キノ・ライカ 小さな町の映画館

劇場公開日:

キノ・ライカ 小さな町の映画館

解説

フィンランドの名匠アキ・カウリスマキが仲間たちと作った映画館「キノ・ライカ」のドキュメンタリー。

フィンランドの鉄鋼の町カルッキラに、カウリスマキと仲間たちが誕生させた町で初めての映画館キノ・ライカ。深い森と湖、そして現在は使われなくなった鋳物工場しかないこの町で、住民たちは映画館への期待に胸をふくらませ、映画について口々に話しはじめる。

カウリスマキと共同経営者の作家ミカ・ラッティが2021年に映画館をオープンさせるまでの様子やインタビューに応じる姿などをカメラに収め、カウリスマキが自ら館内の内装や看板設置などの作業に勤しむ姿も映しだす。「枯れ葉」に出演した女性デュオのマウステテュトットや「希望のかなた」に出演したヌップ・コイブ、サイモン・フセイン・アルバズーン、盟友ジム・ジャームッシュらも登場し、カウリスマキとの思い出や映画への思いを語る。

2023年製作/81分/フランス・フィンランド合作
原題または英題:Cinema Laika
配給:ユーロスペース
劇場公開日:2024年12月14日

スタッフ・キャスト

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(C)43eparalleleproductions

映画レビュー

「そんな事は問題じゃない」

2025年1月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 フィンランドを代表する異能の映画監督アキ・カウリスマキが自身の故郷の田舎町に映画館を作ろうと、廃工場の一角で仲間と共にのこぎり・金槌を振るう姿を記録したドキュメンタリーです。僅か人口9000人の街ですから、そんな所に映画館を作って採算が取れるとは思えないのですが、カウリスマキは、

 「そんな事は問題じゃない」

と全く意に介さず、故郷に何かを返したいのだと語ります。カッコいいなぁ。街の主幹産業であった製鉄業が一挙に衰退する中、土地に暮らす人々もそれぞれに期待を口にします。その飄々とした語りは素朴な様でいて、これは俳優が演じているのではないかという匂いも漂います。でも、その辺の胡散臭さもカウリスマキ的として許せてしまうんですよねぇ。ちなみに、本作の監督はカウリスマキ自身ではありません。

 オープンした日の祝祭感も素敵です。これから本当に経営が続けられるかどうか僕には分かりませんが、映画ファン・カウリスマキファンとしては遠い島国から声援を送りたい! ここには希望がある。

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La Strada

4.0にわかファンですが、やはり面白い。

2025年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年の1月に「枯葉」を観てハマってしまった、にわかカウリスマキファンです。
その後、アマゾンプライムで観れる映画を一通り観ました。
その魅力については、私の力では説明困難ですが、
普通ではない変な映画、ということは言えると思います。
それを面白いと思うか否かが分かれ道。
「キノ・ライカ」はカウリスマキファンなら面白いと思うけど、
そうでなければ寝てしまうかも。

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ぜん

4.5画角、人の動き、暗い明るさ、もうそれだけで充分に満足。

2025年1月13日
iPhoneアプリから投稿

画角、人の動き、暗い明るさ、もうそれだけで充分に満足。

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kp

3.5世界は映画館を必要としている。

2024年12月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

私には好きな町の条件?というようなものがあって。
一つ目は、お城があること。
二つ目は、郊外電車があって、それに乗れば温泉場に行けること。
三つ目は、地元の酒蔵と、本屋と、そして映画館があること。
関東でいうと小田原はこの通りなんだけど、ちょっと町の規模が大きすぎて。今まで行った先でドンピシャなのは上田かな。九州あたりにはいくつかありそうだけど。
アキ・カウリスマキのこの映画はまさにそういうことを言っているわけで。彼の生活においては映画館と、そしてバーがないことは考えられない。だから生まれ故郷に近く、何かと縁のあるカルッキラに映画館をつくった。
この作品はそのドキュメンタリーということだけど、映画館が出来上がるまでを時系列に追っているわけではなく、いろいろな人が映画館への期待や、映画館に関わった経緯や、アキに対する思いなんかを喋っているのをアットランダムに繋いだ感じ。ただ構成は凝っていて、インタビューしている人をまた外から撮影していて、それをさらにTVで観ている人たちを撮影する、といった多重構造になっている。映像は全般に暗い、けど美しい。シーン毎の構図もアーティスティックでレンブラントの絵のようだ。
アキの作品は常に、生活と芸術の接点というか、その二つが溶け合っている世界観を表現している。そしてその生活においては映画館(そしてバー)が欠かせないっていうことですね。

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あんちゃん