Flowのレビュー・感想・評価
全239件中、1~20件目を表示
言葉がないからこそ体験できる初めての映画体験
オープンソースのソフトウェアでここまで見応えもあって、世界観も構築されていて、クスッと笑うところもハラハラするところもあって、時間も85分という見やすさ…お見事と言うしかない。
ハリウッドメジャー作品と比べて、毛並みとかの緻密さは無いけれど、その分動きがすごい!めちゃくちゃリアル。動物がモーションキャプチャーで演技した?もはや後半は動物が演技しているとしか思えなかった。
セリフが一切なく、動物たちだけの鳴き声しかないからこそ、どんな国の人が見ても一瞬で世界観に入り込めるんだと気付いた時、言語も宗教も文化も違うけれど、動物を見る目は万国共通なんだと感動した。海外作品を見た時の時々起こるお国柄のセリフに100%理解できない感じが起こらないってすごい。
動物に見えれば見えるほど、猫たちの冒険にハラハラして、没入してしまう。見終わった後軽く疲れたぐらい笑
水害にトラウマがある方は見るの気をつけた方が良いのと、動物たちが少しでも危険な目に合うのは耐えられない!と言う人はオススメできないけど、大丈夫そうなら初めての映画体験ができるのでとってもオススメ!
Flood, flee, flow, and fly. 「2001年」にも比肩する独創的かつチャーミングな叙事詩だ
アニメーションが盛んな日本でもアメリカでもなく、映画産業があるのかどうかも一般に知られていない北欧の小国ラトビアから独創的なアニメーション映画が生まれたことは嬉しい驚きだし、アカデミーの長編アニメーション賞をはじめ多数の賞を獲得してきたことも喜ばしい。もちろん、オープンソースのアニメ制作ソフトウエアの進歩やインターネットを介した国際的な協業体制といった技術革新によって、以前なら夢のまた夢だったことが実現可能になった側面もあるだろう。
ストーリーの流れはシンプルだが、観る人の世代やバックグラウンドによってさまざまな感じ方、楽しみ方ができそう。冒険に心を躍らせ、自分と異なる誰かと仲間になる過程に感動するのもいい。「ジャングル・ブック」「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」そして「2001年宇宙の旅」といった冒険譚を思い起こす映画好きも多いだろう。
もちろん、ノアの方舟の話に代表される「人間への天罰」を読み取る人も少なからずいそうだ。言語により発展した文明が行き過ぎて人類が滅亡した、だからポストヒューマンの世界に言葉はないのだ、といった深読みもできるだろう。登場する動物キャラクターはほぼすべて実在の生物と同じ外見だが、唯一の例外としてクジラに似た巨大な生き物だけはジブリ映画や「アバター」などに出てきそうな異形のクリーチャーとなっており、「Flow」の世界における聖なる存在なのかも。エンドロールの後のポストクレジットシーンに、そんなことを思った。
イマイチよく分からない奇妙な世界観を丸ごと受け入れてしまえば、あとは圧倒的な映像世界に没入するのみ
物語自体はシンプルなのだけど、観た人それぞれにいろんな深読みというか解釈ができるので、難解といえばチョー難解な作品。
陸地のほとんどが水の底に沈んでしまった世界…と言ったらやっぱり頭に浮かぶのは旧約聖書のノアの方舟の物語である。
本作で様々な動物たちが乗り込む小舟が一種のノアの方舟だというのは多くの観客が感じることだと思うけれど、そうするとやっぱり作品のあちこちにキリスト教的なメタファー(暗喩)が散りばめられているのかしらん…と思ってしまう。
劇中では、まさに「天に召された」としか表現のしようがないようなシーンもある。
また、世界の救済と犠牲、ということを描いているようでもあり、なんとなくエンディングを観て自分は「キリストの死と復活」が頭に浮かんだ。
でも、自分はキリスト教徒ではないし、キリスト教にもそんなに詳しくないから、そういうキリスト教的なモチーフとかメタファーみたいな部分は正直よく分からない。
よく分からないと言ったら、本作は分からないことだらけである(笑)。
本作では人間は全く姿を見せない。
冒頭に出てくる山荘のような一軒家には猫をモチーフにした作品を作る芸術家が住んでいたみたいなのだけど、水位の上昇にあわてて逃げ出してしまったのか、どこへ行っちゃったのかよく分からない。
巨大遺跡みたいな建造物とか、人間の文明の痕跡はあちこちにあるけれど、電線とかガスのパイプラインとか工業製品といった現代文明を感じさせるものは一切出てこない。
どうも科学文明が崩壊してしまった後の未来の世界っぽいのだけど、よく分からない。
小舟に乗り込む動物たちは生息域が全く異なるので、なんとなく動物園から逃げ出して野生化した連中のような感じがする。
そうだとすると、やっぱり科学文明が崩壊した後の、生態系がメチャクチャになってしまった未来の世界っぽいのだけど、よく分からない。
クジラのような巨大水棲生物が現れるのだけど、突然変異を起こしたような不思議な姿をしていて、やっぱり未来の物語なのか、それともファンタジックな異世界の物語なのか、イマイチよく分からない。
こういった分からない点について色々と解釈は可能だろうけれど、ひとつヒントとなるのは、Wikipediaによれば監督のギンツ・ジルバロディスが、宮崎駿の演出によるテレビアニメ『未来少年コナン』から多大な影響を受けたと語っている点である。
この点に注目すると、本作で描かれているのは、やっぱり科学文明が崩壊し、生き残りの人類が細々と暮らす世界のように考えても良さそうである。
ちなみに冒頭の一軒家は『アルプスの少女ハイジ』のアルムおんじの山小屋にそっくりなので、監督が宮崎駿の大ファンだというのは気づく人は気づくかも知れない(笑)。
『未来少年コナン』は、超磁力兵器の使用によって大地殻変動が引き起こされ、五つの大陸が海の底に沈んでしまった後の世界を描いている。
本作において、そんな設定は一切語られないけれど、戦争や環境破壊のような、人間の愚かな行為によってそういう大変動が起きてしまった後の世界だと思って観ると理解しやすいことは理解しやすい。
もちろん本作の世界をどう解釈するかは観た人それぞれに委ねられているわけだし、観客のほとんどは監督が『未来少年コナン』の影響を受けていることを知らずに観るだろうし、そもそも『未来少年コナン』を観ていないという人も多いと思う。
だから観客は、このイマイチよく分からない奇妙な世界観を分からないまま、とにかくいったん丸ごと受け入れるしかないのである。
それができるかどうかが、本作を楽しめるかどうかのカギだと思うけど、いったん受け入れてしまえば、あとは圧倒的な映像世界に没入するのみである。
本作はラトビア出身のギンツ・ジルバロディスが監督・脚本・音楽・編集・撮影を全て一人でこなし、スタッフは50人以下、制作費は350万ユーロ(約5.5億円)という低予算で製作されたインディペンデント(独立系)作品である。
これはどういうことかと言うと、一人の天才クリエイターのイマジネーションやインスピレーションによって作り上げられた部分が非常に大きいということであり、本作が難解なのは、一人の芸術家が創ったアート作品を見せられているのに非常に近いからなのだ(…と思う、多分)。
自分も本作を観てかなり衝撃を受けた!
黒猫をはじめとする様々な動物たちの、リアルでありつつもどこか人間性を感じさせる生き生きとした動きから目が離せなくなったし、陸地のほとんどが水の底に沈んでしまった驚異の世界を描いた映像美には圧倒される他なかった!
ただ、正直言うと芸術性が高いインディペンデント作品で上映時間84分は自分にはちょっと長かった(笑)!
アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞した作品にこんなことを言うのは甚だ申し訳ないけれど(笑)、30〜40分くらいの短編でも良かったのじゃないかしらん…などと思っていたら、監督のギンツ・ジルバロディスは本作より前に猫を主人公にした7分半の短編映画『Aqua』(2012)を既に作っていたのである!
『Aqua』は本作の基になったという作品で、本作と同じく世界が水の底に沈んでしまった後に小舟に乗って生き抜こうとする猫の姿を描いている。
本作の動物たちもちょっと手描きっぽい粗いタッチで描かれていたけれど、『Aqua』の猫はかなりデフォルメされたシンプルな線で描かれていて、こちらもかなりアート性が炸裂していて、強く印象に残る作品である。
『Aqua』は、本レビューを書いている現時点でギンツ・ジルバロディス(Gints Zilbalodis)の公式YouTubeチャンネルで視聴できるので未見の方で興味がおありなら是非。
上映時間も7分半なので。
ざわめく木立ち、水際のきらめき☆
劇場公開の時に逃して、ようやくWOWOWで鑑賞
黒猫(名前なし)、お目々がくるくる動く
黒目が大きくなったり、まぶしくて細くなったり、遠くを探索するような視線、びっくりして見開く眼
全編を通して台詞が一切無いので、我々人間が彼らの感情を推し量るに、黒猫の眼が様々な感情を伝えてくれる
そして、しなやかな身のこなし
おそらく人間と住んでいた我が家のベッドにゆったりと身を横たえる仕草、全力疾走したり、高くジャンプする為に身をかがめたり、必死になって泳ぐ姿、感情を表す尻尾の動き、仲間たちに何かを伝える必死な様子…
我々はキャラクターが黒い線でトレースされて動くアニメーションに慣れているが、このアニメには線で縁取られない、或る意味自然の姿そのままの動物たちが描かれる
そして自然の描写!鮮やかな色彩!
生き生きとした葉の連なり、地面の下草の動き、水に浸されて動きだす白い小さな花、青い空、風、雲
美しい宝箱を覗いているようで、その景色の中で愛らしい黒猫が生き生きと冒険する姿から目を離せない
地上波放送がつまらなくて、でも何か美しいものを無心に見たいとき、そんなとき、この「Flow」を見ようと録画したものは保存版にすることにしたほど
あえて難癖をつけるとしたら
動物たちの“感情”が極めて人間くさい点でしょうか…
眼や身体(尻尾)の動きで、彼らが何を言わんとしてるのかを明瞭にしすぎて、こちらが予想したとおりに話が展開してしまいがち、なところかな?
(想定外だったエピソードは、鳥同士が争うシーン
これは読めなかったですね…)
映画館で沈黙の中鑑賞したわけでなく、家族でリビングでストーリーを推測しながら鑑賞できたのも、この作品をより楽しめた点
たまには、こういう風に作品を鑑賞するのもいいですね
呉越同舟
映像と音だけで物語を紡ぐ
言語を超えた人間共通の感情を動物で表現?!
最後まで観れた
この世界に引き込まれていく
ドキドキして、ほっとして、癒やされて、寂しい。
なんとも不思議な感覚になる映画だった。
動物が主人公の映画だと、最初から擬人化されていて人間のように話したりするものが多いように思うが、本作は最後まで動物は鳴くだけで言葉は発しない。
主人公の猫はじめ、犬、猿、鳥、カピバラ、どれもその生態をよく観察したのだろう。本能の動きがリアル。しかし、そこにちょっとずつちょっとずつ、人間味という味が足されていくところがこの映画のミソなのだ。
動物たちが、仲間の連帯感を高めるうちに、食料を分け合ったり、船の舵を取ったり、物言わぬ人のごとく振舞い始める。ラスト近くになるとロープを引いて仲間を救出するまで人間味が濃くなる。この過程で、我々も徐々に彼らに心を寄せ、物語に引き込まれていく。そんな仕掛けが施されているように感じた。
しかし一体、この世界は何だろう。災害級の自然現象で滅びた古代文明のような建造物。ノアの箱舟を想起させる神話のような世界観。古代ではなく、これは温暖化で海面が上昇する近未来の地球の姿のようにも思える。
主人公の黒猫が、目が大きくてチャーミング。
また静かな夜に観てみたい。
人を継ぐ
アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受賞したらしいが、何を描きたいのか...
逞しく生きる生命
水に沈んで行く世界で、黒猫の逞しく生きる姿を描いたロードムービー。
舞台は人間がもういなくなった世界。
マットなタッチで描かれた動物達の躍動感が素晴らしく驚く。
そして草木や水面など自然の描写は、実写のようにリアルで実に美しい。
この対比が面白いですね。
知り合った動物と様々なピンチを切り抜け、段々と巨大都市に近づいていくのは中々に冒険心を掻き立てられます。
途中道具を使ったり、漁を覚えたり、仲間を想う気持ちを覚えたりと成長していく彼ら。
とにかくカピバラが頼りになる。
打ち上げられた船に取り残されたシーンは本当ドキドキしました。
ラストも儚く、大きな自然の力とその中で逞しく生きる生命を描いていました。
これは面白かったです。
素晴らしすぎた
【”ノアの方舟、ダークグレー猫バージョン。”今作は人類無き世を、洪水に飲まれた一匹の猫が様々な動物と出会い流れゆく世界をコンピュータアニメーションを駆使して描いたファンタジック映画である。】
ー ギンツ・ジルバロディス監督の初作品『Away』に引き続き、台詞無き(というか、人間はいないので、動物たちの啼き声だけ)スタイルで、洪水に飲まれた一匹の猫が様々な動物と出会い流れゆく世界をコンピュータアニメーションを駆使して描いている。
最初は、一匹だった猫が流れゆく中、森の中でカピバラ、ワオキツネザル、ヘビクイワシなどと出会いながら、方舟の如き小さな帆船で流れて行くのである。
時に、カピバラが取ったバナナを分け合い、ヘビクイワシの中で猫を守る立場をとる一羽に見守られながら、彼らは森から人類無き石造りの建物が立つ街中へ流れゆくのである。
アララト山ならぬ、気に引っ掛かった帆船から力を合わせて命からがら脱出するシーン。
象徴的に描かれる、巨大なクジラの描き方も印象的である。水中を悠々と泳ぐ序盤から、ラスト近く水が地下の割れ目に吸い込まれ無くなった後に打ち上げられたクジラの眼に浮かぶ涙。
<今作は人類無き世を、洪水に飲まれた一匹の猫が様々な動物と出会い流れゆく世界をコンピュータアニメーションを駆使して描いたファンタジック映画である。>
📝100文字感想チャレンジ💯
猫かわいい🐈️犬もかわいい🐕️
動物好きは見ない方がいいかも?
全239件中、1~20件目を表示












