キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

YouTubeで公開されていたので、久しぶりに視聴。
途中で時系列が交差するストーリー展開は真剣に観ないとこんがらがるのであまり好きでは無いが、最後にその疲れを吹き飛ばす嘘くさく無い程度の程よい爽快感がなんとも言えず気持ち良い。

詐欺師としてなりきっている時はその役の人物の年齢に見えるが、看護婦の両親を見守っている時や、FBIに捕まる時などは17歳の顔になるなど、レオナルド・ディカプリオの演技力が素晴らしかった。

詐欺をして金を得たが本当に欲しかった家族との暖かい生活は得られず、FBIとの電話の中でしか人との本当の繋がりがなかったように感じた。
終盤の詐欺ができない主人公の所在なさげな顔に対して、必ず帰ってくるさの信頼の言葉にどれほど救われたのだろうか。

一番印象深かったのは終盤の空港のシーン。
長い長い通路を抜けた先でカークが一言。
"Nobody is chasing you."
この映画のエッセンスはこのシーンに詰まっている気がする。
それはつまり「自由とは何か」ということである。
これはかなり哲学的な問いだが、この映画の思想はカント(自由=自律)に近いのかな。
身勝手気ままに行動していた映画前半のフランクか、自身の能力をもって社会貢献するようになり素晴らしい名誉を得たフランクか、どちらが本当の意味で自由かは言うまでもない。
つまりこれは彼が真の自由を獲得する物語なのだ。

有名タイトルなので今更ですが観ました。
実話を基にというのが驚きですね。
安定のスピルバーグとレオ様、トムハンクスですね。
なかなかハラハラする展開を乗り越えれるのもすごい、本当にやってたのかな？飛行機トイレ脱出とか、最初のニアミスとか…。
カールが敵なのに良いやつすぎて好感。
主人公が詐欺を働くようになったきっかけは、家族、父親が起因と考えると切なくもあり、人は環境次第で変わるということを思い知らされますね。
個人的に父親のキャラが好きでした。
息子やすべてに対して強がり、プライドをもってして生きていて、ある意味で理想だと感じました。

妻の方は金の切れ目が縁の切れ目といいますが、まさしくそれで、そこも憎しみより悲しみの方がありました。

ストーリーとして、逮捕で終わりじゃなかったのが逆に良かったですね。
ハッピーエンドというか、60年代のアメリカはある意味おおらかというか融通効いてよかったですね。
総じて、罪を犯すことにも理由が存在し、救いとしての贖罪も肯定するというメッセージもあったのかなと思いました。
あとはライバル同士の友情と、父子の愛がテーマのように思えてそこが良かった。

実話をもとにというのも相まってつくりがウルフオブウォールストリートに似てる気がしましたが、これを参考にしたんですかね。