恋に至る病

劇場公開日:2025年10月24日

解説・あらすじ

SNSを中心に反響を呼んだ斜線堂有紀による同名恋愛小説を、「なにわ男子」の長尾謙杜と「ゴールデンカムイ」の山田杏奈の共演で映画化。内気な男子高校生とクラスの人気者女子の不器用な初恋を軸に、同級生の不審死や恋人への恐ろしい疑惑が入り混じる、ピュアで刺激的なラブストーリー。

他人と深い関係を結ばないように生きてきた内気な性格の高校生・宮嶺望は、転校先の学校で、誰からも好かれるクラスの人気者・寄河景と出会う。周囲との距離を保とうとする宮嶺に対して、景は持ち前の明るさで距離を縮め、2人は次第に一緒に過ごす時間が増えていく。そんなある日、同級生の根津原が近所で遺体となって発見される。さらに、その後も同級生の不審死が相次ぐ中、宮嶺は大切な景が事件に関わっているのではないかという疑惑を抱きはじめる。それでも彼女を思う気持ちを抑えることができず……。

宮嶺の両親を忍成修吾と河井青葉、連続不審死事件を捜査する刑事を前田敦子が演じ、宮嶺や景と同じ高校に通う学生役で醍醐虎汰朗、中井友望、中川翼、上原あまね、小林桃子、井本彩花、真弓孟之(AmBitious)が出演。「月の満ち欠け」の廣木隆一監督がメガホンをとった。

2025年製作/109分/PG12/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2025年10月24日

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映画レビュー

4.5 純愛か洗脳か──考察必須の恋物語

@さん
2025年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

この物語は「純愛」か「洗脳」か──。

あなたの解釈次第で、物語の見え方が大きく変わる。
鑑賞と考察を経て初めて完成する作品であり、考えれば考えるほど深みを増す映画だ。

「純愛」と「洗脳」──その境界は紙一重で曖昧。
それはどこか私たちの“身近な恋”にも似ている。
好きになってもらいたくて駆け引きをしたり、束縛してしまったり。
同時に、相手の言動で自分の感情や判断が揺れ動くこともある──。
それは愛か、それとも依存か。その線引きは人それぞれだ。

映画では全編を高校生として描き、原作よりも説明を削ぎ落としている。その分、宮嶺や景の表情、余韻、余白で物語が語られる。
観客の解釈力が試され、ひとつひとつの表情の意味を考えながら観る楽しさがある。

原作未読の人は、少し置いていかれる感覚を覚えるかもしれない。しかし、それも映画版ならではの体験だ。
宮嶺の視点で景との関係を追体験する感覚は、原作とはまた違った味わいをもたらす。
鑑賞後に原作を読むことで、映画との微妙な違いを楽しむこともできるし、原作を読んだ上で改めて映画を観るのもおもしろい。きっと観るたびに、解釈も変わるだろう。

脚本には気になる部分もあるが、それを差し引いても、
2人の繊細な表情と独特の世界観に引き込まれる。
観た後には不思議な余韻が残り、考察込みで楽しむことで完成する、“恋に至る病”そのものの映画だ。

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