舟に乗って逝く

劇場公開日:

舟に乗って逝く

解説・あらすじ

中国の新鋭チェン・シャオユーが長編初監督・脚本を手がけ、自身の故郷である江南地域の水郷地帯を舞台に、余命宣告を受けた老齢の母とそれぞれ事情を抱える娘と息子が織りなす家族の物語を美しい映像でつづったドラマ。

多くの運河があり、かつては舟が生活の要となっていた江南地域の町・徳清。かつて舟に乗ってこの地に嫁入りしたという母に、重い病気が見つかった。上海でアメリカ人の夫と暮らす長女と、旅のガイドをしながら風来坊のように生きる弟は、母の治療を巡って意見を対立させる。

「人生って、素晴らしい Viva La Vida」やドラマ「開端 RESET」への出演で知られるリウ・ダンが長女を演じ、2024年・第37回金鶏奨にて最優秀助演女優賞を受賞。中華映画特集上映「電影祭」2024および現代中国映画祭2024では「船に乗って逝く」のタイトルで上映された。

2023年製作/99分/G/中国
原題または英題:乗船而去 Gone with the Boat
配給:ムヴィオラ、面白映画
劇場公開日:2025年6月13日

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(C)2023 Fractal Star Film Production Co., Ltd., Infinina Media Co., Ltd.

映画レビュー

3.0意図はよくわかったが。

2025年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

小津さんの映画、特に「東京物語」を意識していることはよくわかった。私がいうのも痴がましいが、あの映画は、小津さんが長年に渡って鍛えてきたことの集大成であり、敢えていうならば、漸く戦争の影響を脱し、戦後の繁栄を目の前にした時代背景、笠智衆という名優の演ずる父親の存在とその振る舞いを通奏低音として、東山千栄子の病をめぐって、その長男と長女、次男の嫁、三男と次女の現在と未来を描いた、かけ替えのない傑作だった。

この映画では、江南地域の美しい徳清に一人で暮らす母は、大変活発な人で、子や孫が、その地に戻る必要はなく、精一杯生きてくれたらそれで良いという姿勢には、心から共感できた。しかし、彼女は、小さい頃、もらい子として都会で生活したことがあり、そこから徳清に逃げ帰ってきた過去があった。夫は、やむをえず大工をして子供たちを立派に育て、皆に慕われていたが、既に亡い。一家の星だった長男も亡くなっていた。

長女(姉)は優秀で、前夫との間に生まれた男の子は家を出て、俳優を目指している。縁あってアメリカ人の語学教師と出会い、徳清から180 km離れた上海で語学学校を経営するが、なかなか難しい。利発な娘を得るが、夫と娘は、どちらかといえば、米国を見ているようだ。次男(弟)は優しいが、能力はそれほどでなく、ガイドをやっているようだった。ここで、母が病を得る。背景には、認知症の進行があるようで、身体さえ動けば。急に行動に走り、周囲をきりきり舞いさせる。すると、なかなか足が向いていなかった姉が、これまでの関係を取り戻すかのように、つきっきりで診るようになる。最初は、夫と娘がアメリカに里帰りしている間と思ったけれど、そうでもないようだ。夫は英語の教師としては、それなりの能力はあるが、経営はからきしダメで、それじゃあ、学校はどうなったのだろう。一方、弟は、なかなか煮え切らず、本当は船大工をしたいようだ。でも、家の階上に船を探して、水に浮かべたのはよいけれど、十分な防水加工もしないでは、長く持つはずもない。そうなのだ。この作品では、母の過去と姉と弟の現在が十分、描き切れていないのだ。

中国は、素晴らしい経済発展を遂げているように見える。しかし、その恩恵を被っている人とそうではない人の格差があるのか、経済的な繁栄を謳歌していたころの日本文化に対するあこがれを感ずる時がある。でも、小津の映画には、他にはない、とてつもなく厳しいところがあり、それをぜひ、見逃して欲しくないものだ。

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詠み人知らず

3.0消えゆく命だけでなく、 それを取り巻く人間模様みたいなのも、 たく...

2025年6月21日
iPhoneアプリから投稿

消えゆく命だけでなく、

それを取り巻く人間模様みたいなのも、

たくさん描かれてたところが良かった

3.5にするか迷った

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jung

3.0思い入れが強すぎたか

2025年6月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

自身の訴求したいテーマへの思い入れが強すぎたか、と言う印象。映像と音楽は美しく良かったが、俳優達の演技は形式的で素人演劇を見せられている気分ではあった。場面の切り替わりもぎこちなく、感動には至らなかった。やはり、監督の技量が足りなかったか。

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Cabe

3.0映像の美しさは癒しを与えてくれる

2025年6月14日
iPhoneアプリから投稿

難しい

癒される

自然豊かな水郷地帯で一人暮らしの高齢の母の介護を巡り、離れて暮らしている姉と弟がどのように向き合って行くのか・・・って国は違うけど、抱える問題は同じなんだと痛感。
自分はどうだろうか。
子供として、親の最期にどう向き合えばいいのか。どう接するのがいいのか。
後に悔いることのないようにするには、どうすべきなのか、考えるキッカケになった。

重いテーマの作品だけど、水郷地帯の自然豊かな光景はデトックス効果が大だ。のんびりと丁寧な暮らしを見ているようだ。

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ちゃ坊主

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