Flow

劇場公開日:2025年3月14日

解説・あらすじ

洪水に呑まれゆく世界を舞台に、1匹の猫の旅路を描いたラトビア発のアニメーション映画。

世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つことを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像を超える出来事や危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。

監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作「Away」で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させた長編第2作。2024年アヌシー国際アニメーション映画祭にて審査員賞・観客賞を含む4部門を受賞し、2025年・第82回ゴールデングローブ賞ではラトビア映画史上初の受賞となるアニメーション映画賞を、第52回アニー賞では長編インディペンデント作品賞、脚本賞を受賞。第97回アカデミー賞でも長編アニメーション賞と国際長編映画賞の2部門にノミネートされ、長編アニメーション賞を受賞した。

2024年製作/85分/G/ラトビア・フランス・ベルギー合作
原題または英題:Straume
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2025年3月14日

オフィシャルサイト

スタッフ・声優・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第97回 アカデミー賞(2025年)

受賞

長編アニメーション賞  

ノミネート

国際長編映画賞  

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

受賞

最優秀長編アニメーション映画賞  
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(C)Dream Well Studio, Sacrebleu Productions & Take Five.

映画レビュー

4.5 言葉がないからこそ体験できる初めての映画体験

2025年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

オープンソースのソフトウェアでここまで見応えもあって、世界観も構築されていて、クスッと笑うところもハラハラするところもあって、時間も85分という見やすさ…お見事と言うしかない。

ハリウッドメジャー作品と比べて、毛並みとかの緻密さは無いけれど、その分動きがすごい!めちゃくちゃリアル。動物がモーションキャプチャーで演技した?もはや後半は動物が演技しているとしか思えなかった。

セリフが一切なく、動物たちだけの鳴き声しかないからこそ、どんな国の人が見ても一瞬で世界観に入り込めるんだと気付いた時、言語も宗教も文化も違うけれど、動物を見る目は万国共通なんだと感動した。海外作品を見た時の時々起こるお国柄のセリフに100%理解できない感じが起こらないってすごい。
動物に見えれば見えるほど、猫たちの冒険にハラハラして、没入してしまう。見終わった後軽く疲れたぐらい笑

水害にトラウマがある方は見るの気をつけた方が良いのと、動物たちが少しでも危険な目に合うのは耐えられない!と言う人はオススメできないけど、大丈夫そうなら初めての映画体験ができるのでとってもオススメ!

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共感した! 6件)
AZU

4.5 美しく暗示的なポストアポカリプス世界のネコ歩き

2025年3月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 61件)
ニコ

4.5 Flood, flee, flow, and fly. 「2001年」にも比肩する独創的かつチャーミングな叙事詩だ

2025年3月19日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

幸せ

アニメーションが盛んな日本でもアメリカでもなく、映画産業があるのかどうかも一般に知られていない北欧の小国ラトビアから独創的なアニメーション映画が生まれたことは嬉しい驚きだし、アカデミーの長編アニメーション賞をはじめ多数の賞を獲得してきたことも喜ばしい。もちろん、オープンソースのアニメ制作ソフトウエアの進歩やインターネットを介した国際的な協業体制といった技術革新によって、以前なら夢のまた夢だったことが実現可能になった側面もあるだろう。

ストーリーの流れはシンプルだが、観る人の世代やバックグラウンドによってさまざまな感じ方、楽しみ方ができそう。冒険に心を躍らせ、自分と異なる誰かと仲間になる過程に感動するのもいい。「ジャングル・ブック」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」そして「2001年宇宙の旅」といった冒険譚を思い起こす映画好きも多いだろう。

もちろん、ノアの方舟の話に代表される「人間への天罰」を読み取る人も少なからずいそうだ。言語により発展した文明が行き過ぎて人類が滅亡した、だからポストヒューマンの世界に言葉はないのだ、といった深読みもできるだろう。登場する動物キャラクターはほぼすべて実在の生物と同じ外見だが、唯一の例外としてクジラに似た巨大な生き物だけはジブリ映画や「アバター」などに出てきそうな異形のクリーチャーとなっており、「Flow」の世界における聖なる存在なのかも。エンドロールの後のポストクレジットシーンに、そんなことを思った。

コメントする 1件)
共感した! 26件)
高森郁哉

5.0 「映画という小舟に乗った猫」

2025年10月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

幸せ

癒される

【10月18日追記】
ラトビアを含むバルト三国は、ロシア帝国・ソ連・ナチスドイツ・再びソ連に占領された歴史を持つ国。ソ連時代のIT特区で、マイナンバーカード先進国。

国土が他国に侵略された場合を想定して、国民のビッグデータを複数の第三国に保管、国民全員が他国に避難しても国家を維持できることを目的にしている─

日本のマイナンバーカード導入時に聞いた話を、ふと思い出しました。

✎____________

今年の東京の夏日は今日で146日。
1年の約半分が“夏”になってしまいました。

恐竜が氷河期で絶滅したように、ミサイルやウィルスの脅威より、人類は気温上昇が原因で滅ぶんじゃないかと地球の心配をしつつ…

ラトビアのアートアニメーション『Flow』は、同じく言葉の無い映画『ロボット・ドリームズ』のパブロ・ベルヘル監督が、「美しく、感動的で、奥深い」と大絶賛していたことで知りました。

『ロボット・ドリームズ』は2024年のアカデミー賞にノミネート、『Flow』は翌年2025年のアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞。
今年の春『ロボット・ドリームズ』に続いて、『Flow』を鑑賞しました。

公私共に多忙で睡眠負債の春、美しい映像に癒やされて、スヤスヤと眠ってしまいました。
配信でもう一度観ようとしたら、昨日から地元の「ねこ祭り」の猫映画特集で日替り上映が始まりました。

✎____________

「多分クリエイターなら皆
ずっとこういう作品を作りたかったと思います。
少なくとも僕は思っていました。
言葉が少なく、でも物語はちゃんとあるものに憧れがありましたが
『Flow』はその100点みたいな映画でした。」
─藤本タツキ(漫画家)

「映画は、観る人を乗せる小舟だ。
猫に化けたギンツ監督の視点で、どこか人間社会を見ているような没入感がある。
それが、愛らしい動物達の姿で描かれるから、人間は未熟でか弱く健気で、
そして、大きな流れの中で色鮮やかに生かされていることに気づかされるのだ。」
─押山清高(アニメーション監督)

「物言わぬ動物たちが危機に瀕して奮闘するスリリングな逞しい姿に、
命のきらめきと尊厳を見る。
その瞳に込められた音なき言葉を、
息を殺して聴け。」
─細田守(アニメーション映画監督)

✎____________

予告編の映像に流れるクリエイターのコメントを目にして、もう自分のレビューに書く文章が見つからず…

『秒速5センチメートル』のレビューに、「感性で受け止めるべき映画」というコメントをいただきました。
感性で摂取した栄養素から、感性で映画を語れるようになりたいと思いました。

東京はようやく明日から“公式に秋”になります。
「ニューヨークに公式に秋が来た」という、ある作品の台詞を知っている方がいたらうれしいです。

✎____________

4月15日・10月18日映画館で鑑賞
※10月18日吉祥寺ねこ祭り猫映画特集上映
4月15日★★★★★評価
10月18日レビュー投稿
10月18日レビュー追記

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ひな