どうすればよかったか?

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劇場公開日:2024年12月7日

解説・あらすじ

ドキュメンタリー監督の藤野知明が、統合失調症の症状が現れた姉と、彼女を精神科の受診から遠ざけた両親の姿を20年にわたって自ら記録したドキュメンタリー。

面倒見がよく優秀な8歳上の姉。両親の影響から医師を目指して医学部に進学した彼女が、ある日突然、事実とは思えないことを叫びだした。統合失調症が疑われたが、医師で研究者でもある父と母は病気だと認めず、精神科の受診から彼女を遠ざける。その判断に疑問を感じた藤野監督は両親を説得するものの解決には至らず、わだかまりを抱えたまま実家を離れる。

姉の発症から18年後、映像制作を学んだ藤野監督は帰省するたびに家族の様子を記録するように。一家全員での外出や食卓の風景にカメラを向けながら両親と対話を重ね、姉に声をかけ続けるが、状況はさらに悪化。ついに両親は玄関に鎖と南京錠をかけて姉を閉じ込めるようになってしまう。

2024年製作/101分/G/日本
配給:東風
劇場公開日:2024年12月7日

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(C)2024動画工房ぞうしま

映画レビュー

3.5 令和の今なら即答です。

2025年3月1日
iPhoneアプリから投稿

怖い

単純

難しい

「どうすればよかったか?」

→はい、すぐに医者に行って治療を始めましょう。

令和の今なら迷うことなく即答な状況なのは、誰が観ても明白です。

昨今では多くの有名人が、心の不調を明言し休養を主張できる世の中になりつつあります。風邪を引いたら熱が出るように、ココロも風邪を引くことがあるんだということ、それは恥ずべきことではなく、誰にでもなりうるもので、正しい治療さえすれば良くなるのだということが、幸いにも令和の今では常識となりつつあります。ネットの普及で様々な情報を誰もが簡単に入手できるようになったことも、精神疾患への偏見払拭や理解に繋がった要因かもしれません。

ところが、舞台は昭和から平成。統合失調症にもまだ名前がなく、世間の理解が不足していた時代です。しかもご両親はお医者様というご職業柄、世間体を人一倍気にしていたことは否めません。

「病気なら医者にかかって治療する」

医者であるご両親なら、当たり前のようにわかっていることなのに、その至極シンプルなことを複雑にしているのは、家族という柵(しがらみ)なのかもしれません。

いつの時代も

一番愛すべき存在が
一番憎むべき存在でもあり

愛憎は隣り合わせにあるものだということを、この映画を観て感じずにはいられません。

どうすればよかったか?

私が本人、もしくは本人の家族なら
即、病院に行って薬もらって治療します。

以上!

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ななやお

5.0 失敗を認めることは人生にとって重要

2025年2月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人は、こんなにも失敗を自ら認めることができないものなんだなと、ものすごく深いレベルで実感させられる作品だ。このドキュメンタリー映画の題材となっているのは、監督自身の家族だ。両親はともに医療関係で優秀、姉もその後を継いで行くものと思われたが、医学部に進学した後、統合失調症となり家庭内で意味不明なことを叫んだりするようになった。
しかし、両親は精神科へ見せることを拒み続け、彼女は病気ではないと言い張り続ける。そして、数十年が経過、家庭の中はどんどんすさみ、姉の症状も悪化し続ける。結局、精神科に連れて行ったら、合う薬もすぐに見つかり、姉は快方に向かうが、人生の膨大な時間を失うことになる。
統合失調症を世間に知られたくないという恥の気持ちもあったのだろう。しかし、映画を見ていて、優秀な医者として、家族から統合失調症を出したと思われたくない、それは親の教育、育て方の失敗と認めたくないという気持ちもかなり働いてそうな気がした。
結局、父親は最後まで自分の非を認めようとはしない。
人間の成熟とは何かと考えると、ひとつには自分の過ちを認められることがあると思っている。しかし、実際にはすごく難しい。自分はいつも自分の言動を顧みて反省できているだろうかと考え込んでしまった。

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杉本穂高

5.0 社会を変えていける映画だ

2025年9月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

驚く

※駄文ですみません。

どうすればよかったかを鑑賞した。
この映画は統合失調症がテーマだが、もう一つのテーマがある。それは『プライド』だ。
姉に統合失調症の症状が出た日に両親はすぐに知り合いの精神科へ連れて行く。が、何も問題はないと姉を連れて帰ってくる。明らかに様子がおかしい状態が続くが、その数年後もっと状況は悪化する。しまいには玄関のドアに出られないよう鎖をつけ始める。
主人公は一貫として姉を医療に繋げようとするが、両親がそれを長年にわたってガードする。
私はその様を見て、両親は姉を護ってるのではなく、自分たちの『プライド』を護っているように見えた。
母の死、父の病気をきっかけに姉はようやく入院することになるがなんと3ヶ月で退院し快調に向かった。
自分は統合失調症の方の治療前後を見たことがないのでこんなにも良くなるのかと正直衝撃を受けたのと同時に、『もっと早くこうすればよかったのに』と思わざるをえなかった。

今でこそ、心の病気や発達障害をカミングアウトされる方が増え、昔よりも精神的な病気への認識がフラットになったような気はするが、まだ『恥ずかしい』という認識は根付いている。
心の病気になった時、本人と身内が真っ先に思う感情が、『痛い』でも、『苦しい』でも、『辛い』、でもなく『恥ずかしい』だと思う。
私はこの『恥ずかしい』という感情が出てしまうことが一番の問題だと思った。
感情をコントロールするのは難しい。恥ずかしいものを恥ずかしくなるな、なんて言ったところで簡単にできるわけがない。
この映画にでてくる両親には、自分たちのプライドで姉の人生の時間を無駄にさせてしまったんだぞ、と強く怒りの気持ちを持ったと同時に同情の気持ちも持った。

統合失調症を認めないというプライドを捨てることが1番の近道だと感じたが、プライドを捨てるのは難しい。この映画の両親の経歴であれば尚更そう感じた。
そしてきっとどんなバックグラウンドの人間だってそうだと思う。

私たちが統合失調症の方やその身内の方を救えるのだとしたらそれは、この病気を『恥ずかしい』と思わせない、この病気はガンだったりインフルエンザと一緒で、当たり前のように病院に行って治す病気なんだ。そんな認識の社会を作って行くことだと感じた。

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白茄子

5.0 深く考えさせられる映画でした

2025年9月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

深く考えさせられる映画でした。数十年の年月をかけた記録。父、母、弟、それぞれの立場から「どうすればよかったか」を問うが結論は出ない。

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やすひこにゃん