国境ナイトクルージング

劇場公開日:

国境ナイトクルージング

解説・あらすじ

中国と朝鮮半島の国境に位置する街・延吉を舞台に、偶然出会った男女3人が街をクルーズ(ぶらぶらと観光)するなかで起こる心情の変化を、繊細な映像美と抒情的音楽でつづった青春映画。

友人の結婚式に出席するため冬の延吉にやって来た青年ハオフォンは、上海へ戻る翌朝のフライトまでの暇つぶしに観光ツアーに参加した際に、スマートフォンを紛失してしまう。観光ガイドの女性ナナはお詫びとしてハオフォンを夜の延吉に連れ出し、男友達シャオも合流して飲み会で盛り上がる。翌朝、寝過ごしたハオフォンはフライトを逃し、シャオの提案により3人でバイクに乗って国境クルージングに出かける。

「少年の君」のチョウ・ドンユイがナナ、「唐人街探偵」シリーズのリウ・ハオランがハオフォン、「流転の地球」のチュー・チューシャオがシャオを演じた。「イロイロ ぬくもりの記憶」で第66回カンヌ国際映画祭カメラドールを受賞したシンガポール出身のアンソニー・チェンが監督・脚本を手がけ、シンガポールと日本を拠点に活動するアーティストのキン・レオンが音楽を担当。

2023年製作/100分/PG12/中国・シンガポール合作
原題または英題:燃冬 The Breaking Ice
配給:アルバトロス・フィルム
劇場公開日:2024年10月18日

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(C) 2023 CANOPY PICTURES & HUACE PICTURES

映画レビュー

4.0ふとしたきっかけから生まれた絆を紡いでいく3人の姿を、「国境線」と絡めて描いていく、という掘り下げ方がおもしろい一作

2025年5月12日
PCから投稿

『ビヨンド・ユートピア 脱北』(2024)を鑑賞した後だと、「国境線」の描き方がこんなに違うんだ…と妙な感慨があります(どういう順番で観てるんだ、とも思いますが)。

何かから逃れるように旅先でバスツアーに参加したハオフォン(リウ・ハオラン)が、ふとしたきっかけで知り合ったナナ(チョウ・ドンユイ)、そして彼女の友人のシャオ(チュー・チューシャオ)と国境近くの都市、延吉でのひと時を過ごす…、という物語の大枠は、ボーイミーツガール的であったり三角関係の話であったり、なのですが、情緒的になりそうなところをぎりぎりでかわすあたり、いかにも2020年代の作劇だと実感します。

そんな近いのか離れているのか、いつまで続くのかもわからない三人の関係が、延吉の現代的な景観、あるいはその周辺に広がる自然環境、さらにその先に厳として横たわる国境線、などとどのように絡んでくるのか、が本作の注目点の一つとなっています。

アンソニー・チェン監督は落ち着いた作風という評価が定着していますが、それがちょっと本意と違うのか、本作のインタビューでチェン監督が割と自身の「若さ」について語っています。そのインタビューを見たことも影響しているのか、映像からも「若さってこういうことだぜ!」という監督の声が聞こえてきそうで、作品自体の面白さとは別の次元でちょっと笑ってしまいそうになりました。

なお延吉は、中国の朝鮮族自治州の州都にあたり、その土地柄、作中でも何度も朝鮮族の人々の生活や文化について言及しています。その描写がとても面白かったんだけど、主人公三人の物語にあまり絡んでこなかったような気が(ハオフォンがバスツアーで参加したり、ナナがそのガイドだった、という設定はあるものの)。何か重要な描写を見落としているのかも?また観直してみますー。

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yui

3.5天池

2025年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

中国と北朝鮮の国境の延吉という町で3人の男女が数日間過ごす様を描いた作品です。

3人それぞれ何かを抱えて、最後にはそれを越えて一歩踏み出していきます。(ハオフォンはどうなった…?)

鼻の奥がツーンとするような冬の寒さと、夜をあてもなく彷徨う雰囲気が良かったです◎

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Yum

3.0雰囲気に酔っていたのは1時間10分くらいまで。

2025年4月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

挫折、後悔、閉塞感、消しては浮かぶ憧れ。
ここじゃない何処かへ。
でも、どこへ行けば自分の気が済むのか、わからない。

雰囲気映画。
登場人物の心情に寄り添うことはないが、主演3人に惹かれるも1時間10分頃から飽きてきた。
僕は子供の頃から映画を観れば幸せホルモンが出るタイプなので、
閉塞感に苛まれるという感覚がニガテというか分からない、
分かりたくないタイプなのである。
主演3人のモヤモヤに共鳴できないタイプなのである。
すまん。

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なかじwithみゆ

3.0映像がとにかくスタイリッシュで美しい

2025年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

明示的には余り語られないが、主人公の三人はそれぞれが自分たちの故郷で夢に敗れたり、疲れ果てたりしながら、現在、この国境沿いの街にいて、行き場のない閉塞感のある生活から抜け出したいと思いつつも半ば諦めて刹那的に生きている。でも、互いに言葉には出さずとも寄り添っているだけで何かが心の中で変わっていく。本作の英語タイトルは "The Breaking Ice" -美しい冬の景色の中で彼らの気持ちにアイスブレイクは訪れるのだろうか?

心が疲れてしまった中国の若者たちの姿を淡々と描いた作品ではあるが、ひょっとすると日本の若者にもそのまま当てはまるのかも知れない。大人たちに駆り立てられて、夢を持つことを強いられて疲れ果てている子どもたちも少なくないのではないか?

夢を実現できたら素晴らしいかも知れないが、実現できなくても、その人生は決して失敗なのではない。実際、多くの人間はそうやって折り合いをつけて生きているのではないか。

大したことを成し遂げることもなかったけれど、好きなことだけをして生きてきて、今も好き勝手に自由に生きているオッサンとしては、そんなに肩肘張って生きていかなくても大丈夫だよ、と言ってやりたくなる。

監督のアンソニー・チェン氏はシンガポール出身らしいが、映像がとにかくスタイリッシュで美しい。

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Tofu