ケナは韓国が嫌いで

劇場公開日:

解説・あらすじ

現代の韓国社会を舞台に、生まれ育った場所で生きづらさを感じる女性が新たな人生を模索する姿を描いたヒューマンドラマ。韓国の小説家チャン・ガンミョンが2015年に発表した小説「韓国が嫌いで」を原作に、「ひと夏のファンタジア」のチャン・ゴンジェが監督・脚本を手がけ、韓国の若者たちが直面している現実を映しだす。

ソウル郊外の小さな団地で両親や妹と暮らす28歳のケナは、大学卒業後に就職した金融会社に片道2時間かけて通勤している。学生時代からの恋人ジミョンは自分が就職したらケナを養うと言うが、ケナはそんな彼に苛立ちを募らせていく。しかしケナの母は、裕福な家庭で育ったジミョンが娘と結婚することを望んでいた。一方、ケナたちが住む団地は老朽化のため再開発が予定されており、母は転居先の購入費用もケナに頼ろうとしていた。このままでは幸せになれないと感じたケナは、すべてを手放してニュージーランドへの移住を決意する。

「グエムル 漢江の怪物」のコ・アソンが主演を務め、テレビドラマ「スロウトレイン」のチュ・ジョンヒョクが共演。

2024年製作/107分/G/韓国
原題または英題:Because I Hate Korea
配給:アニモプロデュース
劇場公開日:2025年3月7日

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映画レビュー

3.5人生における幸せとは何なのかという問いを突きつけられる

2025年3月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

幸せ

主人公のケナに明確な夢や目標があるわけではありませんが、韓国では生きていられないといういら立ちがスクリーンからひしひしと伝わってきます。そんな人生に葛藤する女性を等身大で演じているのがコ・アソンです。

ポン・ジュノ監督の傑作「グエムル 漢江の怪物」(2006)でソン・ガンホ演じる主人公の中学生の娘役を演じた天才子役で、怪物に連れ去られたあの彼女が成長して、現代に生きていると仮定して見ると、また違った趣も加味されるでしょう。

観客はコ・アソン演じるケナの目を通し、異国の地で生きてみることで、本当の居場所はどこなのか、自分とは何者で、人生における幸せとは何なのかという問いを突きつけられ、道を切り開いていこうとする姿を追体験していくことになります。

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和田隆

4.0やはりどこか似ているかも

2025年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

決して家族が嫌いというわけではないのに、経済的、社会的、いろいろな意味で、追い立てられるような生活を余儀なくされ、生きづらさを感じていたケナ。移住先のニュージーランドは、気候が暖かく、アルバイトの賃金も、生活に困らない程度のものは確保でき、学生生活もそれなりに充実しているようでしたが、同じく故郷を捨て、豊かな生活を送っているようみえた同郷の韓国人家族の父親は「ココには何もない」とつぶやき、何故かあまり幸せそうにはみえませんでした。

2024年の世界の合計特殊出生率を低い順から並べると、香港0.8 韓国0.9 シンガポール1.1 日本1.1(推定)。このうち香港とシンガポールはいずれも都市国家型で住宅価格や生活費が高騰しているのが主因のようですが、韓国と日本はそれなりの国土があるにも関わらず、出生率が低迷している点で共通しています。

二国の共通点はともに儒教的な家父長制度の名残があり同調圧力の強いところでしょうか。でももともと、ゲノム解析では日韓の類似性が高いことは以前から明らかにされていましたし、最近の科学雑誌では、韓国人に縄文人の遺伝子をかけあわせシュミレーションすると、日本の現代人の遺伝子とほぼイコールになったとの記事も読みました。3万年ほど前の大陸と地続きだった時代から、互いに影響を与えながらもともと同じような歴史をたどってきたのかもしれません。

そういえば、「日本が嫌い」と言って、留学し長らく海外駐在をしていた人が私の近くにもいます。

異国の地で散った友人と、夢でジャンクフードをいっしょにお腹いっぱい食べるシーンが大好きです。「あんたそれにしても沢山食べるね・・・私、幸せってさ。みな過剰評価していると思うんだよね」といったケナのセリフが特に印象的でした。

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pen

4.0良い作品

2025年3月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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amane

1.5テーマは現代的で良かったと思う

2025年3月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

寝られる

韓国の映画はほとんど観たことがないけれど、予告編がずっと気になっていたので、観に行きました。

結論から書けば、あまり面白くなかった。
テーマは非常に現代的で良かったと思う。

最大の問題は、主役の俳優に輝きがあまりなくて、感情移入が出来ないこと。
多分、あえて観客を同化させず、突き放した上でテーマに踏み込ませて、物語を観せようと意図しているのだと思う。

テーマとシンクロさせるために、硬質で覚めた映画を作ったのは意図しているのだと判るけれど、でも、物語としては、それじゃつまらないよ。

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Mみやこ