ヒプノシス レコードジャケットの美学

劇場公開日:

ヒプノシス レコードジャケットの美学

解説・あらすじ

「コントロール」「誰よりも狙われた男」などの監督作で知られるイギリスの写真家・映画監督アントン・コービンが初めて手がけた長編ドキュメンタリーで、アートワークでロックを芸術に昇華したイギリスのデザイン集団「ヒプノシス」についてのドキュメンタリー。

1970年代を中心に、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーといった人気アーティストたちのアルバムデザインを手がけたデザイン集団・ヒプノシス。その独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージに過ぎなかったレコードジャケットの概念をくつがえし、芸術の域にまで高めた。

創業者ストーム・トーガソンとオーブリー・パウエル、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフたち、アーティスト本人がレコードジャケット制作秘話を明かす姿をはじめ、当時の貴重なインタビューや写真・映像の数々を通してロック黄金期の舞台裏に迫る。さらに、ヒプノシスを敬愛するオアシスのノエル・ギャラガーが、レコード文化やジャケット愛について語る姿も映しだす。

2023年製作/101分/G/イギリス
原題または英題:Squaring the Circle: The Story of Hipgnosis
劇場公開日:2025年2月7日

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映画レビュー

3.5今なお驚きと鮮烈さを与える伝説的デザインの制作秘話にコービンが迫る

2025年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

アントン・コービンといえば、劇映画の監督のみならず、時代の寵児たるミュージシャンの姿をモノクロームで活写したポートレイト写真でも知られる。以前、インタビューした折、とても物腰柔らかく周囲への目配りや観察眼の秀でた方で、なるほどアーティストたちともこうして心地よく距離を縮めていくのだろうなと感じたものだ。そんな彼の初長編ドキュメンタリーが、パフォーマー側ではなく、太陽と月で言えば月側、ジャケットやポスター制作を担ったアート集団「ヒプノシス」に焦点を当てているのも納得だ。誰もが目にしたことのあるデザインは、時にサイケデリックだったり、強烈に意識に訴えかけてくるものだったり。全ては時代を彩る異才たちの運命的な出会いと化学反応から始まり、そんな伝説を形作った制作秘話の一つ一つが深淵で興味深い。もし彼らのデザインがなかったら70年代の音楽シーンやその影響は多少印象の異なるものになっていたに違いない。

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牛津厚信

4.0Essential Backstage Rock Story

2025年1月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

In the 60's when rock music was cool and revolutionized society, one small London collective was producing the iconic artwork on the face of many records. This DIY story is a must-watch for any aspiring artist or entrepreneur. A start-up launched on the capital from a donated piano in a run-down apartment with only a sink for a toilet, Hipgnosis built its own legacy with crude creativity.

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Dan Knighton

3.0ちょっと

2025年4月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

興奮

知的

長い・・でも四角いスリーブに丸いLP盤のタイトルは洒落てるし、数々の名盤ジャケットの話は楽しい。個人的にはストーンズのも出してほしかった。
アイデアが当たり続けるってのは難しい、やはり流行り商売って事だろうか。
アントンコービン監督は元々カメラマンなので、動きというより画の切り取りに色が出る気がする。

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トミー

3.5【1970年代に名を馳せたデザイン・アート集団”ヒプノシス”が作り上げたレコードジャケット製作秘話テンコ盛りドキュメンタリー。】

2025年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

幸せ

<Caution!内容に触れています。鑑賞したら、読んでね!>

ー 最初に敢えて記すが、私は年代的に70年代ロックは余り聞いていない。〇坊から聞いていたブリティッシュポップ&ロックから入っているので、デザイナーとしてはピーター・サヴィル製作のジャケットなんだよね。
  今作でも一瞬映った、ジョイ・ディビジョンの名盤「アンノウン・プレジャー」のジェケットなんか、クールでムッチャ好きなんだよね。あと、ウルトラヴォックスとかさ。

  けれども、このドキュメンタリーでは、特にピンクフロイドのジャケット製作秘話が多数観れて面白かったな。
  ”原子心母”のジャケの牛の話とか、ムッチャ面白かったのは”アニマルズ”のジャケのピンクブタの巨大風船を飛ばした時のエピソードや、”炎~あなたがここにいて”の炎に包まれた男が握手をしているジャケがホントに火を付けていた事には、ビックリである。
  それに、ジャケット製作にとても、お金をかけていた事が随所で分かった事も良かったな。

  このドキュメンタリーに出たミュージシャンの中で、多分一番私に年が近いと思われる、ノエルの話も面白かったな。
  今は、ストリーミングの時代だからか、レコードジャケットを知らない娘さんとの噛み合わない会話や、マサカノ、オアシスの名盤”モーニング・グローリー”のジャケットを気にいっていなかった事にはビックリである。”誰がこんなジャケットにしたんだ!””お前だ!”は、笑ったなあ。

  でもさ、数年前から、定期的にCDを売りに行く中古CD屋の主人と話していたのだけれども、今やLP盤って凄い人気なんだよね。壁に掛かっている名盤LPの値段を見てビックリしたよ。聞いたら、LP盤を愛聴していた年代の方が亡くなった際に、ご家族が持ってくるんだってさ。んで、買取値段を聞いてびっくりして帰るらしいよ。音も当然良いんだってさ。

  ノエルも言っていたけれど、ヤッパリ(私はCDだけど)曲順などをアーティストは考えているなんて話を聞くと、ちょっと考えるよなあ。
  そういうことを考えると、もう、死語かなあと思っていたジャケ買いという言葉も、復活するかもしれないね。実際、アーティストによってはLP盤も出す様になっているしね。

  マア、とにかくこのドキュメンタリーは、知らない事が多数詰まっていて、ロック好きには堪りませんでしたよ。じゃーね。

<2025年4月6日 刈谷日劇にて鑑賞>

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NOBU