Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり

劇場公開日:

Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり

解説・あらすじ

マレーシアの首都クアラルンプールを舞台に、最下層の街で支えあって生きてきた兄弟の過酷な運命を描き、世界各地の映画祭で数々の賞に輝いたマレーシア・台湾合作映画。

クアラルンプールのプドゥ地区にあるスラム街。不法滞在者2世などさまざまな国籍や背景を持つ貧困層の人々が暮らすこの地域で、身分証明書を持たないアバンとアディは兄弟として育った。ろう者のアバンは市場の日雇い仕事で堅実に生計を立てているが、アディは裏社会とつながっており危険と隣りあわせの日常を送っている。そんなある日、アディの実父の所在が判明し身分証明書発行の可能性が出るが、ある事件が兄弟の未来に暗い影を落とす。

台湾の人気俳優ウー・カンレンが兄アバンを熱演し、2023年・第60回金馬奨で最優秀主演男優賞を受賞。マレーシアのスター俳優ジャック・タンが弟アディを演じた。「ミス・アンディ」などの社会派作品をプロデュースしてきたジン・オングが長編初監督・脚本を手がけた。

2023年製作/115分/PG12/マレーシア・台湾合作
原題または英題:富都青年 Abang Adik
配給:リアリーライクフィルムズ
劇場公開日:2025年1月31日

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映画レビュー

4.0「満ち足りた家族」と好対照な、貧しい兄弟の絆と運命

2025年1月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

韓国発「満ち足りた家族」、香港発「ゴールドフィンガー 巨大金融詐欺事件」そしてマレーシア・台湾合作の本作と、アジア映画の力作、良作の日本公開が続く。兄と弟の関係性が物語の鍵になっている点で「満ち足りた家族」と共通する。ただし、あちらが弁護士兄と医師弟という上流の兄弟の確執が優勢だったのと対照的に、この「Brotherブラザー 富都(プドゥ)のふたり」では、身分証を持たずスラム街で暮らす貧しい兄弟の絆が哀しくも美しい。

台湾の俳優ウー・カンレンが演じたろう者の兄アバンのキャラクターがしみじみと素晴らしい。不良の弟を常に気にかけ、トラブルに巻き込まれても決して見放さない。ゆで卵を互いの頭にぶつけて殻を割るシーンが微笑ましくて、ちょっと哀しい。それから、2人が乗った長距離バスが休憩所に停まったときの出来事が印象的で、長編初監督・脚本のジン・オングによるストーリーテリングのうまさに感心。

観光で訪れただけではまず知り得ないマレーシアの最下層という暗部を題材にした映画で、画面もかなり暗めだが、国境を越えて琴線に触れる普遍性が確かにある。邦画では藤元明緒監督作「海辺の彼女たち」と近いものを感じた。

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高森 郁哉

2.5飲み込めなかった

2025年3月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

映像美へのこだわりや、様々な理由で身分証を持てない人々とそれによる貧困の問題に光を当てた意図は肯定的にとらえたいのだが、自分にはどうしても飲み込めない部分があり、途中から、ある意味長々と描かれていることが、全く反転して受け取れてしまった。挙句の果てにラストシーンとエンディング曲で完全なるダメ押し。

「誠実」ってなんですか? 安易に殺すなよ!

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sow_miya

弟よ、それでいいのか?

2025年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 マレーシア・クアラルンプールのスラム(その名が富都-プドゥ-と言うのも皮肉)で暮らしながら、身分証を手に入れて貧困社会から抜け出そうと藻掻く兄弟のお話です。馴染みのないマレーシアの複雑な社会状況を知る事が出来、物語的起伏も絶妙で惹かれるのですが、「こんな終わり方でよいのか?」「 弟よ、それでいいのか?」の違和感がどうしても拭えず気持ちが離れてしまったなぁ。

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La Strada

2.5泣き所で泣けなくて消化不良

2025年2月22日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 4件)
ひみあ