「絶賛されるのは分かるが、イラついた」ダンサー・イン・ザ・ダーク コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
絶賛されるのは分かるが、イラついた
息子の目を治すことと、隣人との約束を守ること。
この2つのために、命を差し出す主人公の姿。
たしかに、健気で切ない物語に見える。
鬱展開だ、名作だと話題に事欠かない本作ですが。
前半のドキュメンタリー風カット割が眠気を誘うのと、本筋が粗ありすぎなのと、情動を煽ることに全振りしている脚本とに、イラついて仕方なかったです。
私には、鬱の隣人の自殺願望につき合わされ、殺人犯に仕立て上げられ、実質隣人に殺されたのは悲劇…というよりはご都合な設定としか思えない。
弱者がより弱者を虐げ搾取する話ともとれるし、愚直で頭の悪い主人公が自滅した話ともとれる。
理不尽には理不尽、またはしっかりとした法の力で返すべきであろう。
主人公のお金であることを立証することができるはず。
「現金とっぱらいだと税金を逃れられる=お金の流れが不透明になるほど、1960年代のアメリカの田舎で、移民やホワイトトラッシュたちが勤めるエリアの税務署てやつは無能だったのだろうか?」などと考えてしまう。
自己犠牲が美しいという宗教観があるのだとしたら絶賛されるのかもしれないが、警察も法廷も税務署も無能な時代があったって話にしか思えず。
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