九龍ジェネリックロマンス

劇場公開日:2025年8月29日

九龍ジェネリックロマンス

解説・あらすじ

テレビアニメ化もされた眉月じゅんの人気コミックを実写映画化し、妖しくも美しい街・九龍を舞台に繰り広げられるミステリアスなラブロマンス。

九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子は、先輩社員の工藤発に恋をしている。九龍を知り尽くす工藤は令子をお気に入りの場所へ連れ出してくれるが、2人の距離はなかなか縮まらない。それでも令子は、靴屋を営む楊明や、さまざまな店でアルバイトをする小黒ら大切な友人もでき、九龍で過ごす日々に満足していた。そんなある日、工藤と立ち寄った喫茶店・金魚茶館の店員タオ・グエンに、令子は工藤の恋人と間違われる。さらに令子が偶然見つけた写真に写っていた工藤の恋人は、令子に瓜ふたつだった。失った過去の記憶、もうひとりの自分の正体、そして九龍に隠された巨大な謎。過去と現在が交錯するなか、秘密が解き明かされていく。

吉岡里帆が令子役、水上恒司が工藤役で主演を務め、ある理由から令子に近づく巨大製薬会社の社長・蛇沼みゆき役で竜星涼、金魚茶館の店員タオ・グエン役で栁俊太郎、令子の友人・楊明役で梅澤美波(乃木坂46)、小黒役で花瀬琴音、蛇沼と行動をともにするユウロン役でフィガロ・ツェンが共演。テレビアニメ版で鯨井令子と工藤発を演じた声優の白石晴香と杉田智和もカメオ出演しており、白石は本編冒頭の令子の部屋で流れているテレビ番組の中のアナウンサー、杉田はその番組のナレーションを担当している。監督は「君は放課後インソムニア」の池田千尋。

2025年製作/117分/G/日本
配給:バンダイナムコフィルムワークス
劇場公開日:2025年8月29日

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(C)眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会

映画レビュー

3.5 構想と設定のスケール感に反し、小ぢんまりした恋愛奇譚。ポストクレジットシーンあり

2025年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

池田千尋監督の前作「君は放課後インソムニア」がよかったので、最新作「九龍ジェネリックロマンス」も期待して鑑賞したが、さてどうだったか。

原作は眉月じゅんによる連載中の同名コミックで、単行本は現在11巻。これだけのボリュームの話を2時間弱にまとめるのだから、内容的に相当割愛、凝縮を余儀なくされたものと思われる。

本作において「ジェネリック」という言葉は、本来の「一般的な、包括的な」という語義ではなく、ジェネリック医薬品に日本の一般消費者が抱くイメージ、つまり「特許を取得したブランド品(本物)と成分は同じだが安価な普及品(コピー)」と近いようだ。1990年代に取り壊された香港の九龍城砦にそっくりで、成立過程が謎につつまれた“ジェネリック九龍”が物語の舞台。上空に浮かぶ八面体の物体“ジェネリックテラ”がこの九龍をコピーしたような街の出現に関係しているようだが。

不動産屋勤務の令子(吉岡里帆)は、ほぼ変化のない日々を繰り返しているが、過去の記憶がない。令子の先輩・工藤(水上恒司)は、令子の過去について何か知っているようだ。2人の過去が徐々に明らかになるなか、ジェネリックテラ計画に関わる蛇沼(竜星涼)が、ジェネリック九龍出現の謎と令子の存在に関心を持ち接近してくる。

舞台や主要人物の設定に関する構想がなかなか壮大で興味をそそられるが、話が進むうち、基本軸は意外に小ぢんまりした恋愛奇譚なのかなという気がしてくる。展開次第では、「ブレードランナー」のような自意識・記憶・アイデンティティーをめぐる哲学的な問いかけになったり、「エターナル・サンシャイン」のようにSF設定をからめて記憶と恋愛の関係をエモーショナルに謳いあげたりするような、構想のスケール感とテーマの奥深さが両立する娯楽作となり得たのではないかと、もったいない感じがした。

おそらく物語要素を割愛したせいで、令子、工藤、蛇沼の3人以外はストーリーに有機的にからむというより単なる記号的な存在にとどまっているのも、物足りなさの一因。山中崇、嶋田久作、サヘル・ローズ、梅澤美波ら個性的な共演陣を活かしきれていない。

池田監督が過去に携わった長編映画やテレビドラマをざっと見渡すと、リアルな設定の作品が大部分で、SFやファンタジーの要素が強いフィクションは今回が初挑戦のようだ。脚本の問題もあるかもしれないが、「九龍ジェネリックロマンス」との相性はよくなかったのかもしれない。

そうそう、エンドロールの途中からクレジットに並行して画面左半分で追加シーンが流れ、監督の名前が出た後に画面全体でポストクレジットシーンが約4分、かなりたっぷりめに流れる。これを観ると観ないとでは印象もずいぶん違うはず。暗転してキャスト名が流れ始めてもどうか席を立たず、最後まで見届けていただきたい。

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高森郁哉

2.5 恋してる時の目線よな

2025年10月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

恋してる中目線のカメラワークにあっぱれ

そうそう、そんな何気ない仕草も映画のワンシーンみたいに見えるのな………だって恋してるんだもん…

というシーンで満載よ。恋したことある人ならきっと自分のシーンを回想してしまうには違いない

それを演じられる俳優陣もあっぱれよ。
完全に理想系よ

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ジャム太

3.0 なぜ九龍なのか? なぜ日本人なのか?

2025年9月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

ドキドキ

カワイイ

劇場公開時に観ていたが感想を書いてなかった映画。原作はマンガらしいが未読、というか存在自体知らなかった。なんとなくタイトルとポスターデザインが良かったんで観てみた。

うーん、俳優陣はみんな好演だし、監督の演出もいいのだが……脚本が悪いのかなぁ? それともそもそも原作の問題? あるいは原作と映画化もしくは実写化の相性の問題なのか? とにかく序盤30分くらいは話が飲み込めず、この映画は何を描きたいんだ? 何が言いたいんだ?と首をひねるばかりだった。そもそも状況設定がいまいちよくわからない。SFっぽいところもチラッとは出てくるが、それがSFなのかファンタジーなのかそれとも主人公の妄想なのか判然とせず、なんとなく話が進んでいってしまう。

中盤あたりでようやく話が見えてくるが、そうなるとまた別のところが気になってくる。そもそも九龍(ジェネリック九龍だが要するに九龍)を舞台とする意味というか必然性がほとんど感じられない。別に日本のどこかの街でもいい話のように思える。九龍が舞台なのに主要人物3人は日本人だし、日本映画では昔からだが中国が舞台でも中国人(香港人・台湾人)役を日本人俳優が演じてるため、なんだか安っぽく見えてしまう。マンガやアニメなら絵だから中国人が流暢な日本語をしゃべっていてもさほど不自然に感じないかもしれないが、実写になるとすごく不自然に見える。何より演じてるのが日本人俳優なのは誰が見てもわかるわけだし。まあ日本を舞台にしたら原作の大改変になっちゃうし、タイトルも変えなきゃならないから無理かもしれないが、実写作品としてはそっちのほうがきわめて自然なように思う。逆にあくまで九龍を舞台にするなら全員香港(か中国・台湾)の俳優が演じる香港映画として製作したほうが良かったんではあるまいか? まあ、これもそもそも香港(か中国か台湾)の側から映画化のオファーがなければしょうがないが、九龍を舞台とした実写作品ならやはりそっちのほうが自然に感じる。

主演の吉岡里帆は演技も上手いし何より神がかり的に可愛く、カメラも彼女の魅力を余す所なく映し撮っている。相手役の水上恒司をはじめ竜星涼などの助演陣もみな好演である。監督の池田千尋という人は実写映画『君は放課後インソムニア』を監督した人とのことで、そっちはとても良かっただけあって本作でも演出は問題なく良かったと思う(80年代大林宣彦的ファンタジー映画の風味もそこはかとなく感じられなくもなかった)。でもそれだけじゃ良い映画にはならないんだな。難しいもんですね。

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バラージ

3.0 十分に楽しめる作品

2025年9月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

私はアニメ全話を観たのだが、まず俳優陣のキャスティングは当たっていたと思う。ビジュアル的にもマッチしていて演技力も優れた俳優をそろえたのは間違いない。セットもとても良くできていて九龍の街の雰囲気を上手く再現できていると感心した。これだけならこの部門の日本アカデミー賞を取れるかもと思った。
全体として十分に良くできていたと思うけれど何かイマイチ感情移入しづらかったのは何故か?
単純な恋愛映画としてはちょっと恋愛部分が盛り上がりに欠けていたと思う。独特で複雑な設定を表現するのに手一杯で物語展開のワクワク感や九龍の奇妙な雰囲気や歪さなど、自分の感覚が侵食される様な恐怖感などが十分に感じられなかった気がした。
予備知識のある人たち向けな脈略を省いたセリフ回しは時間の尺もあるから仕方ないとして。
まあ全ての作品に言えるけれど、この監督なりの正解を描いた作品だと思うけど、鯨井Bの出演シーンをもっと多くして欲しかったし、そのほうが多分この作品らしさをもっと表現できたかなと思う。
お芝居や演技指導は素人の意見だけど、吉岡里帆さんの鯨井Bの演技ももっとわざとらしいくらいAとの違いをハッキリとコントラストを付けて演じて貰った方が良かったのではと思うし、もっと蠱惑的でコケティッシュな雰囲気で演じてもよかったんじゃないかと思いました。
もし自分が監督なら、昔懐かしさにフォーカスし過ぎずにもっと恋愛要素やキャラクターの魅力を十分に表現した方が更に魅力的な作品になったのかなとも思った。
色々文句ばかり書いたけど十分に楽しませて貰いましたのでありがとうございます

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Starseeker