきた時からセルマから金を引き出そうとしてた訳でしょ。許せん許せん。自分が機嫌を損ねずに妻の浪費を止めるすべが無いからって、店子の母子家庭から金をせびるって発想がもうどうにもならへん。それを人に罪をなすりつけて自分は無実のふりして死んで逃げるなんて。
世界一嫌いな人かもしらん。
映像は結構ザラザラしていて、いいカメラじゃない感があります。8ミリ感というか。
類を見ないタイプのミュージカルではあるんよね。ビョークの妖精感とボサボサヘアーがかもす俗世感とのミックス具合とか、くすんだ色合いのミュージカルシーンとか他にない。でも感情が傑作という評を拒む感じがしちゃう。
そんなダンサーインザダークでした。
暗闇の中にいる踊り子。
セルマのことでしょう、多分。
おそらく物理的にみえないことと、世界を知らなすぎるという二重の意味で暗闇を生きた踊り子っていう意味があるんちゃうかな。
苛立つ鬱と、刹那見る夢
たまらなく暗く鬱。
盲目の主人公は心根すら弱者で、降りかかる火の粉を払いのける姿勢も見せない。
しかも人に頼るというある種の勇気も見せない彼女は傲慢にさえ感じる。
観ている内にもどかしさが募り、主人公への苛立ちが募っていくだろう。
守るべきものがいるのに、戦いもせずひたすら落ちていく彼女。
その彼女が現実逃避で描く夢がミュージカルとして度々登場するのだが
吐き気がするほど暗く、腹が立つほど弱い姿をたんまりと見せられ続けるからこそ
このミュージカルシーンの輝きは強烈で胸を打つ。
それぞれたった数分の場面だが
盲目の彼女の力強い歌声だけが、この映画では光であり唯一の救いになっている。
だが、すぐさま妄想の光は途切れ現実に戻されると
変わらず救いは見あたらず、救いの手が見えかけても弱さに囚われている彼女は自らの手を伸ばしもしない。
そして、観客である自分は当然何も出来ないまま
うなだれたくなるほどのラストシーンに連れていかれる。
なぜこんな結末を見させられねばならないのか。
救われるチャンスも幾度かあったのに、なぜこうなってしまったのか。
あれほど夢で力強くなれるなら、もっと何かできただろうに。
そういうやりきれなさに覆われる。
しかし思えば、世の中そんな事ばかりで
自分も同じ穴のムジナ。
救いとは何か。
求めるものか、掴むものか。
願いも虚しく散ったラストに押し寄せる腹立たしい無力感。
救われるのも救うのも願うだけでは駄目だと痛感。
ようは反面教師、落ちる前に全力でもがこうぜ。そういう映画だ。
苦しい
不器用で頑固で自立心が強い
誰よりも人の幸せを願える人
自分が失明することよりも
息子が失明することを恐れ
力強く、時に脆く生きる姿
自身の死をもって誰かの道を開く
彼女の全てだったんだと思い知る
久しぶりに見たので
10数年振りに見ました。
それでもストーリーの大筋と劇中の歌は大体覚えていて、良くも悪くも印象が強い作品だったのだと思います。
年を重ねてもセルマに共感できない部分はあるのですが、昔よりは腑に落ちたというか…
うまく立ち回れない感じとか、いろいろなものに追われて心が安定しない感じとかは、うんうんと頷いて見てました。
もどかしさとやるせなさを多分に含んだ作品ですが、また数年後に見たら思うことも変わるのかもしれません。
救いがない?嘘でしょ?
ビョークの歌声、最高でした。
でもこれ、報われない話なのかと思うとそうじゃない。彼女は生涯の目標であった、赤ん坊を腕に抱き上げることと、息子の目を治すことをやり遂げて、しんでいったのだから。
ただ、周りの彼女を本気で愛していた人にとって、報われないのはそうかもしれない。
久し振りに鑑賞☆
評価が別れるところではあるけど
自分的には理解に苦しむ。
ホント、誰得?
心底 子を思う気持ちがあるからこそのエンドなのかもだけど、自分自身に溺れてる感満載で、観てて終始イライラする。
後味も悪いし。
こういうのを美化したような評価の意味が良くわからん。
好みがズバッと別れる作品なのだろう。
あまりにも理不尽…でも…
評価がものすごく低い人の気持ちもすごくわかります。感想は多分同じところを言ってるんだと思うし。
私も観ていて辛かったし、何度も「もー無理」って気持ちになりました。主人公が可哀想すぎて耐えれないほどでした。
でも…一度は観るべき映画と思ってたし、観てみて良かったと思ってます。
うまく表現できないのですが、感動とかとは違うとんでもない感情が私の中に残りました。
観終わったあとに心に何か残っているのが素晴らしい作品だと言うのであれば、ダンサー・イン・ザ・ダークは素晴らしい作品なのだと思う。
辛すぎる
とにかく辛すぎる。
辛いシーンに明るいミュージカル要素が重なったりして感情がもみくちゃにされて、気づいたら呆然と泣いていた。
後味の悪い映画は嫌いじゃないので星4。
落ち込んでる人は観ない方がいいと思います。
悲しくて辛い
母親が私の勧めで観て、
「あまりにも悲しくて辛くて見たくない」と言ったのが印象的。
当時は高校生で母親の気持ちがわからなかったから、
その話題性だけですごい映画なんだろうなと思って観ていた。
そのため、内容があんまりわからなかった。
今は、年齢を重ねた分、
愛情をもって慎ましく日常を送ることが奇跡であると思うようになり、
この物語はあまりにも悲しくて辛くて見たくない。
ビョークが愛おしい
後味悪い映画とか言われてるけど
そこだけじゃないかなって思った
ホームビデオのように撮られてて
すごくリアルに思える
ドキュメンタリーのようにもみえる
目とか金とか母であることとか
いろんな災難というか悪運に襲われる
主人公だけど、こちらが心配してるのを
越すくらいのミュージカル妄想が入ったり
本人の根っこの部分の強さだったり
それが見えたのがよかった
ただラストシーンでは
抑え切れなくなった感情が溢れてて
号泣もんだった
彼女は町の人に好かれてて
すごく優しくされててそれがまた泣けた
人に優しくしようと思える素晴らしい映画でした
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